警察官だった私の怪談
@SHIN-H
第1話 前書き
私は今の職業に就く前、地元のとある地方で警察官として勤務していた。
今から書くお話は、地域住民の安心安全を守るため激務に追われた数年間の中で私や先輩、後輩、上司が体験した不思議な出来事である。
私が警察学校を卒業後配属されたのは、総人口1万人程の自然がとても豊かな田舎町にある小さな警察署だった。配属後数ヶ月は上司が指導のため付きっきりで勤務するのだがそれが終了すると一人で交番勤務をする事になった。これは小さな警察署ならではなのだが、いかんせん人材不足で新人でも一人で勤務しなくてはならなかったのだ。
大きな街の大きな警察署に配属された同期たちは一人で勤務することはなく先輩と二人以上で勤務しているという話を聞き羨ましく思ったものだ。とにかく不安だったことを覚えている。
交番勤務の警察官は当番勤務という朝八時三十分から翌日八時三十分までの二十四時間勤務が主であり、当番・非番・週休というサイクルで行われる。ちなみに勤務中は仮眠が五時間ほど設けられてあるが激務のためしっかり五時間仮眠をとった記憶はない。
しかも大きな事件が発生すると非番はもちろん週休も返上して働くことになる過酷な職業だ。警察署内で働く刑事課や生活安全課、警備課、交通課などの内勤とよばれる職員も日勤ではあるが業務量も多く当然の様に遅くまで残業し当直勤務もあってかなりしんどい。
今から書く話は、そのような職場環境で疲れきった脳みそが見せた錯覚だと今でも考える様にしている。
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