18. 監禁
……頭が痛いし、すごくクラクラする…ここはどこ?、真っ暗で何がどこにあるのか認識が出来ない。一体自分は何をしていたんだ?、思い出せない…俺はなにをしていたんだ?
「…あ、そうだ、俺は確か、告白の返事をしに体育館裏に言って…」
そこにやってきた黒百合に…なんだあれは、スタンガンか?
「というかなぜあの場に黒百合が…」
相変わらず真っ暗でなにも見えないが、意識がはっきりとしてきたから、体を動かそうとしたのだが…
「体が…固定されている?」
多分椅子だろう。足が椅子の足に固定ては無論縛られていて、背中と椅子の背もたれの部分がぴったりつくように縛られていて、解けそうもない。
「そろそろ起きてる?」
そう、どこからか声が聞こえて、そこに視線を向けると正面から、ドアを開けて入って来た。
「黒百合…美波?、どうして?」
「どうして…って、決まってるじゃないですか、私は好きなんですよ?、藍星みり、あなたのことが」
「なん…で、監…禁…なんて」
「そうしないと断っちゃうじゃないですか、逃げちゃうじゃないですか、そばにいてくれないじゃないですか、ダメですよ、私のところから離れようとしたら」
この言葉…初めて聞いた気がしないな…あ、そっか、
「あるまも…こんなこと言ってたっけ…」
「なんで私がいる時に、別の女の話をするんですか…刺しますよ?」
その手には、本物の包丁が握られていた。
「…ごめ…ん…」
「いいんですよ、間違いなんて誰にでもありますし、それにしても、普通に喋ってくださいよ…、あ、数時間も眠らされてたんでしたね。水分が不足してるでしょうし、私が飲ませてあげます」
「うっ…」
「ほら、早く飲んでくださいよ、水分取らなきゃ死んでしまいますよ?」
彼女が俺の口に水を流し込んでくる…。
「はぁ…はぁ……」
「これでちゃんと喋れるようになったはずです、何か言いたいことは?」
何か喋っていいらしい。
「ここは…どこだ?」
「ありきたりな質問ですね、ですが大好きな藍星さんの頼みです。特別に答えてあげます。ここは、私のお父さんがここを引っ越す前に作っていたシェルターです、特にこの部屋は…核爆弾が落ちても耐えられるような作りになっています。なのでここは電波が通りません。」
「君は…昔小学校の頃よく話していた、
「そうよ、あなたが居てくれた小学校時代は友達こそ多くなかったけど、ずっと私と話してくれたおかげで、寂しく無かったの…転校してから色々あったけど」
「もしかして…離婚した?」
「……………」
彼女は黙ってしまった、
「……ご飯がまだだったわね、大丈夫、全部私が食べさせてあげるから」
彼女はご飯を持ってきた。もちろん手が縛られているため、自分で食べる事ができない。
「ほら、口を開けないとご飯が食べられないでしょ?」
「………」
「ご飯を食べないと死んじゃうから、食べてほしいの」
「…………」
「……食べて???」
彼女が隠し持っていた包丁を取り出したため、これ以上のボイコットは不可能と判断。大人しく食べる事にする。
「大丈夫よ、変なものはなにも入れてないから、正真正銘、あなたのことを想って作ったの、どう?、美味しい?」
「………」
「…まぁこれは、追い追い言わせていければいいわ」
そう言って黒百合は食器を持って部屋を出て行った。だが15分もすれば戻ってきて、
「さぁ、今日は寝て、はい、これを大人しく飲んで?」
何かの薬を飲まされる。何なのかはわからない。だがそれを飲んでから、ものの数十分で眠気が来たので、おそらく睡眠導入剤なんだろうと判断。
…なぜ、こんな事に?、俺は、一体どうすればよかったんだ?、なにをするのが正解だったんだ?…そんなことを考えている間に、俺の意識は朦朧としていった。
〜〜〜
「…ずっと縛り付けておくのは忍びないわ、だから…明日からはこの部屋に、ずっといてもらうわ、あなたが私を、選ぶまで」
そう言って、眠りについたみりを別の部屋へと運んでいく。この部屋はシェルターとして作られているため、人が住むための設備が全て備え付けてある。
その中で、リビングダイニングと寝室にトイレがくっついた大きな部屋にみりを運び込んで、そこで縄を解いて寝かせた。
「あなたは逃げられない…ふふ」
そう言って、彼女は部屋の鍵を外から掛けた。
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