第2話 告白

【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/2912051595351069691


 ずぶ濡れで同情でも誘おうってか?

彼女の全ての行動が俺の癪に触る。


 しかし、この大雨の中、流石にこのまま帰れということもできなかったし、ちょうど親もいないので一旦家に入れることにした。


「…とりあえず、入ったら?」

「…ありがとう…。お邪魔します」

「ちょっと待ってて。タオル持ってくるから」

「…うん。ごめんね…」


 そうして、部屋から持ってきたずぶ濡れの彼女にタオルを手渡す。

…これ…タオルだけだと風邪ひくよな…。


「…とりあえずお風呂…入る?…着替えは俺のしか貸せないけど…」

「…うん…ありがとう…」と、適当に持ってきたひとまずお風呂を沸かして、シャワーを浴びてもらうことに。


 その間、リビングから外を眺めていると、外は大雨だった。


 こりゃ当分帰れないな。

というか、本当に何しに来たんだろう。

咄嗟に家に招いたのはいいものの…普通に着替えの傘を貸すので帰ってもらいたい。


 それから、しばらくして彼女がお風呂場からリビングの方に出てくる。


「…お風呂…ありがとう。それと着替えも…。迷惑かけてごめんなさい」と、深々と頭を下げてくる。


「…別に…」

「…」「…」


 嫌な沈黙が流れる。

そうして、俺の向かいの椅子に座る。


 そっちが押しかけてきたんだから早く本題に入ってくれよとそう思っていた。


 すると、「あのね…」とようやく本題を切り出してくる。


「…あの…罰ゲームの話なんだけど…」


 まぁ、そりゃそうだろうな。

けど、今更そんな話をしてどうしたいんだろう。

もう、俺の心は完全に冷め切っており、それがどんな理由であろうとも今更好きとかそんなことになる気はしなかった。


 けど、こうして家に来るほどだし、話さないと気が済まないのだろうから、仕方なく黙って聞くことにした。


「確かにね…罰ゲームで告白したのは…本当。

でも、ちゃんと私は好きな人に告白をしたの。別に適当に誰でも良くて田中くんに告白したとか、後から馬鹿にしようとかそんなつもりじゃなくて…。周りは多分、そんな風に思っていたかもしれないけど、私は本当に好きだったから…田中くんに告白したの」

「…そうなんだ」

「…だからね…それを分かって欲しかった…」

「…そっか。…でもごめん。もう気持ちは冷めちゃったから。それに…やっぱ無理だったんだよ。俺と白乃さんでは元々住む世界が違うっていうか…」


 そう言った瞬間、白乃さんが立ち上がる。


「わ、私は…!!そばにいたいの!!どんな形であれ、どんな関係であれ、そばにいたいの!だから…!!…何でもするから…そばにいさせて…彼女じゃなくてもいいから!!都合のいい女になるから!!だからっ!!」と、涙ながらにそう言われた。


「…だから…もう…信じられないんだって。今だって…俺はこの音声を誰かに聞かせて…陰で笑ってるじゃないかって…」

「そんなことっ…ッ!!」というと、白乃さんは俺の貸したTシャツを脱ぎ捨て、下も脱ぐ。


 そして、下着姿になり、「これで…信用してくれる…?//」と、顔を真っ赤にしながら聞かれた。


「…そ、そんなことされても困るっていうか…」


 すると、俺の手を取り、彼女の胸に押し付ける。


「…信じてっ…!私は…!!」

「…もう分かったから…。こんなことされたら余計信じられなくなるし…。そもそもなんで俺なんだよ…。俺なんか…」

「そんなの好きになっちゃったんだからわかんないよ!理屈じゃないんだもん!」と、そのまま膝をついて泣き始める。


 こんな時、イケメンなら何で声をかけるのだろう。


「…ごめん」

「そばに…いさせて…」


 その姿を見てもう責める気にはなれなかった。

けど、許すつもりも今更気持ちが戻ることもなかった。


 俺のこときっと色々と誤解している。

俺は白乃さんが思っているような綺麗な人間じゃない。


 デートをしてた時だって、ずっとボッキしてたし、エロい妄想だって何回もした。

そんなまっすぐな気持ちを受け止められるほど、まっすぐな性格としていない。


 だから、最低な答え方しかできない。

もう嫌ってくれていいから。

いや、嫌ってくれ…。

その方がずっと楽だから。


「…本当に都合のいい関係でいいんだね」

「…うん」

「じゃあ…体目当てでもいいんだ…」

「…うん。そばにいさせてくれるなら…何でもして…?」と、見上げながらそんなことを言ってくる。


「…とりあえず…服着て」

「…え?」

「…もう…好きにはなれないかもしれないけど。都合よく使っていいなら…いいよ」


 すると、幸せなそうな笑顔で「ありがとう」とか言ってきた。


 もう、俺にはどうすればいいかわからなかった。

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