第2話 理解者
僕のスーパーのアルバイトは夕方から深夜の夜勤で働いている
副店長「そろそろ一も正社員になっちまえよ」
副店長は自分より年齢が少し年下だが僕に優しく時には厳しく仕事を教えてくれて
仕事仲間から友人と呼べる存在となっている
副店長「そこらへんの正社員よりもお前は懸命に働くから大丈夫だ そろそろ独立しろよ」
僕「そうですよね 検討します」
副店長「仕事の時は敬語になるのやめろよ」
僕「いえいえ 仕事の時は年齢とか関係なく敬語ですよ」
副店長「お前はどこでも通用するよ 今日はその子供を映画館に連れてやるのか」
僕「そうですね 傑君の母は離婚してから情緒不安定で酒に浸ってますからね」
副店長「大変だろうけどさ お前にはお前の人生があるだろ」
僕「小学生の時の記憶は大事ですからね」
スーパーの夜勤を明けて副店長と近くの定食屋でご飯を食べた
僕「悪いね 毎回おごってもらって」
副店長「お前は残業代も要求せずに最初から俺の事手伝ってくれるから感謝を言うのはこっちだ」
副店長は自分がバイトをした初期は残業に追われて大変だったと思う
副店長「変人というか善人なのか知らんけど子供の相手をするよりもお前も彼女を作って---」
いつも聞かされる説教だ
僕「自分に自信があるなら彼女なんていつでも出来る」
副店長「何を言ってるんだ お前のトラウマは女子の陰口なんだろ」
僕「俺が勧めた鬱ゲーは面白いだろ」
副店長「面白いね 結末が衝撃だったわ」
ゲームの話で盛り上がって副店長はバイクに乗って自分の家まで送ってくれた
家に帰り「ただいま」と寝ている両親を起こさないようにシャワーを浴びた
いつから家で自分を演じるようになったのかわからない
母さんを不安にさせない為か、それとも父さんに期待されないようにかな
資格の勉強に集中した
スーパーがなんらかの形でやめた時に手に職がなければ無職になってしまう
正社員になって2年も働けば父は安心して嬉しいだろう
だから時間が空いた時は資格の勉強に励む
夜勤明けて体と資格の勉強で脳は疲れていた
タイマーをセットして仮眠することにした
眠るときに自分が先ほどシャワーに入る前の姿を思い出した
傑君のような将来が期待される未来ではなく数年後の近い未来の為に努力していた
同じスーパーで一緒に働く女の子からある日連絡先を聞かれた
バイトでの用事だろうと思った
だって、ほら?
正社員並みに働く僕は休みたい時には代わりに出勤してくれるいい駒だろう?
実際は異性としてどこか二人で遊びにいきたいという突然の誘いだった
僕「俺はもう30手前だよ もっと若くて未来がある有望株に目をつけなよ」
相手はそれでも一緒に水族館に行きたいという誘いがありナイトイルカショーを見た
女の子「一さんは私の事をどう思う」
姉が婚約者と喧嘩するときに自宅にかえってくる事を思い出した
僕「姉さん そんなに辛いならずっと家にいなよ」
僕「相手がそんなひどい奴なら俺が文句言ってあげるよ」
姉は昔からメンタルが僕も弱いから自分が守ってあげる義務がある
姉は言葉では言葉は辛辣ではあるが根は優しい
僕「姉さんが昔僕が引きこもりだった時に相談に乗ってくれたのは覚えてるよ」
女の子の目を見た
僕「童貞で恋愛経験ないから自信がないんだ」
年下の女の子は笑っていた
女の子「誰だって最初は恋愛経験はありませんからね」
結局相手の女の子に対してハッキリした返事が言えないままだった
だが、その子と通話をすること回数は多く彼女だと偽って両親に紹介してやろうという素晴らしい考えが頭に浮かんだ。
女の子「私が結婚を前提に付き合ってる彼女になればいいんだね」
僕「そうだよ それで僕の両親の挨拶してくれたら母さん喜ぶんだよね」
女の子「一君はそれでいいの 嘘をつくんだよ」
僕「うん お礼はいくらでもするよ」
女の子「本気で私の事を好きになってくれるの」
僕「それはわからない 傷つけたくないんだ」
女の子「じゃあわかりました いつでも一君の実家に行けますので」
最近の傑君はイジメられていた相手と仲直りしている
今日の映画次第で傑君を陰ながら応援して自分は自分の道を進むんだ
意識を女の子に集中すれば恋人ってやつが出来るだろうな
相手が行きたいデートをしたり、相手が好きな趣味を研究して相手の趣味を楽しむ
待てよ?
結婚も考えなきゃならないのか
ウキウキ気分で傑君と待ち合わせした映画館の前で会った
傑君「一君 もうちゃんとチケットをネットでとってくれんだろうね」
僕「おうよ」
映画館内
僕「さぁ好きな飲み物とポップコーンを選びたまえ」
傑君「コーラとポップコーンがいいな」
映画は面白くて傑君も満足している様子だ
僕「ゲーセン行こうぜ」
ゲーセンで傑君がやりたいというゲームを楽しんだ
近くのオムライス屋で傑君が美味しそうにオムライスを食べている
僕「学校生活は面白いかい」
傑君は笑顔で「面白いよ」と今日のお礼と言っている
僕「僕も最近面白いんだ 恋人って人が出来そうだからね」
傑君は不安そうな顔をしている
傑君「一君と遊べる回数も減るんだね」
僕「そうだね だが友情は不滅だ」
傑君は悲しそうにしている
僕「どうしたんだ いつもの傑君らしくないぞ」
傑「母さんが最近 お酒を飲む量が増えたんだ」
またか
傑君にはいつもの自分のキャラを通して一君の母親にはが積んと言うしかない
僕「傑君の家遊びに行きたいな ゲームやろうぜ」
傑君の笑顔は戻った
僕「殴られたりしてねーよな?」
一瞬素の自分の口調になってしまった事を咳払いで誤魔化した
傑君「殴るわないじゃん ただ落ち込んでるだけだよ」
傑君の家に行くのはもう今年で数えられないぐらい出入りして家庭環境をチェックしている
傑君「ママ帰ったよ 一君連れてきた」
僕「傑君のお母さんこんばんはっ!」
酒は飲んでいないようで自分を歓迎してくれた
傑ママ「傑がいつもお世話になってありがとね 私は仕事で傑をどこにも連れて行ってあげられてないの」
手料理をふるまってくれるあたりまだ改善出来るだろう
僕「とんでもないですよ 今日はお酒飲むのやめてみんなでゲームしましょうよ」
傑君はごはんを食べたら今日一緒に映画を見てゲームセンターで遊んだ疲労ですぐに寝てしまった。
傑君の母親は傑君を寝室に連れて行って寝かしけた
僕「傑君は最近学校行くの楽しいみたいですよ」
傑ママ「そうね 一さんと出会ってからこの子は明るくなったわ」
僕「お酒を飲むのを控えたらどうでしょうかね」
傑ママ「今日家に来たのは私の事を確認しに来たのね」
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