エピローグ

「こうしてこの国には、こんなにも美しい自然が戻ったのよ」

 母親の話をキラキラと瞳を輝かせながら聞いていた姉妹が、一斉に大声をあげた。

「ブートニエール、なんて素敵なのかしら!」

「二人とも幸せになれてよかった!」

 興奮しながら口々に感想を述べる姉妹を見て、母親がクスクスと笑っている。

 そして、もうすぐ皇太子が誕生するということで、国中がさながらお祭り騒ぎだ。誰もが、皇太子の誕生を待ちわびている。

「あたし、皇太子様がお生まれになるのが楽しみ!」

「あたしは、この花冠をノア皇后に差しあげたいわ」

「そうね。いつかノア皇后にお会いできるといいわね」

「うん!」

 そう微笑みながら、三人はクレーア城を見上げたのだった。


【完】





 

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花を生む少年は禁断の恋に身を焦がす 舞々 @maimai0523

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