第3話 伉儷

暗闇の中に赤色の炎が揺れ動く。それは左右にポツポツと点いていて

通りを照らす明かりの役割を果たしている様にも見えた。

朱色の鳥居を向けた先...そこにあるのは四角形に囲われた木の囲いの中に燃え盛る炎

、そしてそこに佇む1人の人物。


「そうか...どうやらお告げは本当らしい。となるとケガレの多発も合点がいく...故に再びアレを見付けねばならないか。」


そう呟いたその声は女性の様にも男性の様にも聞こえ、その格好は陰陽師等が身に付ける白装束と同じ。燃え盛る炎は更に予言を呈した。


「...!?何だって、相応しい存在が居る!?そうか...ならば私が出向いてこの目で見抜かなければ...!!」


その目は嬉しさゆえか表情と相まって煌々と輝いていた。

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時刻は朝の4時。町内を走る上下ジャージ姿の少女の姿がそこにはあった。

彼女こそ土御門家の次期当主候補、土御門雛奈。

長い髪を後ろでポニーテールに結んだ彼女だがいつもこうしてランニングだけは欠かさなかった。それが済めば今度は帰宅し道場で素振りをする、鍛錬は陰陽師にとって

必要不可欠なモノであると同時に彼女はこのルーティンを毎日欠かす事なく熟して来た。故にあの疾さが存在するのだ。


「朝から鍛錬かい?偉いね雛奈ちゃんは 」



「...おはようございます、お兄様 」


そこへ訪れたのは涼音の兄、大吾。彼も軽装姿ではあるが

毎朝の鍛錬だけは欠かさず熟している。雛奈が一礼した後に中へ入ると軽いストレッチをして木刀を1つ手にすると軽くスイングして具合を確かめていた。


「前は涼音も一緒にやってたんだけど、あの日以来やらなくなってね。家柄がこうだからどうかと思ったけど...仕方ないって割り切った。 」



「...あの日? 」



「涼音が合宿に出掛けて大ケガして帰って来た日...雛奈ちゃんは聞いた事無いかな?小学校高学年の子を限定し陰陽師の家系の子を育成する合宿の様なモノがあるって。 」



「...耳にした事はあります 」



「そこで起きた事故があったんだけど涼音だけが生きて帰って来た。目を覚ました時、アイツは俺を見てこう言ったんだ...兄ちゃんごめんって。それから俺達兄妹の間では陰陽師の話はタブーになった。 」



「...その事故こそが平安寺の悲劇。私はそう聞いています 」



「ケガレが突然現れ、その場に居た子供達や陰陽師を襲い...大勢の犠牲者を生み出した最悪の事案。駆け付けた陰陽師によって退治されたが見るも無残だったらしい...例えるならばこの世の地獄とも言うべき凄惨な光景だったそうだよ。っと...そろそろ始めようか、長話ばかりでごめんね 」



「...いえ、お気になさらず 」


 雛奈は木刀をもう1つ持つと普段と同じ二刀流にし逆手の状態で身構え、

対する大吾は正眼の構えを取るとその場に立ち尽くしていた。


「時間が許すまでお互い全力で行こう、出し惜しみは無しだ! 」



「...無論、そのつもりです。では...参りますッ!!」


 道場に響くのはお互いの持つ獲物がぶつかり合う鈍い音。

一進一退の攻防戦が繰り広げられる中で涼音は居間へ来て朝食を食べていた。


「また朝からやってんのかよ...アイツ 」



「雛奈ちゃんすげーぞ?朝4時からランニング、それが終われば登校1時間前まで道場で稽古...誰かさんとは大違いだな? 」


そう茶化したのは慎太郎で涼音の前へ朝食を並べていた。


「っせーな...良いだろ別に 」



「休みの日は必ず12時起き、そっから飯食って今度は部屋で昼寝して少し出掛けて帰ってきたら...夕飯食う。これがお前のルーティンって訳だ。その食ったモノが全部... 」


