逃げ切ることが幸せなのか⁈
- ★★★ Excellent!!!
殺人を犯した女の心情も、この作者は見事に描き切った。弁護士の経験からだろうか⁈
殺人事件に時効があった時代、時効まであと21日というところで捕まった福田和子の逃亡事件をモチーフに書かれた短編。当時の殺人の時効は15年だった。その後25年になり、現在は撤廃された。
この作品では、時効が25年の時代。もし殺した時にすぐ捕まってれば、10年くらいで出られて、私が私として生きていけたかも知れないという女の言葉が心に残った。
福田はどんな考えで逃げ続けたのか、改めて考えさせられた。
荒波立つ日本海の情景描写も巧みだ。
美しい文章で綴られた、時効間近の女の独白。是非読んでみてください!