個性が強い

ノア達は慌てて爆音が鳴った隣の部屋へと駆け込んだ。

煙が充満していて,奥には3人、人がいる。

「宇希さん!仙野くん!それに…明日南!」

四ツ葉が叫んだ。

そこには、美郷を守るように抱え込んでいる李玖と、目を見開いている明日南。

「大丈夫か!?美郷!」

「だっだいじょうぶ…。り…李玖くんは…大丈夫…?けほっ!」

美郷は軽く咳き込んだ。

「えっと…何があったの?」

真希は明日南の手を引いて立ち上がらせる。

「美郷…メガネ」

「はっはい!」

美郷は李玖に黒いフレームの眼鏡を渡した。

すると、李玖の目つきが変わった。

「説明しよう!僕と美郷がとある物質を生み出す実験をするためにこの実験室に来た。材料を出していって、準備完了!調合を初めていった。数分後、僕がこの液を、美郷がこの液の分量を測っていたところ、明日南が侵入。自分もやる!とか言い出して、丁寧に美郷が教えた。すると、明日南は手を滑らせ、混ぜたら危険!の液と液が合体!それで爆発してしまったのだ!」

李玖は一息で言い終えると、美郷に眼鏡を渡した。

「だから僕は、こいつと実験はやめよう、って言ったのに」

「うぅ…新しい発見があると思ったのですが…」

「無駄にp消費しちゃったな」

二人は顔を見合わせた。

実験で使ったp、役10000pが無駄に。

クラスメイトはゾロゾロと実験室を出た。

部屋には、叶芽がPCを触っていた。

ものすごいスピードでキーボードを打つと、そこには、他クラスの防犯カメラの様子が映る。

「何したの…叶芽くん」

ノアは驚いたようにPCを見つめる。

「各クラスの防犯カメラをハッキングした。ほら、今、7時だけど、Zクラスの生徒はまだアルバイト。Bクラスは授業してる」

「バレたら怖いよ…」

そんなノアを揶揄うように叶芽は職員室までハッキングする。

「こらーっ!?誰だーっ!学園中の監視カメラ使用不可能にしたやつ!?」

「うわぁっ!きーちゃん(黄花のこと)!?ノックくらいして入ってよー」

四ツ葉が椅子に座って伸びをしながらドアを思いっきり開けた黄花を見る。

「あー、ごめんなさい。それでは…じゃなくて!監視カメラ使えなくなったんだけど!?誰!?」

「他クラスじゃねーの?」

咲人がカフェオレ月見団子味を飲みながら黄花を見る。

「んなわけないでしょ!?うちの監視カメラは超厳しいの!どうせ…叶芽でしょ?」

叶芽はびくりと肩を揺らした。

「ちち違いますよ」

叶芽は斜め右上を向いて答える。

「バレバレすぎだろ」

結唏がツッコミを入れる。

「叶芽。一緒に来なさい」

叶芽は黄花に連れて行かれた。

「あいつは生徒指導室だろーなー。かんな先生怖いもんな」

「あはは…大丈夫かな、叶芽くん」

「自業自得だろ」

結唏はサッカーボールを手入れする手を止めずに話す。

「きゃぁぁぁぁっ」

部屋に叫び声が響いた。

見ると、明菜がぶっ倒れて震えている。

「どうした!明菜!」

真希が明菜を支える。

「ぐすっ…うぅっ…遊人里くんが…殴って…」

「遊人里…」

真希が遊人里に軽蔑したような目線を向ける。

「違う違う!これ、演技だよ!演技!」

「本当かー?」

「俺の書いた台本のお芝居…」「うわぁぁぁぁぁっ!」

またべつの叫び声。

そこには、美緒が倒れている。

「幾多さん、どうしたの?」

ノアは美緒の手を引いて立ち上がらせる。

すると…

とんっ

「「うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」」

誰かに肩を叩かれ二人は飛び上がる。

「僕だよ。三玲。あー、二人ともビビリだな」

そう言われて、思わず全員笑ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

秘密が集う,月元学園の特別クラス Veroki-Kika @Veroki-Kika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