第6話 魔境
闇夜に敵の叫び声が響いた。
その声の主は7本もの刀を持つ化け物、そして対するは眼前に居る2人の少女達。
それに釣られてか気味の悪い笑い声を上げながらケガレが6体湧き出て来る、ある者は側溝から…またある者はカーブミラーの中から…ドロドロとした黒いヘドロの様なモノが次々と人の形へ姿を変えてたちはだかった。
「弱ぇ奴程、よく群れる…ってか?先ずは軽く掃除してやるッ!! 」
涼音が先に駆け出して刀の柄へ左手を添えると同時に右から左へ掛けて薙ぐ様な一閃を放って1人目を斬り裂く、そして左足を軸に跳躍し頭上から立て続けに2体目を真っ向斬りで裂いた。青白い炎が立ち昇る一方で雛奈は深呼吸しつつ刃を再構築させ、身構えていた。
「…両脚俊化、急急如律令 」
「ギヒッ…ヒヒッ…イヒヒヒヒヒッ!! 」
飛び掛かって来た2体を瞬時にバラバラに斬り裂いては駆け出し、涼音の横を肉眼で捉えられない程の速度で移動し3体の胴を真っ二つに斬り裂く。そして涼音の放った刺突が残る1体の胸を穿った直後に蒼ランクのケガレとの死闘が幕を開けた。
「…いざ勝負ッ!! 」
「小娘風情ガ…嘗メルナァア!! 」
振り下ろされた背面の刃による一閃が頭上から来る直前、更に地面を右足で蹴って加速し跳躍と共に両手を交差させる様にすり抜けて手首から先を斬り落とす。空中で振り返ったと思いきや今度は双刀を投擲し印を切ると詠唱する。
「──月華飛燕ノ
それが分散し小型の刃物と化して降り注ぐ、
それに対し幾度か刃で相手が弾くが残りが抉る様に左右の脇腹から突き出た歪な腕を4本穿いて切り離した。
「…涼音!!」
「へへッ、待ってましたッ!! 」
ニィッと白い歯を出して笑った涼音が敵の懐へ潜り込み、刃を頭上から一気に振り下ろす。
相手が刀を水平に構えた事で受け止められたがそれでも腰を入れて更に力を込めた直後、刀身へ右腕から発せられる力が伝わると刃へ紅い血の様なモノが纏い始める。
「しゃらくせぇッ、このまま刀ごとぶった斬ってやる!
そして強引に刃を一気に真下へ振り下ろし、宣言通りに刀ごと斬り裂いてしまった。フラフラと後退したケガレは刀を手放して悲鳴を上げる。青白い炎が足元からじわりじわりと広がって遂には全身を覆い尽くした。
「グギッ…ア…ガッ…アァアアアァアアァァァッ──!?」
「……地獄の闇に喰われろ 」
刃を右方向へ振り払い、右肩へ刀を担いで彼女が背を向けると
ケガレは燃え尽きて黒い塵となり消えてしまった。
「除霊...完了......か 」
そう呟いた大吾は後から横に来て涼音の隣に並んでいる雛奈を見て
小さく微笑む、純も慎太郎も立ち上がると彼女達を見ながら僅かに溜息を吐いた。
「あーあ、結局あいつが美味しいとこ全部持ってっちまいやがった! 」
「仕方ないだろ...俺達、のされて寝てただけなんだから 」
それから5人は並んで灰崎家の方を目指す形で帰路へ着いた。
折れた刀は回収され源次郎の手で復元なされた後に神社へと再度奉納されたのだった。
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「ここ最近屠られたケガレは延べ100体を超える...それもお前達陰陽師の仕業と見た......流石だな、それ程まで力を付けたとは 」
とある場所、そこは赤黒い空間が広がっているだけで有るのはゴツゴツした
岩や濁った水といったとてもではないが人が住めるような場所ではない。
そう発したのは上下黒い服に対し顔立ちの良い顔の左半分を険しい表情を浮かべた男の顔を象った鷹の面で隠し、もう半分は黄金色の瞳を持つ女性。その髪は艶のある黒色だが毛先は血の様に紅く腰辺りまで伸びていた。彼女の前には上下共に白い装束を纏う若い男性らが3人居て身構えている、その中の1人が声を上げた。