彼の視線が涼音の胸へ向かうが彼女は首を傾げていた。


「全部...何だよ?慎兄ぃ、何かキモいぞ? 」



「いーや、何でもない!少しは雛奈ちゃんを見習えって事だ!! 」



「へいへい... 」


慎太郎の説教を聞いた後に食事を済ませ、居間から出ると

同じタイミングで雛奈と鉢合わせる。彼女は首にタオルを掛けていて

何処かシャンプーの匂いがした。


「......おはよ 」


「...もうお昼、朝じゃないからおはようじゃない 」



「知ってるよそれ位 」



「...規則正しい生活が出来なければ陰陽師とは言えない 」


擦れ違い様にそう雛奈が言うと涼音は舌打ちし彼女の背を睨んだ。

同時に雛奈も振り返り、涼音を睨む。


「...私は貴女を認めた訳じゃない 」



「あたしもお前が此処に居るのを認めた訳じゃねぇ 」


それだけ吐き捨てると何も言わずにお互いに立ち去った。

涼音が部屋へ戻ろうとした時、1枚の白い折り紙が落ちていてそれはやっこさんという折られ方をしていた。


「...?何だこれ...折り紙? 」


それを彼女が拾った時、通り掛かった源次郎が驚いた様子で口を開いた。


「そ、それは総会からの招集状!」



「総会? 」



「陰陽総会...政府環境省公認から直々に送られて来ようとは...!! 」



「何が何だかさっぱり解らねぇんだけど...」


すると今度は通り掛かった大吾が口を開いた。


「要するに来いって事さ。開いてみろ、そこに文字が書いてある筈だから 」



「どれどれ...っと 」


開いてみるとそこには丁寧な字で[定例会議開催、下記の者は集合されたし]

とだけ記載されている。そしてよく見ると下の方に[灰崎涼音、土御門雛奈も同席求む。拒否は断固認めず]とも書いてあった。


「はぁ!?あたしも来いってのかよ!? 」



「雛奈ちゃんもか...もしかしたら大ごとかもしれないな。安易に断れないぞ、拒否権は無しって書いてある様なモノだから 」



「ちッ...今更話す事も何も無いってのに 」



「グダグダ言ってないで着替えて来い、俺も行くから 」



「へーい...」


源次郎の代わりに大吾が向かう事となり、雛奈と涼音は支度をしてから玄関先で合流する。そして指定された場所へと向かうのだった。

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平等院朱雀堂。全体的に朱色で出来た大きな神社の様なそこは陰陽総会という護国を守る陰陽師達の中でも優れた者を選別した集団で構成されたエリートが会議を開く為に使用する場所。

大吾達が到着し外で受付を済ませると赤い塗料で五芒星が描かれた蔵面という物を用いて顔を隠した白装束の人物に連れられて扉を抜けて歩いて行く。

先を歩く大吾の後ろで涼音と雛奈はお互いに顔を背け、一切言葉を交わさぬまま

柱が建ち並ぶ大広間へと通された。


「此処が...陰陽総会の集合地 」


彼が見回していると奥の方から現れたのは光の様な金色の長い髪を持ち、両腕や太腿を露出させて腰に赤いベルトを撒いたレオタード、そして下半身は足先から太股の半分を覆うスパッツを組み合わせた様な黒い装束を着て、灰色のヒールが付いた靴を履いている女性。身に付けているそれと相まってバストやスタイルの良い体格が浮き出ていた。

彼女こそ十六夜奈々いざよいななといって総会のリーダー格を務めている人物である。


「ちゃーんと約束通り来たね、関心関心。源次郎は...居ないんだ 」



「灰崎大吾、灰崎涼音...それから土御門雛奈、3名馳せ参じました。自分が来たのは祖父の代わりです。 」



「堅苦しいのは無しで良いよ、面倒だもん 」



「ところで...他の宗家の方は?姿が見えませんが... 」


大吾がそう尋ねると奈々は小さく笑った。


「なぁーに、そろそろ集まって来るよ。一応キミ達に念の為に教えておくと此処最近ケガレによる人災が多発していて警戒して欲しいっていうのと、いよいよ禍月が動き出したかもしれないって事...その2つを伝えたのさ 」



