Chapter 13
どうやらヘラを上手く従わせることに成功したようだ。
数分歩くと、再び炎竜のいる場所に辿り着く。
奴は力を回復させるためか、眠りについている。
この光景を見て、主人公が眠る竜を見つけ、正義感からわざわざ起こして「公平な戦い」をするような小説やアニメ、漫話(マンファ)を思い出した。
双混沌の短剣をシステム空間から取り出すと、ヘラに戦闘準備を指示する。
だが残念ながら、俺は正義感あふれる主人公なんかじゃない。
竜に静かに近づき、全身の力を込めた一撃で、眠る竜の頭へと短剣を突き立てた!
瞬間、竜は轟くような咆哮をあげて目を覚ます。カズトは素早く短剣を引き抜き、大きく跳躍して後ろへと距離を取った。
竜は怒りに燃える双眸でカズトを睨みつける。頭の傷から流れ出た血がその目に入り、血のように赤く染まった瞳は非常に恐ろしい様相を呈していた。
カズトは不気味な笑みを浮かべ、嘲るような口調で言う。
「小竜さん、どうやら君はそれほど強くないらしいな」
竜は咆哮し、燃えさかるビル群に響き渡る声で叫んだ。
「卑しき者よ! お前を最も痛みに満ちた方法で殺してくれる!」
その台詞の「最も痛みに満ちた方法」という部分を聞き、私は思わず高らかに笑い声をあげる。
「ふふっ…哈哈哈! どちらが生き延びるために哀願するか、見ものだな」
カズトが合図を送ると、竜の背後に回り込んでいたヘラが強力な攻撃を放つ。
ヘラは半径1メートルの純白の炎の球を生成し、竜がまだカズトに向かって話している隙に強烈な一撃を叩き込んだ!
竜はこの不意打ちに大きなダメージを受けるが、致命傷には至らない。
竜は素早くヘラの方へ顔を向け、破壊的な炎の息を解放する。
ヘラは強力なスキルを使用する。眼前には何もないように見えたが、そこには「白色の元素」と呼ばれる構築元素でできた不可視の防御壁が展開されていた。他の元素は全てこれらの構築元素から生まれるため、構築元素は同時に複数の元素の特性を持つことができるのだ。
炎の息がヘラの盾に衝突した瞬間、炎は盾を破壊できず、彼女に傷一つ負わせることはできなかった。
しかし、炎の衝撃力はヘラを後方へ吹き飛ばすには十分だった。そして、このわずかな時間で十分だった――カズトが一瞬で竜の頭上へと躍り出て、両手の短剣で竜の両目を貫く!
【あなたは
【名称:白色法則の盾 ランク:SS 説明:この能力は存在の法則を操る力を持つ構築元素「白」を用い、「不可侵」の法則で盾を生成します。 注意:この盾はあなたの真正面、または所持武器の直前にのみ展開でき、少しの隙も許されません】
“白色法則の盾”
カズトが能力名を叫んだ瞬間、竜の頭部の半分が切り落とされ、竜の巨体は地面に倒れ伏した。
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【
===== ステータス =====
名前:カズト
種族:人間
クラス:なし
ランク:D
レベル:16
人生価値:3020
【強化可能ステータス 】筋力: 15 敏捷 : 12 器用さ : 20 知性 : 4 魔力 : 20 耐久力 : 10 生命力 : 6 運 : 4
【固定ステータス】 魅力: 15 恐怖 : 40
未使用ステータスポイント: 25
============続く============
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