刻まれた刻印の様な運命に抗え!( ;∀;)

人には「負の感情」というものがあります。

これは「記憶」や「経験」という形をもって僕らの心を蝕んでいます。例えばPCのストレージを解放するみたいに不要なものを消す事が出来ればいいのですが、そうもいきません。

むしろストレージを圧迫するように、PCの作動速度が重くなるように、「負の感情」というのは「心を重く」してしまい、感情の動きを鈍くしてしまうものです。

そんな時にどうすればいいのでしょう?

さて本作です。

ここは恐らく近未来、「負の感情」が支配する荒廃した戦場から物語は始まります。この設定にBLというエッセンスをブッコむ筆者様の感性には度肝を抜かれました。

詳しくはここでは語れませんが、主人公達はその「負の感情」を背負って生きています。人が人の幸福を願い、困った人を助け、仲良くやって行く、そんな世界とは真逆の地獄です。

人を人とは思わない悪意が渦巻く世界で、彼らは出会います。

そして、僕はそれが「一つの解」であると考えます。

例えば読者様にわかりやすく言うのなら、学校や職場に嫌味な奴がいて「悪意ある負の感情」の支配する場だとします。そういう時に自分一人でどうにかするって、とても難しいし精神的にタフな事です。

だから、僕は思います。

人は誰かと知り合う事で救われる事があるんです。

すぐに全てがいい方向に向かうとは限りません。もっと苦しい目に会うかもしれません。だけど、人は人によって救われます。少なくとも僕はそう信じています。

こちらの物語はそういう「救い」をテーマにされているのではないかと感じるのです。

お勧め致します。

誰かを大切に想う心、誰かの為に頑張ろうと思う心、誰かを助けたいと強く願う心、そんな素敵な心がこもった物語です。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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