第3話 情熱

僕は傑の母親に30手前になるおっさんが傑と一緒に遊ぶのは傑がまた変な噂を立てられる事を説明した


僕「僕は引きこもりだった経験で傑を救いたかった」

僕「問題はお母さんのお酒の飲む量ですね」


傑の母親は今まで自分が演じていた事に驚いていた

傑ママ「傑はあなたを友人どころか離婚した父親以上よりも慕っているの」

僕「傑とはもう距離を置いて自分の道を頑張ろうと思うんですよね」

傑ママは溜息をついた

傑ママ「あなたまでもいなくなったら私はもう」


僕「離婚した旦那にまだ未練があるんですか」

傑ママは人生に絶望してると甘ったれた事を話した

僕「傑の事を考えて酒を飲むのを減らしてさ 頑張ろうよ ねえ」

傑ママは自分の体を抱きしめた

傑の母は財布から現金五万円を取り出し自分に渡した


僕「俺がお金を受け取ると思ったのですか」

引き止めているのは意外だった

最初は自分に対して警戒心があった傑ママだったのに


傑ママ「あの子には父親が必要であなたしかいないのよ」

僕「親権はあなたにあるのだから」

傑ママ「私もいつの間にかあなたに依存するようになったの」


僕「自分には昔のトラウマがある」

僕「傑君も離婚したトラウマといじめられたトラウマ」

僕「あなたのトラウマはなんなのかわからない だからこそ成長しましょう」


傑ママは泣き出した

僕「依存症なら病院で少しずつ治療して焦らず頑張りましょうよ ねっ!?」

傑ママは自分の体を強く抱きしめた

傑ママ「今まで傑の面倒を見てくれてありがとう あなたはいい男よ」

僕「その割にあなたは私の事を最初は異常者扱いしてましたよね」

傑ママ「当たり前じゃない 今日のあなたの演技でハッキリしたわ」

傑ママ「あなたと私が一度付き合ってみてお互いよければ傑のパパになれるわ」


傑からしたら親友が自分の母親と結婚したらなんか気持ち悪いだろう

僕「俺は確かに元引きこもりでこどもおじさんだけど」

傑ママ「私に魅力がないの?あなたが付き合ってくれるならお酒は飲まない」

僕「私はアルバイトで」

傑ママ「正社員を目指すのよ あなたなら私は大歓迎っ!♡」


なるほどね

傑の母親がここまで明るい表情をしているのは初めて見た

さて イルカショーを見た女の子とデートとかしたい

僕「俺彼女が出来そうなんですよ 生まれて初めて 30手前にしてね」


傑ママ「相手は年下なの?その子をずっと愛せるの?」

僕「年下ですね」

傑ママ「私はあなたが思うほど一途でいい相手よ」


シラフの状態の傑の母親がこんな事を言うなんて展開としては読めなかった

禁酒する為に病院に通う今までありがとねという返事だと思っていたのに


僕「それじゃ俺の両親は自分じゃ一生結婚出来ないと思ってるんですよ」

僕「だから傑のお母さんが俺の彼女として両親に挨拶出来ますか」

傑ママ「いいわね そうすれば形式的に真剣に結婚前提の恋愛が出来るからいつ行けばいいの」


僕「お母さんは傑に好かれている男ならだれでもいいんですか」

傑ママ「そんなわけないでしょ あなたが私に今まで励ましてくれたりした事を踏まえてあなたの事を好きなのよ」


僕「なら未練がある旦那の事を忘れてくださいよ」

傑ママ「いいわ 本気で交際しましょう」


傑ママ「あなたは彼女になりそうな子を愛しているの?」


傑ママ「私が離婚した原因は旦那の浮気 私はそれが今でもトラウマなのよ」

非常に困った

傑ママ「傑は一と結婚してほしいと言っていたし いいじゃない」

僕「とりあえず帰りますね」

傑ママ「私は本気であなたの事を愛する事を約束するわ」


副店長に相談する事にした

居酒屋に到着した

副店長「お前をデータに誘った子はな 黙ってたけど俺も告白されたことがある」

なんだって

副店長「俺は彼女がいるから断ったけど 彼氏がいる状況で誘ってきたからな」

副店長「お前は彼女が出来た事がないから黙ってた 童貞捨てられるし 恋人いない歴ともおさらば出来るからな」

僕「よかった」

副店長「よかったか」

女の子にメッセージに送った

考えたけど友達のままがいいと送った上で連絡先を削除した


俺「俺はあんたからしたら魅力があるように見えるか」

副店長「あるよ 真面目で面白いし 次狙えよ な いつか出会えし 紹介してやろか」


副店長「本当に正社員になるんだな 本部に報告するぞ」

俺「よろしくね」


心の中で社会復帰が出来た気がする

今まで引きこもっていた時は人生を諦めていた

傑に出会ってから自分にもいつかこんな息子か出来たらなんて幸せなんだろう

傑母親のように一人の男性をずっと愛せる女性は少ない

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