第12話 港へ
「ドワーフのおっさんー」
「その声は若いの!」
「いやぁ流石に今回のは骨が折れるほど疲れたわ」
「まさか本当に倒してしまうとは……」
「はい、報酬を払って」
俺は手を出して報酬を貰おうとするが何故かバツが悪そうな顔をしている。
「まさか払えないんじゃないだろうな?」
「……」
「金がないなら別ので払ってもらおうか」
「それだったら……」
「ただしこの事は秘密だ。分かったな?」
「もちろんです」
俺はそう言って"OMEGAシステム"を制限無く使用できる装備の設計図を渡した。
「これは……」
「どれくらいでできる?」
「1カ月で出来ます」
「いや、明日だ」
「ですが素材が!」
「素材ならあの化け物は使えないのか?」
「使えますけど……本当によろしいんですか?」
「使えるならさっさと作ってくれ俺には時間を割いてる暇はないんだ」
そう言って俺は鉱山を後にし勇者たちが持っていた装備品を拝借して質屋に入れた。
「高く売れたな」
「これなら一生遊んで暮らせますよ」
「まぁこの世界にいるのもあと少しだけなんだから意味ないけどな」
俺は小さな宿屋に止まって今日の疲れを癒すことにした。今回は被害が大きく相棒の左腕を持ってかれたから戦闘は極力避けたほうが良さそうだな。明日になり俺は急いでおっさんのもとに向かった。
「頼んでたやつはできてるか?」
「バッチリだ」
排熱装置、冷却装置の2つがあれば"OMEGAシステム"を制限無く使用する。それは戦闘を迅速に終わらせることができるのだ。
「新しいパーツはどうだ?」
「少し重くなっただけですかね」
「ありがとうなおっさん」
「とんでもない」
「それとさ聞きたいんだけど港に行きたんいだけど早く着く方法ってある?」
「う〜ん。あるとすれば転移魔法ぐらいしか……」
「だいたいいくらぐらい?」
「ざっと金貨3枚」
この世界での通貨は銅貨、銀貨、金貨に分けられている。銅貨はだいたい1〜100、銀貨は100〜1000、金貨は10000〜100000の価値がある。つまりクッソ高いのだ。
「まっ……まぁ金はちょうどあるし行けるかな」
「金持ちだなぁ〜」
「じゃあなおっさん」
俺は急いで転移魔法を使ってる店に駆け込み港までの転移をお願いした。
「お金を払ったら返金はできませんのでご了承ください」
「早くやってくれ」
「それでは行ってらっしゃいませ」
目を瞑ってたらいつの間に港に着いており海が地平線の向こうまで広がっていた。
「あとは魔王城までの船を手に入れたら終わりだな」
アウトロー日記 ラーメン店長 @gorlem
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