「黙れ、我等の裏切り者が!!漸く見つけたのだ、此処で貴様を始末してくれる! 」
「揃いも揃ってお盛んだ事...なら丁度良い、暇潰しに遊んであげるよ。邪神霊装、急急如律令──! 」
彼女が取り出したのは黒い札、それを差し向けた直後に現れたのは鋭い爪が付いた
黒く禍々しい見た目をした左右の手でファンタジー作品に登場する鎧の様な見た目をしている。コキコキと指先を動かし具合を確かめてから彼等へ向けて人差し指を立てて
自身の方へ数回曲げて挑発した。
「おのれ...!霊装展開、急急如律令ッ!! 」
3名が槍、剣、錫杖を構えて一斉に襲い掛かる...がそれはあっという間の出来事だった。ものの数分足らずで決着が付いてしまうと残る1人が持つ剣型の霊装を右手で握りながら彼を見据えていた。
「あ...あぁッ......あぁああぁッ!?そんな...何故だ、何故──!! 」
「何故?ふッ...そんなの決まっている、お前と私の間にある差だよ。力の差...そう言えば伝わるかな? 」
「くッ...だが弐聖伉儷が決まった今...貴様ら裏返りはこれで終わりだ!!全てにおける厄災諸とも彼女達が──うぐッ!? 」
女性は彼の胸部を左手の手刀で刺し貫いてトドメを刺す、倒れた後に
言い残した言葉を復唱し始めた。
「弐聖伉儷...成程、そうか。なら次なる標的は決まった…行くよ
得意気に笑った彼女と白髪の少年、狩也は空間から消えて何処かへと向かった。
その行く先と目的は決まっている...2人の陰陽師を探す事と同時に彼女らを見付けて始末する事である。
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「ふぁあ…眠ぃ…… 」
「また夜更かししたんでしょ?折角、授業出ても寝てたら意味無いじゃん 」
「わぁーってるよ…んな事…でも眠いもんは眠いんだよ 」
涼音は加奈の前で大きな欠伸を1つしてから
軽く左右に首を捻ってコキコキ鳴らした。
それから少ししてチャイムが鳴ると号令と共に立ち上がって担任である佐竹という30代後半の男性教師へ一礼する、涼音が座ろうとした時に彼が呼んで教卓の前へ向かった。
「そういや灰崎、お前このまま進級出来るのか? 」
「……へッ?どうしたんスか突然 」
「この間の中間テストの結果が散々だったのと…他の授業でも提出物が出されてないから内申点も何も無いし…次の期末テストで赤点なんて取ってみろ、ほぼ留年確定だぞ? 」
「うげッ…忘れてた…… 」
「今から期末テストまで何ヶ月か余裕は有る、だからそれまでにお前が出してない分の提出物を全て出せば内申点は貰えるだろうけど… 」
「や、やる!やります!!だから留年だけは絶対勘弁…ッ!! 」
涼音は懇願する様に頭を下げ、何とか了解は得られた。だがその日の放課後に職員室へ来た際に手渡されたのは5教科分の溜まりに溜まったプリントの山で電話帳とほぼ変わらない厚みの量。つまりそれ程サボっていたという証がそのプリントの山だった。職員室から出ると加奈が待っていて、事態を何となく察した彼女は励まそうと声を掛けて来る。
「大丈夫そう…? 」
「大丈夫じゃねぇよ…見てみろよ、この厚み。絶対終わらねぇって!! 」
「サボったツケが回って来たって言うのが正しいかもね…大丈夫だよ、1日数枚の計算ならすぐ終わるって! 」
「あたしが勉強ダメなの知ってるだろ!?お終いだ…このまま留年してアイツにもバカにされて……あたしの人生はもう終わった… 」
