B組女子に根回しのはずが
キーンコーン♪カーンコーン♪
「よし!やるか!(やるしかないか)」
本日二度目の腕枕から抜け出した俺は着替えを済ませて気合いを入れた。
気合いを入れるしかなかった。もう時間が無い、先延ばしには出来ない。
今はもう昼休み、俺と亜実は午前中の授業を休んでしまった。でもこれは特例として認められていて怒られる事は無い。男性と授業を抜けるのは栄誉ある事らしい。
そんなこんなで俺は一年B組の教室のドアに手を伸ばした。
亜実にはA組の皆に事情の説明を頼んである。
作戦はこうだ!
明日、悠斗が催眠アプリを使ってもB組女子の協力が無ければ成立しない。
何それ?は?プププッ♪で終わり。
なので今から俺がB組女子に悠斗の事情を説明して、催眠アプリの事も話す。
実際に催眠に掛かる振りをするA組女子を見てもらい明日は同じ様に掛かってもらいたいと頼むという訳。
行くぞ!行くんだ!
悠斗の為、俺の為にも!
うぅ、緊張する。
ガラガラ♪
「「「きゃぁ♡A組の男!」」」
「「「性欲男子様!?なんで?」」」
大騒ぎになるB組女子を落ち着かせ、本題に入る。
「えー、聞いてください。このクラスの男子である悠斗はこの中から婚約者、または搾精のお手伝いをしてくれる子を見つけようとしています」
「「「きゃぁー」」」
「ですが彼は女子に恐怖心を持っています。心当たりあるでしょ?初日のアレです」
「「「……」」」
喜んだり、シュンとしたり忙しいな。でも楽しくなってきた!これなら話せそうだな。
「彼も性欲男子ですが、女子にグイグイ来られるのは苦手の様です。そこで、逆に彼の方から来てもらい恐怖心を和らげるというのはどうでしょうか?」
「「「???」」」
「そんな事を可能にするのがコレです!催眠アプリです!」
なんだか怪しげな通販番組みたいだな。
「これを起動させると貴女たちは催眠に掛かります。催眠に掛かった貴女たちに彼が少しエッチなお願いをしてくるのです。どうです?彼と少しずつ仲良くなってみませんか?」
「「「そのアプリ嘘臭くないですか?それ!」」」
「そう思うでしょう。では皆さん、A組に移動しましょう。俺が実際に催眠アプリを使ってA組女子にどんな事をして仲良くなったのか見てください」
よし!なんとかなりそうだ。
後はA組女子に催眠を掛けてハグでもしている所をB組女子に見てもらい、こんな事をされながら彼の女性への恐怖心を無くしていこうと提案する。
そして実際には掛かってる振りだとネタバラシ。掛かっている振りは大変かもしれないが、こんな風に少しずつ悠斗と仲良くなりませんか?と。
「A組の皆ただいま~、じゃあ今からB組女子が…」
え?
なに?
この空気…
空気読みの達人ともいえる俺のセンサーがビンビンに反応している。
催眠アプリなんて状況では無い。
「ヨータの初めては私が欲しかった」
「私の胸揉んでるのに」
「うなじよりよりも太ももですか」
「「「この写真!私達も撮れるのよね?」」」
「「「ねぇ!答えて!」」」
写真?
どういう事?
「亜実…何を説明したらこうなるんだ?」
「陽太♡情事の説明をしておいたぞ♡陽太が上になる話では皆が興奮していたぞ、そんな淫乱な男が居るんだ♡ってな」
あぁ、あの時撮った腕枕の写真か。
アレって亜実の持ってるのはポッチをスタンプで隠してないやつだろ!それを見せたのか?
俺が上になる話なんてしなくていいの。
悠斗の話をしてくれよ!
「亜実…情事じゃ無くて事情を説明してくれよ」
はぁ、まずはメンケアしなくては。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます