第9話 え、天体観測って……マジ??お家デートってこと!?
(放課後の教室。プリントをまとめる音)
「──あんたってさ、最近ちょいちょい窓の外ばっか見よるよね。
……え、星? ……はぁ!? この時間まだ出とらんとくない?
……あー夜の話ね。天体観測ってやつ? マジでガチ勢やん。理系オタクっぽ♡」
(椅子を引く音。カバンを閉める音)
「で、そんなに星の何が面白いと? ただの光の点々やん?
……え、星座? 名前とかめっちゃあるんやろ? ウチ無理無理!
だってウチ方向音痴やけん、空でも迷子になるっちゃ!
……あははっ、マジで、ウチじゃ絶対見分けられんわ。」
(ペンを走らせる音。少し間)
「……でもさ、そうやって楽しそうに喋っとるあんた見るのは……なんか、ええかも。
内容は全然分からんけど、顔まで真剣でさ。
(内心・興奮気味に)……やば、今の横顔、かっこよすぎ……♡」
⸻
(帰り道。自販機の機械音。缶を取り出す音)
「おっ、奢ってくれるん? 神スパチャ♪神スパチャ♪神スパチャ♪
……てか、さっきの星の話の続きまだ聞きたいかも。
……いや、ウチ別に興味ないし? とか言いつつ……なんか聞いとるの楽しいんよね。」
(缶を開けるプシュッという音。少し間)
「……ねぇ、今度ほんとに見せてよ。あんたが好きなやつ、ウチも一緒に。」
(主人公の間。少し断るような気配)
「えー! なんで!? ……ちょっと期待しとったのに。
……あんたが楽しそうに話すけん、ウチも気になったのになぁ。」
(主人公が「じゃあいいか」と折れる気配)
「──ほら、やっぱチョロ〜♡
ふふっ、チョロチョロ男子〜! ……でも、ありがと。めっちゃ嬉しいけん♡」
(ギャル、心の声で)
「(内心)……やば。次ほんとに二人で行くとか……お家デートってことぉ!?
マジでヤバい!?!? どうしよ……心臓止まる……!」
(耳元で小声)
「……ジュース奢ってくれたし、星空オタクくんの家でお礼しちゃおうかな〜♡」
「また照れた♡ふふふ楽しみにしとるけん!」
(夜風の音。二人の笑い声が遠ざかり、フェードアウト)
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