舞因電車

主道 学

第1話

 押した。押された。


 踏んだ。踏まれた。


 で、手摺りに掴まっているのも、もう限界だ!


 このまま限界を迎えるのも嫌なので、景色でも観て気を紛らわせようとした。


 だが、車窓からの林立するビルディングは、目の前の明かりで見え隠れする。


 うん。


 今日もいい天気だ。


 気も紛れたのと、丁度目的地の駅に到着したのとで、だいぶ楽になった。


 降車する際に、周りの人達の笑い声が聞こえる。


 その中に、憧れの彼女がいた。


 彼女が私の足元を見て、一気に笑い転げたので、何かと思って自らの足元を見ると……。


 私の足は、勝手に、しっかり、リズミカルにステップしていた。

 

 

 

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