第6話 光キノコの間接照明

 大きな木のうろに戻り、植林キノコをする。


 すると間接照明みたいに『大しめじ』みたいなキノコが光りだした。



「成功だっ」



 集まりだしてた精霊たちが光の粉で螺旋を描いたりして喜んでいる。


 せっかくテーブルと椅子があるし、お茶をしようということになった。



 日持ちする甘い焼き菓子と、


 水で割ってもお湯で割っても美味しい『さっと溶ける粉コーヒー』を淹れて


 スティック個包装タイプの砂糖を加える。



「牛乳があったらなぁ」 


「贅沢言うなよ」


「街の方では、『ラテ』って言って、乳の成分も粉として入ってるやつがあるらしい」


「それが手頃な値段なら買っておきたい」



 一緒にねぎらいを込めて乾杯をして、コーヒーをいただく。



「それにしてもさ」


「ん?」


「これ・・・もらってもいいのかな?」


「お礼だって言ってたし、街で鑑定してもらえば?」


「貴様は診れないの?」


「女もんの髪飾りについてはよく分からない」


「そうかぁ~」



 いつの間にか姿を消していたキャピックからのお礼は、


 透明感のある碧い石のついた豪奢なかんざしだった。




 ―・・・ ・・―――――・――・― ―――・―



 旅路の帰りにその切り株に立ち寄ると、だいぶ内装飾が増えていた。


 僕たちが立ち去ったあと、発見者は軽い混乱を起こしたらしい。


 そして本棚に置いてある絵本に、「カイ」と書いてあったらしい。


 なるほどあいつか、と里の者たちは納得。



 普段は外に出ない令嬢が見てみたいと言ったり、内装を増やしたいとの要望多数。


 植物で編まれた円形のカーペット。


 葉の押し花を額縁に入れたものを大小、いくつか木の肌壁に。


 観葉植物をそろえたり、小洒落たカップを鉢にした小植物なんかもあった。


 背の高い棚も作られていて、棚背が違うそこには僕のじゃない本も置かれている。


 小鉢に入った植物が棚にも並んでいて可愛らしい。


 

 当然話題になったのは、光キノコの間接照明。


 どこをどうやって走ったのか忘れていて、未だにあの洞窟の場所は謎なのかも。


 路中、あまった光キノコを点在して植林しておいた。


 旅人なんかがそれを知って、自宅の方に里を経由してお礼状が来た。


 なかなか嬉しいもんだ。



 意外だったのが、『大しめじ光キノコ』と言う品種はここらくらいにしかないらしい。


 それから食用ではないが食べれなくもないらしい。


 体内が淡くだけど光るから、極力食べないほうが、いいらしい。


 里の歴史上、貴重な存在として信じがたい文献が残ってる隠すべきだったもの。


 あんまり美味しくないらしいし。


 消化について、軌道として淡く光るから。

 

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