「マガツキ...禍月って確かで構成されたあの? 」



「そう。ヒトを守る身でありながら闇に魂を売り払った者を裏返りと呼び...そういった連中がいつしか集団を構成し始めた。その中で最も危険なのが禍月なんだけど彼等は私や他の総会メンバーで異界であるへ追いやって此方へは来れない様に退路を封じたんだ 」



「なら安心では? 」



「ところがどっこい、道満は自らが集めた仲間を利用し此方が施した術へ綻びを生じさせてあろう事か現世へ舞い戻ろうとしている...そうなればこっちの世界はどうなるか解らない。そこでだ!我々は蘆屋道満との長きに渡る戦いに終止符を討つ 事に決めたんだ...専門の討滅隊、弐聖伉儷にせいこうれいを設立してね 」


得意気に彼女がそう話すと涼音が口を開いた。


「弐聖伉儷...って何スか? 」



「ん?簡単に言えば夫婦の事だよ、愛し合う者同士って意味さ 」



「成程、夫婦か!って...誰と誰が? 」



「古くから災いを鎮める為...人々はあらゆる手段を用いて来た。その中で最も強力とされているのが2人の聖人を神と見立てて災いを祓う弐聖伉儷、でもこれは本来男女で一組なんだけど生憎どの総家にも適格者が存在しなくてね。そこで私が勝手に選ばせて貰った!既に他宗家の方々にも連絡済みだ!! 」


ニコニコしながら涼音と雛奈を見ると彼女は両方の肩にそれぞれ手を置いたのだ。


「...!?それって── 」



「まさか...ッ!? 」


頷いた奈々は更に話を続ける。


「灰崎涼音君!そして土御門雛奈君!おめでとう、キミ達が弐聖伉儷に選ばれた!! これ程に素晴らしい事は他にないよ!いやぁー、めでたいめでたい!!」



「待て待て待て待て!!どうしてそうなるんだよ!?だってさっき男女の夫婦がーみたいな事話してたじゃんか!?何でそうなるんだよ!? 」



「何でって昨今の事情に配慮したんだよ…恋愛の形は人それぞれって言うだろ?…野郎同士のは確かにアリだけど何か違うし、かと言って在り来りのパターンだと詰まらないじゃんか。だから女同士にしてみたんだよ 」



「なんつー身勝手な…! 」



「それに…禍月の件はキミの方が因縁が有るんじゃないのかい?平安寺で起きたあの事件、報告によると…アレは不自然な事が多い事案だったからね。もしそうだとしても何ら可笑しくはない。 」



「それとこれとは話が別だっつーの!!何であたしがあんな奴と! 」



「悪いね、拒否権は無いよ…もう決めた事だからさ。 」


涼音の顔色を伺いながら彼女がそう話し、そのまま今度は雛奈の方へ視線を向ける。

彼女はずっと視線を逸らし続けては何処か気に入らない表情をしていた。


「さてと土御門宗家のお嬢さん。ご不満そのものって顔をしてるね? 」



「…幾ら陰陽総会の陰陽長であるとはいえ、

指示には従えません 」



「これはもう決まった事…だから覆せない。 」



「…ならせめて代わりを立てて下さい。陰陽師のなり損ないと同じにされるのは嫌ですから 」


淡々と話した彼女を涼音が舌打ちし睨み付け、

雛奈もまた目を逸らし不満を露わにした。


「はぁあ…どうしてこう素直にハイと言えないのか。解った、ならこうしよう…雛奈君、それから涼音君……今からお互いにお互いを敵だと思って全力で殺し合いなさい。それで勝った方の話を聞くよ 」



