引きこもりの息子が親孝行する為についた嘘計画作戦っ

第1話 引きこもりの俺だって情熱はあるんだ

---静寂な夜---

「はじめちゃん　はじめちゃん　ごはんよ」

お母さんの沙苗の声が聞こえる

「はい　今行きます」

パソコンで最近流行ってる鬱ゲーマニアから評価が高いゲームをしていた

僕は考察が好きだ　

鬱ゲーはやると気が滅入る時もあるけど自分の考察が当たった時が面白い

セリフに隠れされた真実やゲーム内のキャラの行動を考察する

部屋から出て食卓で母に出されたご飯を食べる

「はじめちゃん今日のお仕事どうだった」

母さんは自分に優しいけど父の真は自分とあまり会話をしない

ハンバーグを口の中でよく噛んで言った

「うん　いつも通りかな」

我が家はテレビを見てごはんを食べても怒られない環境だった

だから、テレビ番組を見ていた

心霊番組の再現ドラマがを見ていた

普段から鬱ゲーを好む身としてはホラーに耐性がついているので見ていた

ドラマの主人公は主人公には妻子がいて帰宅する度に家族の様子がおかしくなっているという心霊ドラマだ

「きっとね」

味噌汁を飲んだ

「主人公は交通事故かなんかで意識がない状態でその意識を見ているんだよ」

よくある設定だ

「お前の予想が外れたらスーパーの正社員になって働いてくれるか」

父は公務員として働いている

出来の悪い息子と出来がいい2個上の姉はとっくに独立して恋人と結構を前提に他県で同棲をしている

「ううん　父さん　正社員になったら責任感がのしかかるんだ」

「僕は責任感とかに耐えられないからまだ我慢してくれよ」

父は笑っていた

「そうか　お前は色々あったもんな　ゆっくりでいいんだ　人生は長い」

父の優しい言葉にフラッシュバックした

回想

担任教師が自宅にやってきた

「はじめくんはいつになったら学校に来てくれますか」

「はじめは女子グループからからかわれてそれがまだショックで･･･っ」

そう

女子にはトラウマがあった

中学の時に女子に自分の嘘の噂話を流された

友達には気にするなと励まされたが当時は心が脆かった

それから学校の登校拒否をするようになり

パソコンでネットゲームに現実逃避するようになった

「本当にはじめちゃんの予想通りの結末になったわね」

母は驚く

父は財布から五千円札を取り出した

「俺はお前の事を愛している　不器用だかにら実の息子にもそのなんていうのか」

母は表で優しさを表現出来るが父は優しさを表現するのが苦手だったのだ

五千円を受け取った

「これで優(すぐる)君と遊べる」

「おいおい　ハジメ聞けっ　相手の傑君は子供だろう」

友達に年齢など関係ない

「確かにおっさんが小学生と遊ぶのはおかしいけど傑君はいい子なんだ」

父「時代が時代だからな　気をつけろよ」

母「大丈夫よ　親御さんと通話をしたことがあるし」

父「そうか　お前の息子ぐらいの年齢だからな　時代的に誤解とかあるからな」

母「傑君のお母さんとは顔を合わせた事はないけどいつもお世話になってると連絡が良く来るわ」

僕「この僕が傑君に何かすると思っているのかい」

今まで事件など起こした事はないクリーンな経歴だ

父「不審者としてお前がな町中に噂になったら父さん困るんだ」

母「うふふ　ハジメちゃんが引きこもりにならなかったからお姉ちゃんのように恋人が出来て---」

心で何かが崩れた

母「苦労して育てた一ちゃんはドラマに出てる父になって子供が出来るを見たかった」

父は慌てて声を荒げた

父「お、おいっ　沙苗っ！！　今のは言っちゃいかんだろ」

胃が痛くなってるのを耐えた

そうか

