海に沈む心の傷 渦巻く死の香り 寄り添う想いと絆に胸がしめつけられる!

とある事情で会社を辞めてしまった青年・相川 湊人
故郷に想いを馳せて生まれ育った離島で再出発を考えます

15年という時を超えて再会する想い
幼い頃に慕っていた姉の元恋人・鳴海 颯太

あたたかい出迎えと懐かしい友人・望月 涼介との再会も束の間
島に住まう人々に深く刻まれていた過去の影に湊人は出会う

過去に起きた痛ましい事故に縛られる心
渦巻く死の香りはまるで鼻をつく潮の匂いのようで
美しい島と海に隠された怖さが波打っているようで
深い海の底になにが隠されているのか

さざなみのように押し寄せてくるような不安
寄せては返す荒波のような感情

まるで本当に海に潜っているかのような流麗な言の葉
紡がれる幻想的な描写と深い心理的な表現力が素敵♪

深く沈んだ海の底の神秘に息が詰まるようです
言葉を交わせない海の中で二人の心にどんな想いが生まれるのか
深い深い海のような心に隠された真実を見届けてほしいです

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深海の呼吸

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