2. 新たなクラス
さぁ新しいクラスは…と、ここだな。
「おはよーございまーす」
クラスに入って最初に、軽く挨拶をする。あまり話したことのない人もいるし、これくらいでいいだろう。
「おはよ、相変わらず早いじゃん」
「月乃、新学期早々、爆速登校か、すげぇな」
「朝早く起きるのが板についちゃってるんだもん、もちろん休みの間もね」
すげぇよ本当に、どうやったらそんな早くから活動できるんだ。
「にしても、今年も一緒のクラスね、よろしくね」
「どうぞ、よろしく」
そんなことを話してるうちに、このクラスのメンバーが続々とクラスに入ってきては、前に掲示されている、席順の表を見ては、各々の席に向かう。
朝の時間は過ぎ、
「はいじゃあ出席番号若いやつから順々に自己紹介していけ」
俺は…まぁ一番だよなぁ…"あい"ほしだし。これで一番じゃなかったら超レアだよ。
「藍星みりです。好きなものは甘いもの全般です。最近カフェ巡ったりするのが趣味になりました。今年一年間よろしくお願いします」
ちょっとだけ空気がざわついたか?、カフェ巡りに関しては、絶対あるまの影響なんだけどね、デートに行くたびにどこかのカフェに行くし。最近ちょくちょくバイトをしているけど、それでもお金は大変なくらいだ。いつも化粧品とかにお金使ってるあるまに、これ以上負担をかけさせるわけにはいかないのだ。
その後も順調に進んでいく中で…
「あ、そうだ今年からこの学校に転入してきた人いるんだが…今日は休んでるらしいんだ、だから、また今度改めて紹介させてもらおう。この時期には珍しいと思うが、ここのこともよくわかってないだろうから、ぜひ気にかけてあげてほしい」
担任の先生がそう言った。転校生が初日から休むなんてことあるんだ…まぁ体調とかもあるし、仕方がないのかもな…事情を抱えてる人だっているだろうし。
家に帰りながら、その出来事をあるまに話していた。
「うーん、多分だけどその人女の子だよね?」
「美波って名前を見るに…多分そうだと思う、最近男とか女とかあんま関係ないって聞くけど」
「私の直感が、その人が女性だって言ってる、みりが危ない」
そんな危ないことはないと思うんだけどなぁ…
「そんなぽっと出の女性に取られるほど、俺とあるまの関係は浅くないよ」
「それは…その…そうだと思うんだけどね、どんな方法をとってでも、私はみりにとって特別な存在であり続けるから、離したりなんて、絶対しないから」
頼もしいことを言ってくれるじゃないか、
「……それは、すごくありがたいし、だからこそ俺が不安なく過ごせてるんだけどね…ただ、この世界って不条理だからさ、お互いの意思に関係なく、離れ離れになってしまうことだって、あると思うんだよね」
「それは…否定できないかも……」
そう、この世界は、不条理だ。本人の意思とは違うところで、離れなきゃいけなくなることっていうのがある。
「でも、離れずにずっと一緒にいられるなら…俺はそれがいいと思ってる」
「みりなら、そう言ってくれると思ってた」
彼女はまた俺に抱きついてきた。これで何回目だろうか。少なくとも両手で数えきれないほどの回数であることは確かだ…そう、あるまからの愛は確かなんだ。常日頃から、ずっと愛を伝えてくれる。こんな毎日を過ごしてる俺はきっと、
「幸せ者なんだな、ほんと」
「ん?、どうかしたの?」
「いや、ふと思っただけだ」
そうして家に着く。
俺は明日の課題テストに備えて、春休みに解いた、そこまで多くない課題を見返すことに。
「課題テストなんぞ、課題をちゃんとやっておけば高得点取れるのに、何を慌てる必要が…ある…と」
昨日遅くまでゲームをやっていたからだろうか、唐突に眠気が襲ってきて、晩御飯までの時間。みりは眠りに着いてしまうのだった。
〜〜〜
「……て」
……なんだ?
「起きて、もう授業始まるよ!、起きて!」
!!…ここは…どこだ?、見慣れない教室…いや違う、ここは小学生時代、俺が毎日のように通っていた教室だった。
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