第16話 三種混合接種1日目
冬が近づき、寒さが辛く感じる今日この頃…。
我が家は恒例の行事がやってくる――
そう、三種混合接種だ!!
猫の注射は実はそんなに痛くないらしく、猫への負担は軽いのだが、"やつら"は注射が嫌いなのではない。
籠に入れられ、少しでも狭い空間に閉じ込められるのが嫌なだけなのだ。
(普段、勝手に狭い場所に入って喜ぶくせに!!)
ついでに多分病院も嫌いだと思う…。
しかし、猫の体調管理は超重要!!
鼻つまりだけでも呼吸困難で死に至る可能性すらあるのだから出来る事はやっておきたいのが飼い主の主張である。
正義はこちらに有り!!
今回の三種混合予防接種のターゲットは…
ダダダダダ… デンッ!!
ユー様、ノンちゃん、キー、ルイ!!!
※サチはやばすぎるので2年おきにしています。
まず、猫の籠を玄関に用意する私。
それを見てやつらは気づくのだ――
入れられると…。
蜘蛛の子を散らすように逃げ出すやつら。
ここからが人間vs理不尽大魔王軍団の戦いは始まる!!
まず最初に捕まえたのはユー様。
「ふー… やれやれ」
と半ば諦めたように静かに捕まった。
(分かってるなら逃げるなよ!!!)
次に捕まえたのはノンちゃん。
「え~… 嫌だよぉ~…」
得意のあざと作戦でこの場を切り抜けようとするが、「可愛いからこその予防接種なんだよ!」と自分に言い聞かせながらノンちゃんを入れる。
そして家中を駆け巡りやっとの事で捕まえたキーちゃん。
諦めて静かになったので安心して籠に入れようとしたその時だった。
籠の入り口を4本の脚で押さえつけ… 足をどかそうとした瞬間――
私の手からすり抜けて逃走!!
「おまっ!!」
私とお母さんは必死にキーちゃんを追いかけ、捕まえる。
息を切らしながらキーちゃんも無事籠に入れる事に成功した。
残すはハイパワーベイビーのルイ君だ…。
気合を入れて家中を探し回るがルイ君の姿は見当たらない。
(あいつ… どこに隠れた?)
家中を探し回ったが見つからない。
少ししてお母さんが私を読んだ。
行ってみると――
「ルイ君はお出かけ好きなのかな?」
お母さんが笑いながらルイ君を入れる予定だった籠を指さす。
「ぐるにゃーーーん。」
ルイ君は早く籠の蓋を閉めろと言わんばかりに私に鳴いて来た。
(自ら籠に入るスタイル!! 斬新すぎるだろ!!)
* * *
そして動物病院にて――
やかましい猫たちは静かに待合室で順番を待っていた…。
しかし1時間待っても順番が回ってこない?
待合室には順番待ちの飼い主さんがどんどん増えていく――
(どうしたの?)
不審に思い私は看護師さんに聞く。
「すみません… なんかワンちゃんの飼い主さんが納得してくれなくて…」
「ま… まぁ、仕方ないので明日もう一度きますね。」
この病院は予約は取れず、順番待ちでしか対応が出来ない。
かと言って、籠の中で1時間以上待たされる猫たちの負担を考えるとこれ以上待つのは良くない。
私は今日の予防接種を断念することにした――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます