Chapter 11


炎竜のいる場所へと向かう。現在の魔力は17まで回復している。神獣を召喚するには十分だ。 「神獣召喚」


【召喚リクエストを承認しました】


【神獣を召喚しました】


【名前を付けてください】


眼前を見ると、15、6歳ほどの少女が立っていた。彼女は白銀の髪と真紅の瞳を持っている。 何度か周囲を見渡すが、あの巨大な白竜の姿は見当たらない。


突然、少女の頭上にシステムメッセージが表示されているのに気づく。


【名前を付けてください】


その瞬間、この少女があの巨大な竜であると理解した。 少し考え、殺意と血に飢えたその瞳を見つめながら、ふさわしい名前が頭に浮かぶ。


「お前の名は《ヘラ》だ」


ヘラ――死の女神の名であり、同時にロキの娘の名でもある。


【ヘラ】


今、彼女の頭上には「ヘラ」という名前が表示されている。


少女は私を見つめ、少し観察してから言う。 「この卑しい存在が、私の主か?」 ため息をついて続ける。 「破壊神や混沌の悪魔が召喚してくれると期待していたのに、ただの人間か?」


前に進み出て、威厳のある声で命じる。 「跪け」


少女は突然、不可思議な力の影響を受け、意思とは無関係に体が動き、カズトの前に跪いた。


「こ、この卑しい人間!私に何をした!?」


カズトは勝利を告げる歯を見せる笑みを浮かべて言う。 「小娘、俺がお前の主だ。お前に逆らう権利はない」


ヘラは自分を縛る未知の力に抵抗しようとするが、成功しない。 「主として認めないわ!」


私は彼女の長い銀髪に手を絡め、強く引っ張りながら頭を上げさせる。ヘラは痛みに小さく叫び声をあげる。


「な、どうやって…そんなことをする勇気が…!今すぐ離しなさい!」


どうやらこの娘はまだ屈服していないようだ。完全に従わせなければならない。今は完全に私の支配下にあるが、自らの意思で戦わなければ本来の力を発揮できないからだ。


双混沌の短剣の片方を召喚し、彼女の手へと突き刺そうとする――だが、何かのエネルギーが短剣を阻む。 「妨げるエネルギー全てを排除せよと命じる」


その命令後、抵抗していたエネルギーは消え、短剣は一瞬でヘラの手へと突き刺さった。


しかし、ヘラは一切声をあげない。だが、その表情からは明らかに苦痛が伝わる。


短剣を抜くと、驚いたことに刃によってできた傷は瞬時に治り、血痕だけが残った。 「ヘラ、いくつか説明してもらおう」 「第一に、神獣たるお前になぜこの短剣が容易く刺さった?第二に、なぜ短剣を抜いた途端に瞬時に治癒した?真実を話せと命じる」


ヘラは再び不可思議な力の影響下に置かれ、自身の意思とは無関係に話し始める。


「一つ目の質問については…私は今、人間態で弱体化しています。私を制御した者が弱すぎたためです。それでもランクB程度の力はあると思います」 「二つ目については…私は強力な自己治癒能力を持っています。但其の代償として、経験する痛みは十倍になります」


ヘラのこの言葉を聞き、何故か――わからないが、私のサディスティックな部分が刺激された。彼女を拷問したい。どうせ弱い攻撃では死なない。彼女を完全に支配するには最高の方法だ。


さあ、お気に入りの作業――拷問を始めるとしよう。

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