第3話 奥様、バナナは見付かりましたか?
今日は、百貨店での勤務です。
世間では、皮ごと食べられるバナナがもてはやされていて先日、テレビでも私も拝見いたしました。
昨日と今日、百貨店のバナナ売り場でこのバナナが販売されておりましたので、興味津々で行ってみました。
まだ午前中なのに、バナナ売り場では、バナナは半分程しか残っておりませんでした。
今までは、バナナを、あまり注意して見た事はなかったのですが、
バナナは一房で販売されているものだと思っていましたが、
百貨店様ではバナナ1本、2本組、一房の5本組という3つのパターンで販売されておりました。
興味があったので、暫く監視していました。
皮ごと食べられるバナナを目的に買いに来られたと思われる奥様が、早足でやって来ました。
世間では、皮ごと食べられるバナナが売り切れの店もあるようなので、その奥様はバナナの姿を見るや、一瞬安堵の表情を浮かべていらっしゃいましたが、今度はバナナを前に何か考えているようでした。
人間探し求めていた物が、やっとの思いで残り1つを購入したのなら感慨深いものがありますが、まだまだバナナは売り場にありました。
私はてっきり一房で購入するものと思っていましたが、何故かバナナ2本組を手に取り、レジに消えていきました。
確かに1本で千円以上もする皮ごと食べられるバナナとは言え、バナナ1本では恥ずかしくて買えなかったのか、かといって一房だと5千円以上なので、「幾ら何でもバナナ5本で5千円以上はね~?」と思われたのかもしれません。
つづく
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