Ep.03【01】「頭痛の原因」
現在、ストレイキャッツ事務所は酷く困難な問題に直面していた。
リオ・ハヤテ・セスティアの面々は苦悩の面持ちで事務所の席に座っている。
「これは・・・・・本当にどうしたら良いのよ・・・」
リオはこれまでに無いほど悩んでいた。
「もう・・・打つ手無し・・・・なのかなぁ・・・」
セスティアは彼女らしくない諦めの溜息を付く。
「つーーかよぉ・・・・・・・」
ハヤテが呆れ半分に口火を切る。
「おめーらが片付けやらが異様に下手だったり
てきとーな料理ばっか作ってっから
こんな事になってんだろうがぁ!!!!!」
「「うっ・・・・!!」」
リオとセスティアが痛い所を突かれて口ごもる。
事務所を揺るがす大問題とは、二人の絶望的な家事能力の欠如だった。
「だってぇ・・・・・」
セスティアが反論を始める。
「だって、姐ぇさんの料理って毎回同じだしさなんて言うか味わい・・・?
みたいな??そういうのが無いんだもん!!
栄養スティックとか具を適当に撒いただけのピザとかさー!!!」
それに対してリオも
「それ言ったら、ティアも結構ひどいよ!
フードコピー使うのは仕方ないとして、何で毎回毎回、肉料理なのよ!!!!
こないだだって、トマトの形した肉の味って何なの!?
肉が好きなのは良いけど、ちゃんとしようよ!!!!」
その言葉にセスティアがムッとして
「栄養さえ取れてればOKって思ってる姐ぇさんに言われたくない!!!
そんなのサプリと同じじゃんか!!!!
ごはんは一日の楽しみなんだから、美味しいもの食べようよ!!」
で、リオが更に反論
「肉しか食べないティアに言われたくない!!」
「肉ばっかじゃないもん!!!
姐ぇさんこそ、ピザ・サラダ・サラミサンドが延々とループしてるだけじゃんか!!」
「アンタの肉オンリーはどうなのよ!?それってループ以下じゃないの!?」
「ちゃんとレパートリー考えてるよ!!!」
「アンタのレパートリーって牛肉か豚肉か鶏肉かの違いだけじゃん!!!!」
「うるせぇえええええええええええええ!!!!!!」
ハヤテが怒りの雄叫びを上げた。
「いい加減にしろ!その話、朝から何度目だ!!
どっちもどっちなんだよ!オレから言わせればなぁ!
オレが言いたいのは、メシだけの話じゃねぇんだよ!
この部屋見てみろ!」
リオをセスティアが気まずそうに事務所内を見回す。
飲んだままのコップ、部屋の隅にうず高く積み上げられた服、汚れたコンロ
埃まみれの棚、いっぱいのゴミ箱、どちらの物かも不明なパンツ等など・・・
とにかく散らかし放題で、あまりにもみっともない。
「あのなぁ・・・・メシはお前らが食べるだけだから、どうでも良いんだよ。
ただな、ここは客が来るかもしれねぇ場所だろ?
体裁ってもんがあるだろうがよ。
ならせめて、事務所くらいはちゃんとしろってんだ!!!!」
「「うっ・・・・・・・」」
またもや二人は痛すぎる場所を突かれて黙り込んだ。
「はぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
かと言って、じゃあやります出来ますってんじゃねーんだろ?どーせ・・・」
ハヤテが深い溜息混じりに言う。
「だって・・・・どうせまた使うし・・・・・」とリオ
「後でまとめて片付けたら良いかなーって・・・・・」とセスティア
「・・・・・・・・・子供かお前ら」
とハヤテは完全に呆れ顔。
このやり取りが朝から延々と繰り返され、答えのないまま数時間が経過していた。
「仕方ねぇ・・・・家政婦ドロイド買うか・・・・・」
ハヤテが呆れ混じり、妥協まみれでポツリと言う。
「家政婦ドロイド?マジで?」
リオがハヤテの真意を確かめようと、覗き込み言う。
「え?師匠、マジですか?」
セスティアが驚いた表情でハヤテのほうを向く。
「仕方ねぇだろうが!このままじゃココは終いだっ!
なら、代替案が必要ってだけだ」
ハヤテが言うと、二人の顔にパァっと明るい表情が浮かんだ。
「やったー!!美味しい料理作ってもらえるー♪」とセスティア
「はー・・・・やっっと開放されるのねぇ・・・・やれやれ」とリオ
ハヤテはドロイドの自分にはあり得ない頭痛を覚えていた。
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