第6話 男達の憩いの場
18時になり、俺はいっくんを連れて智輝の家に向かった。
「にいちゃ、いっぱいたべようね♪」
「だね♪」
いっくんと手を繋ぎながら歩いていると智輝の家に着いて、智輝とヒロが外で待っていた。
「ごめん待たせたかな?」
「いんや、大丈夫だぞ。」
「うん。まだそんなに人が入ってないみたいだから大丈夫だよ。」
「良かった。いっくんご挨拶は?」
「...こ..こんちゃー」ペコー
「おう泉!」
「泉君挨拶できて偉いね。こんばんわ。」
いっくんが挨拶をちゃんとできたのを見届けてから清隆さんの店に向かった。
居酒屋の前に着き、店の引き戸を開けた。
「こんばんわ!4人でお願いしまーす。」
「は〜い!いらっしゃ〜い。空いている席にどうぞー。」
店員さんに通して貰いテーブル席に座った。
「おう!いらっしゃい!いつもの4人か♪」
俺達のテーブルに来てくれたのはここの店長さんだった。
名前は
この居酒屋は奥さん達と経営しており、普段は普通に営業をしているのだが、この毎週金曜日には男性限定で店を開けており、この日だけは男性の楽しい時間になっている。
「いらっしゃい。先にこれ、泉君にどうぞ♪」
清隆さんの後ろから女性が現れてテーブルに小さいカップゼリーを3個置いてくれた。
その女性は清隆さんの奥さんで主に配膳や注文をしてくれている人でバイトさん達のリーダー的存在の人だ。
清隆さんには後二人奥さんがいる。
国からは一夫多妻が認められているのだが、男性側に対する審査が厳しく、全員が一夫多妻を認められている訳では無く中々認められずにいる中では珍しい人達だ。
「ありがとぅ」
いっくんは出されたゼリーを美味しそうに食べていた。
「注文は決まっている?」
「あ、じいちゃんが来るんで注文はその後でいいですか?」
「あ、会長さんが来るのね♪わかりました。ごゆっくり〜。」
店長と奥さんは厨房にもどり仕込みを始めた。厨房には若い女性と清隆さんと年齢が近い女性が二人いるのだが、その二人が清隆さんの奥さんだ。
「ヤスさん来るんだ。」
「今日は友達と来るってさ。んでついでに奢ってくれるってさ。」
「!?・超助かる〜!」
「それはありがたい。お礼言わなくちゃ。」
俺達が店に入ってからしばらく経つと男性のお客さんが続々とやって来てお店が賑やかになってきた。
「おう!智輝にヒロにゆう!っと、泉もいたか!今日は奢ってやるから好きなの食いな!」
「「「あざまっす!」」」
「あ、ありあとー!」
ヤスさんの奢りということで俺達は遠慮をせずに大量に注文をした。
「やっぱ清隆さんとこの唐揚げ美味いな!」
「焼きそばもうめぇよ!」
「僕はやっぱり焼き鳥だね!」
「うめぇの♪うめぇの♪」
俺達は食いに食いまくった。ちょっといっくんの言葉遣いが悪くなって慌てて修正をさせたりと盛り上がった。
食べ終わり少しゆっくりしていると清隆さんが俺達のテーブルに腰掛けて話をしてきた。
「お前ら三人はやりたいこと決まったんか?」
「いや、まだなんすよ」
「中々ね。」
「まだ全然。」
俺はお腹いっぱいで寝てしまったいっくんの頭を撫でながら答え、智輝とヒロも続いて答えた。
実は俺達3人は将来この商店街で三人で協力しながら店を出そうと計画をしていたのだ。
その為に今の大学に通っていると言っても過言ではなかったのだが。
「なんだかんだ、モカ姉の手伝いが楽しいと感じていたりしますね。」
「俺も!実家の手伝いも悪くないなとは思っているんすよね。」
「僕もじいちゃんの会合に付き合うのも楽しいと思っていたり。」
「・・・そっか。ま、まだまだ先は長いんだ、ゆっくり悩めや♪ただ今のセリフはモカちゃんとご両親に会長が聞いたらスゴイことになるかもだからまだ黙っておけよ?ほい♪これサービス。」
清隆さをが良くわからないことを言っていたが、サービスに出してくれたマンゴーをありがたくいただいた。
「・・・おめぇら容赦って言葉を知らんのか?」
食べるだけ食べて伝票をヤスさんに渡したら軽く叱られてしまった。
謝罪しつつ俺はいっくんをおんぶして喫茶店までいっくんを送り届けることにした。
「ただいま帰りました。」
「お帰りなさいゆうちゃん♪...あら?いっくん寝ちゃっているのね。萌絵ちゃーん!手伝ってちょうだい。」
モカ姉が出迎えてくれていっくんを預けようとしたが、中々がっしりと俺の伏を掴んで離れてくれなかったので萌絵も手伝ってくれた。
「ほらいっくん?お風呂入らないとでしょ?」
「泉!場所交代しなさい!」
「やー!にいちゃと入るの!」
いっくんから指名が入ってしまった。たぶん言うとおりにしないと離れそうにもないな。
「モカ姉、久々にお泊まりしてもいいかな?いっくんも離れなさそうだしさ。」
「ふふっ♪じゃあお布団を用意しなくちゃね♪下着とかはいっくんとお風呂に入っている間に取りに行ってあげるわね♪」
「泉ナイスー!!!」
「にいちゃおふろいこー♪」
鮎川家に泊まることになりいっくんとお風呂に入って用意してもらった布団にダイブした。
何故か俺が風呂から出たらもう寝るだけなのにモカ姉と萌絵がメイクをバッチリ決めていたが。
そして何故か皆で並んで寝ることになった。
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