「こッ、今度は戦えってのかよ!? 」



「それなら良いだろう?それに…彼女はもうやる気だけどね? 」


涼音が振り返ると肉薄する雛奈の姿があり、

その両手には短刀が握られている。右手の刀を突き出して来た所を首を左へ傾けて躱した涼音だったが左手の刀による左一閃の斬撃が掠って

着ていたシャツを斬り裂いた。


「てめぇッ…いきなりかよ!? 」



「…貴女、いや…お前を殺るのはこれで充分。戦いにいきなりも何もない 」



「ふざけやがって…くそッ!!」


間髪入れずに雛奈が攻め立て、振り下ろされた刀を涼音は手首を交差させる形で受け止める。


「…昨日の腕は使わないの? 」



「抜かせッ…! 」



「…それとも、死ぬ寸前まで追い詰めたら使う? 」


涼音が振り払ったと同じタイミングで雛奈が右手の刀を逆手持ちし彼女の左頬を殴り付ける。

ふらついた所へ今度はその場で身を翻す形で左足を用いて腹部に正面蹴りを叩き込んだ。諸に入ったせいか涼音はまともに呼吸が出来ず後退してしまう。


「がッ!?ごふぅッ!?」



「…次で最後、消えて貰うッ──!! 」


左足で地面を蹴り、雛奈が迫り来る中で

奈々が声を出した。


「涼音くーん…それで良いのかい?このままじゃ本当に死ぬぞ? それとも…戦わない理由でも有るのかな?あぁ……そう言えばそんな腕になったのはキミが弱いせいだっけ?弱いから何も守れない…あの場に集まっていた彼等だってそう。弱いから死んだ、ただそれだけ…まぁ私からすれば陰陽師のなり損ないなんざどーだって良いけどねぇ 」


挑発する言葉を掛けた奈々は涼音の表情が変化するのを見て小さく笑う、そして大吾が彼女を止めようと声を上げる。


「総会長様!? い、幾ら何でもそれは──!! 」



「お前…マジでぶっ殺すぞ? 」


迫り来る一撃を左に飛んで躱した涼音は

奈々をその目で睨み付け、殺意を剥き出しにする。離れで身構える雛奈が構え直した時にぞろぞろと他の宗家も揃い始めていた。


「アイツらだって…死にたくて死んだんじゃねぇ……エサになる為に彼処へ来たんじゃねぇ… 良く聞け変態女!!あたしがアイツに勝ったらお前を仲間の墓前の前に跪かせてやる!! 」



