デートをする
今日は東江さんとデートをする日だ。
結婚する前も東江さんとはデートをしたことがないので、今回が初めてということになる。結婚をしてから初めてデートをするような人たちはいないと思うので…珍しいカップルだろう。
「東江さんはどこか行きたいところとかありますか?」
「私は『恋と夏』という映画が見に行きたいです。」
恋と夏という映画は今日から公開されている映画だ。前に東江さんがこの映画の予告を僕に見せてきて「これ面白そうですよね!」と言っていたので、今日はそういうだろうと思っていた。さすがに公開日であれば見たということもないだろうし。
「そういうと思ってましたよ」
東江さんは映画鑑賞が好きなのだ。前に聞いた時に、休みの日はほとんど映画館にいると言っていたぐらいだ。
「それじゃあ…行きましょうか」
「え、でも今日って公開日だよ。大丈夫かな…」
「そのことなら大丈夫ですよ。しっかりと前売り券を買っているので」
「え、ほんと!?」
「はい。東江さんなら言うと思っていたので」
「でも、私が映画を見るって言わない可能性も全然あったと思いますけど。それなのに事前に前売り券を用意してくれていたんですか?」
「まぁ…その可能性もあるけど、オレは東江さんのことをそれなりに理解している方だと思っているからさ。それにもし、映画を見るって言わなかったらその時は仕方ないと思って使わなかったよ」
「な、なんで言ってくれれば絶対に映画行きますよ!」
「今日は東江さんを楽しませるのがオレがやるべきことなので」
「いや、それなら昨日とかに映画を見に行こうとか言ってくれればそんなリスクを冒す必要だってなかったんです」
「そうですね。あんまりそういうことを考えてなかった」
確かに東江さんの言っている通りで前々からしっかりと言っておけば、この前売り券が使われないなんてことになる可能性はゼロにできたはずだ。だけど、オレはそんなことを一ミリも考えていなかった。如何なる、可能性も考えて前売り券を買っただけ。
デートだけど、今日は東江さんがやりたいことをしたい。散々東江さんには黒を掛けてしまっているので今日ぐらいは彼女のやりたいように。
なので、オレのデートプランを押し付けるような真似はしないと決めていた。
「そうなんだ…でも、先輩が私のために前売り券を買ってくれたってことですよね!?」
「そうだね。東江さんとデートをするわけだし」
「それはうれしいです!しっかりと私のことを考えて、先輩が前売り券を買ってくれたことも。何より私がオススメした映画を覚えていたことも」
「それぐらい誰でも覚えていると思うよ。東江さんのオススメする勢いはかなり凄かったしさ」
「それでも嬉しいものなんです!私のためにやってくれたってことだけでも」
「そうですか。東江さんが喜んでくれるなら用意した甲斐があったよ」
これからは夫婦になって、毎日顔を突き合わせることになるんだ。少しでも東江さんの好みや思考を知っておくことはこれからのためにもいいことだ。そのためにもこのデートはにオレ重要。
「それじゃあ、私と先輩の初めてのデート、スタートです!」
「そうだね」
東江さんはオレの腕を抱きしめて来るが、オレは素直に受け入れて歩き出す。
大学の飲み会の帰り道にラブホで4人と関係を持ってしまったが、どうすればいいんだ!! 普通 @jgdqa
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