第2話 |ピンクの肉棒な粘体《Pink Elder Ooze》とリアル世界②

ピンクの肉棒な粘体Pink Elder Oozeとリアル世界②


[newpage]#01 リアル世界の愚か者達

 「オーバーロード」と言う作品で、一番好きだったのが、ぶくぶく茶釜である。21世紀、国家が崩壊し、貧富の差が拡大したことで、脊髄にニューロナノマシンを実装する、人体実験の素材を、企業が大量に用意することができた。


 超々格差社会というのは、抵抗しようとする勢力が発生し、時にはアーコロジー戦争のような戦争を引き起こすこともある。アーコロジー内でも、不満を持って、爆発するような人間も、山のように居て、時折はテロ活動で、アーコロジー内で爆発が起きたりしている。

 爆発事件が起きると、ぶくぶく茶釜の機嫌が悪くなる、そして、ウルベルト・アレイン・オードルが“Nazarick”にインすると、

「相変わらずね、悪役は楽しい?ウルベルト・アレイン・オードル」

「あ、姐御・・・」

「正座。文句ある」

「え、今日は、狩りに・・・」

言葉が終らぬうちに、

「正座」

「はぃ・・・」

 そこへ、間抜けな、声がする。

「やっほぉ、わぁ、ウルベルトさんが正座してる。かっこ悪ぅ・・」

「煩い、愚弟、お前も正座だ」

「え、ええぇッ、俺、何もしてないのに」

「正座・・・」

「はい・・・」

 二人が並んで、正座を始める。まぁ、正座には意味は無く、ただの八つ当たりだ。ウルベルト・アレイン・オードルは、小学校卒で、両親が会社の責任を取らされた形で、悲惨な死に方をしたらしい・・・権力者が嫌いで、テロへの支援活動を、陰でしてたりする。


 モモンガ君サトル君が、“Nazarick”にインして、

「え、どうしたんですか、ペロロンチーノさんだけでなく、ウルベルトさんまで・・・」

「なんで、俺は、スルーなの・・・」

「いや、姐御が、怒ってて」

 機嫌の悪い、ぶくぶく茶釜を見て、モモンガ君サトル君が、二人の横で正座を始める。

「ちょ、ちょっと、サト・・・モモンガ君は、正座しなくて良いのよ」

「僕は、ギルド長ですから・・・」

 ギルド長モモンガ、みんなでお願いした、ギルドAOGのギルド長。モモンガ君サトル君の傍らに行って、ピンクの触手で抱きしめると、接触面積に、制限がかかる。(この、クズ運営・・・)

「もう仕方ないわね、モモンガ君も狩りに行くの」

「はい、良いクエストだって、ペロロンチーノさんが・・・」

「ん?愚弟が・・・大丈夫なの?」

「大丈夫っす、姉貴」

「ウルベルトは、調べたの?」

「あぁ、危険だが、面白い」

 難度の高いクエストを好む、ウルベルトは、最強の魔法詠唱者ワールド・ディザスターでもあるので、多少のトラブルは力業で突破する傾向が強かった。

「わかった、正座は、良いわよ、私が行く」

 そこへ、付き合いの良い、やまいこが、インしてくる。

「やっほぉ。来たわよ」

「やまいこ姉・・・私も行くわ」

「お、かぜっちが一緒なら、リーダは、かぜっちね」

「うん。わかった。男連中も、良いわよね」

「「「はいッ」」」

 こんな感じで、遊びに行って、イベント攻略することも多かったなぁ・・・


 こんな時代も、今は昔だ・・・


[newpage]#02 口にしない、したくない。公然の秘密

 食事を行う時、

「いただきます」「ごちそうさま」

感謝を捧げる。


 これは、昔も、今も、変わらない、食前食後の祈りだ。

 食事への感謝は、食材そのものへの感謝でもある。西暦2138年のリアル世界が、滅びゆく世界で、最低限の感謝を捧げることが、なによりも大事にされた。藻を育てるにしても、植物工場の水耕栽培であっても、水や空気を創り上げるのは、粘体スライムが処理した、人間の排泄物であり、廃液処理をおこなった結果であった。


 河川や湖に海が、マイクロプラスチックのゴミに溢れ、ヘドロが浮かび、生き物が住めなくなって、粘体粘体が喰らって、プラスチックを燃料に回収し、水や塩を回収した。21世紀に起きた、戦術核によって生じた放射性廃棄物や、酸性雨の悪化によって、腐食し爛れ壊死していく細胞を廃棄しながら、粘体スライムは、生き残るために活動をしていた。


 テロ活動は、アーコロジーへの被害は少ないが、ゼロではなく、被害の復旧を行うのも、粘体スライムの仕事だった。



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