「ふふ…怖い怖い。でもこれで良い…! 」


右手をコキコキと鳴らしながら涼音が雛奈を見据え、左手の人差し指と中指を刀印の形にしそれを差し向けてはキッと睨み付けた。


「泣きベソかいても知らねぇぞ?祓い給え清め給へ...呪碗開放、急急如律令ッ──!! 」


右手を自身の前へ持って来た直後に振り抜くと同時に包帯が弾け飛び、禍々しい黒紫色をした腕が現れる。

そして雛奈との距離が縮まった瞬間に雛奈を思い切り正面から殴り飛ばし

吹き飛ばしてしまった。


「っぐぅうッ...陰陽霊装展開ッ!! 」


姿勢を整え、柱を蹴飛ばし足場にすると仮面を装着し再び襲い掛かる。

狐面の少女が持つ短刀も鋭い物へ変貌しまるで光の速さで涼音の真横を突き抜けた、

だが手ごたえが感じられず振り返ると刃が中程からへし折られていたのだ。

その折れた先を涼音は右手で握り締めている。


「なッ...!? 」



「へへへ、貰ったぜ?武装変換...急急如律令ッ!!」


それを変貌させて生み出したのは刃渡り約25センチもあるコンバットナイフの様な武器、刃先を差し向けた彼女はニヤリと笑うと雛奈へ攻撃を仕掛ける。


「...くッ! 」


折られた刃を再構成し迎え撃つのだが防戦を強いられていた。

放たれる斬撃のどれもが重く、そして的確に仕留めようと襲って来る、

振り払って距離を取ったと思えば何かが彼女の顔面左を掠めた。

1発だけではない...複数以上のそれが雛奈へ襲い掛かるとそれを弾きながら

様子を窺う。


「...な、何...!? 」



「逃がさねぇよ。流威魔弾りゅうせいまだん...急急如律令!! 」


凄まじい勢いで飛んで来るのは地面を破砕した事で生まれたコンクリート片、

それに術を施し飛ばして来たのだ。


「くそッ...小細工など...ッ!! 」


歯を食い縛り、耐え抜く中で雛奈の脳裏を過ぎったのは自分と瓜二つの少女の姿と倒れている両親。傍で泣いている自分へ少女はこう言った。


-弱いから死ぬの、弱いから誰も守れない。弱い事はね──-


「...罪ッ...弱い...事は...あぐぅうッ....あぁあああぁああぁぁあぁッ──!!」


飛んで来た破片を斬り裂き、前傾姿勢から駆け出すのだがその速さは最早肉眼では捉えられない。そして両手を交差させたまま涼音を仕留めるべく動き出した。


「おいおいッ...殺す気満々かよ...ぐぁッ!? 」


一閃、涼音の左脇腹を斬り裂いた。

彼女が振り返った直後にまた一閃、今度は右腕に刃が命中し手にしていた武器を弾き飛ばし、周囲がざわつく中で追い込まれ始めた涼音は何故か笑っていて

放たれる連続斬りの中でボロボロのまま立ち尽くしていた。


「はッ...はははッ...やっぱスゲェよお前...こんなに気分が昂ったのは久しぶりだ!! 」


ギャラリーの中で見ていた大吾は笑っている彼女を見て何故か安堵していた。

帰って来た日からずっと笑顔を見ていないから、そして何より今の彼女が

昔の姿へ戻った気がしたからだ。


「涼音が笑った...!?そうだ、それで良い!絶対負けるな!!」



「あぁ...任せろ、勝ってやる!! 」


ニィッと白い歯を見せた彼女は左手でポケットをまさぐる、そして取り出したのは

白い和紙で折られた手裏剣だった。天井の死角から背後を奇襲しようと雛奈は足元を力強く蹴って間合いを詰めようとする。


(...あれは霊符を折った折り紙…まさか煙幕でも張る気?けど、何をしてもこの一撃は躱せない!! )



「そらよぉおッ──!!」


振り返ってそれを投擲するが全て弾かれてしまう。

だがそれは悪魔で囮で本当の狙いは誘い込む事にあり、迎え撃つ構図が完成すると

涼音は右手の拳を雛奈の方へ突き出し対する雛奈は刃を勢い良く振り翳した。


「っだらぁああぁああッ!!」



「やぁぁああぁああッ!!」


そしてお互いがぶつかる瞬間、終了の合図が響き渡ると

双方はお互いの攻撃を寸前で躱して離れた。


「はいはい、そこまで!決着ならず...残念だったねぇ?でもまぁこれで見れたよ...キミ達の実力をね。どうだろう、皆の衆?充分相応しいと思わないかい? 」



「お前...もしかして最初からそれが狙いかよ!? 」



「そっ!等級が翠のケガレを屠れるのはキミ達の歳じゃ難しいけど...それをやってのけたから気になってたのさ。という訳で──!! 」


ぱんッと奈々が手を叩くと2人へ向けてこう言った。


「此処に陰陽師最強の2人組みが生まれた!

キミ達の目的は蘆屋道満とその一味の野望を阻止し戦いに終止符を打つ事。頑張ってねー、最強の陰陽師夫婦として!!では本日の会議は以上、解散! 」



「「はぁあああッ──!!?」」


ひらひらと奈々は手を振るのだが2人は納得出来ていない。暫くその場に固まったまま状況を取り敢えず整理した後、平等院から去ったのだった。

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