男女比1対7の割合の世界のとある町の商店街で生活している男

フカヒレ

第1話 今日も1日

朝、目覚ましが鳴るより早く目を覚ました。


「うぅんッ〜〜〜〜〜んッ!!」バキバキ


起き上がり身体を伸ばすと骨から音が鳴った。

最近運動をしていないためか身体が鈍ってしまっているみたいだ。


部屋から出て居間にある仏壇に向かった。


(・・・おはようございます。)


仏壇の前に座り遺影にむかって挨拶をする。


遺影に写る人物の祖母に挨拶を済ましてから朝食を作り、部屋の掃除等を始める。

これは俺が毎日行っている大切な日課だ。


家の中でのやることを済ましてから、外に出て家の周りの掃き掃除を始めた。


俺が今住んでいる場所は商店街の中にあり、祖母が生前住居兼の呉服屋をやっており、今は一階の呉服屋スペースを商店街の備品を保管している倉庫として使い、二階で俺は生活をしている。

俺は幼い頃からこの商店街にお世話になっていて家の周りでも商店街の一部なので、感謝を込めて毎日の日課として掃除をしている。


「あ、おはよう♪モカねぇ♪」


俺が掃き掃除をしていると向かいのお店から1人の女性が出てきた。


「あ、おはよう♪ゆうちゃん♪」


エプロン姿が良く似合う女性の名前は鮎川萌香あゆかわもかさんだ。

喫茶店・鮎を営んでいる俺より4歳上の女性だ。

この喫茶店も古くからあり、鮎川家のおばあさんと俺の祖母が友人同士だったみたいで同じ時期に始めて今はモカ姉が二代目だ。


「今日はオンライン講義がないから掃除が終わったらお店の手伝いに行くね。」


俺は大学に通っているのだが、男性はオンライン講義を受けさせて貰えるので暇な時が多い、なので喫茶店でバイトをさせてもらっている。


「ゆうちゃんありがとうね♡お姉ちゃん嬉しい♪」


可愛らしくハニカミながら二人で周辺の掃き掃除をしていると喫茶店から二人出てきた。


「モカ姉、そろそろ泉を連れて行ってくるわね。...ってゆうじゃん、おはよう。」


「あ、ゆう兄ちゃ!」


店から出てきたのは鮎川萌絵あゆかわもえ鮎川泉あゆかわいずみの二人だった。


「おはよう、二人共♪」


二人に挨拶すると二人が近くに寄ってきた。


「ゆう、大学にいつ顔出すのよ?」


「えっと、明後日かな。」


「そう、そのときは一緒に行くからね!」


「はいはい」


鮎川萌絵は俺と同い年で同じ大学に通う所謂幼なじみである。


「にいちゃ!おはよう!」


「おはよういっくん♪」ナデナデ


俺がいっくんと呼ぶ鮎川泉君は鮎川家の末っ子長男であり見た目が美少女のとても可愛らしい小学一年生の男の子だ。

俺のことを実の兄の様に慕ってくれているので俺も溺愛している。


「あ、ママが一旦帰って来るって言ってたけど、優子ゆうこさんからは聞いてた?」


「そうなの?聞いてなかったよ。萌華もえかさんはちゃんと連絡くれるのな。」


「まぁ優子さんらしいけど。んじゃ行こっか泉♪」


「うん!いってきまーす!」


モカさんと二人を見送ってまた二人で掃除を始めた。


外の掃除が終わり、喫茶店の中の掃除を始めていると来客があった。


「おはようございまーす。黒瀬商店でーす。商品を届けに来ましたー。...よう!ゆう」


「おはよう智輝ともき、荷物預かるよ。」


「助かるわ、今日はバイトか?」


「うん。課題は終わってるからね」


「あー、んじゃ俺も出るわ。モカさんいい?」


「いいわよー。助かるわぁ♪」


「んじゃ、配達終わったらまた顔出すわ。それじゃまた」


智輝は受領書にサインを貰った後に次の配達に行ってしまった。

智輝は黒瀬商店の息子で俺と萌絵と同い年の同じ大学に通う幼なじみである。

俺と同じオンライン講義を受けているので、基本時間が余るので店の手伝いをしている。

この商店街の飲食関係のお店は黒瀬商店にお世話になっている。


掃除も終わり、モカさんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら一息いれると開店時間を迎えていた。


「それじゃ今日もよろしくね♪ゆうちゃん♪」


「よろしくお願しますモカさん!」


そして今日も喫茶店・鮎が開店した。




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