「あ!そうだ、土御門さんに頼んでみたら? 」
「よりにもよってアイツかよ……無理だ、絶対無理!! 」
「じゃあ留年確定…? 」
「それはもっとイヤだ!! 」
頭を抱えながら嘆き叫んでいると丁度良いタイミングで雛奈と廊下の角で鉢合わせる、彼女に驚いた涼音は「げッ」という不服の声を漏らした。
「...何? 」
「あッ...いや、その......えーーっと... 」
「...?ハッキリ言って、時間が勿体ない 」
涼音が手間取っていると横に居た加奈が雛奈に対し
笑顔で話し掛けた。
「実は留年しそうで何とかしなきゃーって私と話してたところなんだよね 」
「おまッ!?急に何言ってッ──!? 」
「だから...土御門さんに勉強教えて貰えないかなー...なんて思ってたんだけど。勿論タダでとは言わないよ? 」
加奈がそう言うとスカートのポケットからスマホを取り出して
画面を見せる。そこには[190分間ケーキ食べ放題!!]という見出しの
サイトが表示されていて、それを見た雛奈は首を傾げていた。
「涼音が留年回避出来たら...そのお礼に此処のケーキをご馳走しようと思うんだけど、どうかな? 」
「...解った。それで食べ放題というのは好きなだけ食べても良いという解釈で良いの? 」
「勿論! 」
「...やる 」
頷いた雛奈を見た加奈は嬉しそうにしている、一方の涼音は項垂れていた。
よりにもよって相手が相手な事から断るにも断り難いのが難点でもあるせいか
不安しか感じられなかった。
「嘘だろマジかよ... 」
「諦めなよ、留年するよりマシでしょ?それに陰陽師なんだからもっとシャキッとしなきゃ! 」
「お前までそんな事言うのかよ!? 」
不意に視線を感じて恐る恐る其方へ向くと雛奈がギロリと此方を見ていた。
その視線は何処か鋭く、そして冷たい。
「...今日から四六時中勉強、早朝は鍛錬...良い? 」
「う、うす...... 」
彼女は反論出来ずただ頷く事しか出来なかった。
それから雛奈は涼音達と別れ、先に帰路へ着いた時に
普段通っている路地で不意に違和感を感じ足を止めた。
「...?誰か居る? 」
警戒していた時、若い同世代の少年の声が何処かから聞こえて来る。
それはある種の呪文の様な物だった。
「──魔境開導、急急如律令 」
すると雛奈が居る景色が突如として暗転、気が付けば空は見た事のない赤紫色の景色が広がっていて草木も無ければ生物の気配すら感じられない異様な場所だった。
「...此処は!? 」
「此処は魔境...お前達ニンゲンが暮らす世界とはかけ離れたもう一つの世界...そしてお前達陰陽師を裏切った者が永遠に彷徨う地だ 」
飛んで来た物体を雛奈が後退し躱す、即座に霊装展開術を持ちいて武装すると
現れたのは白髪の少年で首から下は上下長袖に長ズボンの装束を纏った何者か。
刃の片方を差し向けたまま雛奈は問い掛ける。
「...話は聞いた事がある。掟に背いた者が堕とされる地、それが魔境だと。何故私を此処へ連れ込んだ? 」
「お前の顔を見たいと言っている奴がいる...そう言えば伝わるか? 」
「...私の事を?それは──ッ!? 」
会話をしていたその最中、不意打ちとも言える状況で背後から飛んで来た無数の
刃物を払い退ける。振り返った先に居たのは見た事がある顔と姿だった。
成長してもその面影は残っているし何だったら自分が一番相手の事を知っている。
「見ない内に大きくなったねぇ...雛奈?私と2歳差だから16ってところ? 」
「...鷹香!?」
「あはッ、驚いてるねぇ?それもそっか最後に会ったのはあの日以来...だもんねぇ? 」