お母さんは僕が結婚出来なくて恋人も作れないまま一生を過ごすと思ってるんだ

そう思われても仕方がないが悲しい

悔しい　情けない

自己嫌悪に襲われた

「ん？僕に恋人がいないと思ってんの？」

頭の中で計算された嘘の計画が頭の中で作戦を考えていた

「そうだよね　今まで散々苦労かけたからこそ親孝行の為にも子供ぐらいね」

父「一　いいか今のは母さんの失言だ　誰もそんな事思ってないぞ」

母「ごめんなさい　一ちゃんも年齢的に結婚してもおかしくないもんね」

姉の顔が浮かんだ

実家に帰る毎に嫌味を言われる

夏のお盆を思い出した

姉「ねぇ　あんたいつまでアルバイトで暮らしていくの」

僕「いつか正社員になって...」

姉「私は父さんや母さんみたいに甘くないからね」

僕「婚約者様と喧嘩をしたらすぐに実家に帰って問題を抱えてくる奴に言われたくない」

姉「恋愛もしたことがない奴が情けない」

「母さん父さん　僕は絶対結婚出来るから心配してよ」

母「デ、デザートを食べましょ」

父はそれから気まずい顔で興味がないテレビ番組を見ていた

部屋に戻って歯も磨かないままベッドの布団に包まった

目を閉じた

作戦の準備が計画されていく

我ながら自分が天才に思えてきたがうまくいくかどうか

明日は傑君とゲーセンで遊びに行くから事前に傑君に通話をしないと

僕「あ、傑君　俺だよ　一」

傑「わかるよ　一君の連絡先から着信が来たし」

僕「父さんから五千円もらったんだ　映画見に行こうぜ」

傑「えっ　いいの　一君は興味がないって言ってたじゃん」

僕「俺も考えたら傑君より一回り　いや二回り以上離れたおっさんだぜ」

傑「じゃあ年上の一君が明日おごってくれるんだね」

僕「当たり前よ　ところでお母さんは大丈夫かい」

傑「大丈夫だよ　さっきまで酔っぱらってたけど今はぐっすり寝てるよ」

僕「何かあったらすぐに俺に相談するんだよ」

傑「頼りになるよ　親友だもんね　俺と一君は」

僕「年齢が離れていても親友さ」

電話を切った

傑君と出会ったのは2年前だった

ちびっこに囲まれてイジメられている少年が傑君だった

「警察に通報するよ　いじめんなよ多数でよ」

それから傑君は僕に懐いてきていじめられている事を傑君と共に傑君の家に行って傑の母に訴えた

「息子さん集団でいじめられてましたよ　私が仲裁に入りましたが」

「ごめんなさい　私は」

ビールの空き缶に汚い部屋に嗅覚が耐えられなかった

僕「なんなら私は近所の者でバイトをしている以外は暇なので傑君と遊びましょうか

イジメは許せない

僕のように傑君も引きこもったら人生が台無しになってしまうからケアが必要だ

僕の家の母さんは優しいけど傑君のお母さんは酒に頼る生活を送っていて放っておけなくなった

最初は子供に近づくのは今の世の中は危ないと思っていた

だが、いじめられてる傑君を見た時は正義感が勝った

傑君に合わせる為に一緒にいる時はキャラを演じている

遠い昔の回想を思い出す

実家の庭に野良猫がいた

瘦せ細っていていたからすぐに貯金箱から小銭を取り出して餌をコンビニで買って猫に餌をあげた

それを見ていた父の真が厳しい口調で僕を叱った

「一度野良猫に餌をあげたらずっとあげなきゃならない」

僕は父に逆らった

「なら飼うよ　可哀想でしょ　痩せ細っているんだよ」

父は呆れて野良猫を自宅に招き知り合いの猫が欲しいという知り合いに猫を譲った

「父さんの長年の知り合いで猫好きの夫婦だ　お別れは悲しいがお前はいいことをしたんだ」

昔から正義感が強かった

傑君がイジメられなくなったと話を聞いたら僕は傑と関わらない

傑君には未来があって僕の未来とは全然違う