鷹香が口にした瞬間、雛奈は双刀を彼女へ目掛け振り翳すの
だがその刃は目の前にある青白い障壁で阻まれていた。
「...お前だけは...お前だけはぁああッ!! 」
「ふふふッ、怖い怖い...そんなに殺したいんだ?私の事 」
「ッ...!!」
鷹香が払い除け、距離を取るがそれでも雛奈は攻撃の手を緩めず
得意とする早さを武器に攻め立てる。だが鷹香は涼しい顔でそれら全てを紙一重で躱していた。
「ふふッ、そんなに私が憎い? 」
「…黙れ 」
「父と母を…そして一族の陰陽師を殺したこの私が!! 」
「黙れ…黙れ…!!」
「背中に傷を負わせた私が!! 」
「ッ…うるさい…黙れぇえええぇええぇぇえええッ──
!!」
左右の刀によって繰り出された鋭い刺突が胸元を穿いた…かに思われたが鷹香には届かず、それは黒色をした鉤爪の様な武器の手首辺りにある装甲で防がれていた。
「…その武器は!? 」
「冥府礼装。陰陽師の中にある霊力を呪力に変換させて生み出した武器……そう言えばバカな妹にも伝わるかな? 」
振り払い、コキコキと左手の指先を鳴らした直後に鷹香は彼女へ襲い掛かった。対する雛奈も咄嗟に構え直して迎え撃つべく攻撃を仕掛けた。
「さぁ…たっぷり遊ぼうか?朧月...凶爪乱舞ッ──!! 」
「月華… 閃影ノ舞ッ──!!」
互いの技と技がぶつかり合う形になったかと思えば獲物と獲物が交差する度に火花が飛散する。双刀から放たれた斬撃が爪で弾かれ、振り下ろされた爪を刃が弾き返す、僅かな間が空いた瞬間に鷹香は身体を右へ捻る動作をした瞬間に雛奈の左脇腹へ激痛が走った。
「がッ──!?」
気が付けば身体は錐揉み状に回転し地面へ叩き付けられていた。
鷹香が予期せぬタイミングで放った蹴りが命中したらしく、そこまでは自分でも先を読む事が叶わなかった。頭を転がった際に打ち付けたせいか額から血が滲む。
「少しは強くなった...か。疾さも、戦闘技術も最後に試した時より強くなってる......でも幾ら足掻いても私には届かない。ところで雛奈...どうして鷹は兄弟同士で殺し合いをするか知ってる? 」
「...な、何を...ッ......! 」
「それはね...生存競争の為だからだよ 」
近付いた鷹香は雛奈の腹部を右足で力一杯に蹴飛ばした。
「うぐぅうッ!?あ...ぐ......ッ...!」
「先に産まれた方、後に産まれた方...もうこの時点で優劣は決まってる。餌が多ければ両方は無事に育つけど少ない場合は片方が下の子を殺すんだ......つまりあの
そこから幾度も執拗に蹴りを打ち込む、雛奈は苦悶の表情を浮かべて苦しみ
悶えていた。
「バカな妹に解り易く教えてあげる。要するに...強い子しか要らない、だから弱くて惨めな雛奈は要らない子......父さんも母さんもお前に情けを掛けて可愛がっていたにしか過ぎないのさ 」
「ッ......!?」
雛奈は絶句した。
自分の事を愛し、様々な事を教えてくれた父も
いつも優しくて抱き締めてくれた母も
それは全て自分に対する情けだったのかと思うと納得がいく。
いや、納得出来てしまうのだ。
「...嘘だ...嘘だ...ッ......そんなの嘘だ!!と、父様も...母様も──!! 」
「それにしても...父様と母様の仇だなんて言って私を探し、鍛え、それがこの有り様とはねぇ...確かこういうの仇討ちって言うんだっけ? 」
そして頭を踏み付けて見下すような姿勢で更に鷹香は続ける。
「ふふふッ...笑いたくなる位、無様だね...雛奈? 」
「──ッ!!」
父と母は死んだ。自分を庇って、逃がそうとして死んだ。
殺したのは今話している女...自分の姉。
その事実だけは変わらない。
『いつか、雛奈も父様と母様を超える陰陽師になってみせます!! 』
『...見守っていて下さい。必ず敵は討ちます...私が必ず...2人の仇を!! 』
『足りない...もっと強く、もっともっと速く!! 』
これまでの出来事全てが今の雛奈を作っている、全ては姉の鷹香を殺す為。
その為に全てを注いで来たつもりだった...がそれは何一つ届かなかった。
口惜しさと怒りが同時に込み上げて来て自然と涙が溢れ出していた。
「う......うぁあ...ひっぐ......うぁ...ふええええ...ッ...... 」
「あーあ、また泣くの?ふふッ...あの時は見逃したけど、次はそうはいかない。さよなら...出来損ないの愚妹ッ──!! 」
爪を手刀の形にし身体へ振り下ろそうとした時。
「魔境開錠...急急如律令ッ──からの!!流威花弁、急急如律令!! 」
頭上から叫び声がしたかと思えばそこへ手裏剣の雨が降り注ぐ。
鷹香はそれを爪で払い除けて雛奈から離れる、その際に落ちていた手裏剣を拾った。
「これは...折紙の手裏剣?成程ね、そういう事か...... 」
「霊符で折った手裏剣じゃ牽制にしかならねぇか...でもじっちゃんから教えて貰った呪文は効いたらしいけどな 」
雛奈が顔を上げると剣を背負った銀髪の少女が立っていて、雛奈を庇う様な
状態で鷹香と睨み合っていたのだ。
「...どうして...どうやって......!?」
彼女がそう問い掛けると涼音はゆっくりと振り返った。
「あ?お前の帰りが遅いから兄貴が探して来いって言ったからだよ。そしたら何か裂け目...?みたいなのがあって、電話したらそれが魔境って場所だってじっちゃんが教えてくれたし...何ならお前の姿も見えたから来た。それだけだ...ったく、またお前は1人で突っ走って無茶しやがって!! 」
「ッ...... 」
「そこで休んでろ...それから!! 」
ポケットから取り出したのは数個の飴玉、それを雛奈へ手渡した。
「べ、勉強代...これしかねぇけど!お前が死んだらあたしは留年確定なんだ、だからこんな所でくたばんな!! 」
再び向き直った涼音は右手で剣を背中から下してそれを鷹香へ差し向ける。
「...折紙を操り、ケガレや悪霊を祓う陰陽師...キミは灰崎家の人間でしょう? 」
「だったら何だよ? 」
「これは土御門家の問題...関係ない家柄の人間は引っ込んでてくれないかな? 」
「......イヤだね。てかお前ら姉妹だろ?何となく似てる気がする 」
「そこの愚妹と一緒にしないでくれない?気に障るんだけど 」
「...此奴が愚妹ならお前は愚姉だな。言っとくけど、此奴はあたしより強ぇんだ...常にあたしの先を行ってるし技も戦術も何もかもが上。それと無口で愛想無いし、可愛い顔してやる事はエグいけど...此奴は此奴なりに一生懸命やってんだ!!何も知らねぇ奴が突然出て来てベラベラ上から目線で喋ってんじゃねぇッ!! 」
「......何なのキミ? 」
「あたしか?あたしの名は灰崎涼音...陰陽師の端くれだこの野郎ッ!! 」
「要するに底なしのバカって事ね?ふふふッ...!! 」
「勝手に言ってろクソアマ!! 」
駆け出した涼音は叫びながら駆け出して剣を鷹香へ向けて頭上から振り下ろさんとしていた。姉と妹...運命的に巡り合った2人、その姉と1人の陰陽師による決戦の火蓋は落とされようとしていた。
(つづく)
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