9986h社爆破テロ事件

ひびき

第1話

1999年8月6日9:44「今日奥さんの誕生日でケーキを買って帰るんすよサプライズで色々準備してるんすよ」とh社の新入社員中村康隆が言った「おー最高だなちゃんと早く仕事終わらせて早く帰ってあげろよ」と森田泰造課長が言った

1999年8月6日11:30「ドガーン」町中にこの爆破音が響くと共に、高層ビルが崩れて落ちていった。多くの叫び声や泣き声や血が上がっていた。

11:40警察や救助隊自衛隊までが出動していて場数を踏んでいる救助のプロの嘔吐までもが見受けられた、救助隊の死亡‥死亡‥死亡の声だけが永遠と続いていた。

11:55「呼吸あります!!!」とある救助隊の叫び声が更地に響き渡りそれと共にサイレンで運ばれる音が聞こえて来た。

手術は大成功した。外傷は奇跡的に少ないが頭を強く打ったのか持病なのかわからないが脳に異常があった、まぁ命に別状があるようなものではないだろう。

8月10日東京聖香大学病院n棟入院エリア410号室から叫び声が響いた「なんじゃこれぇぇぇぇぇぇえええ」もう体は衰え始め腰が痛いといつも言ってるナース(55)がそれを聞き人類で1番早く走ることに成功した。寝起きの男と目が合った途端「佐藤さん!早く先生と教授呼んできて」と甲子園のサイレンよりも大きい声が病院全体に響いた。もしかしたら隣の病棟で診察している山本先生にまで声が届いているのではないだろうか「医師の山本ですあなたは何が起きてたのか覚えてますか?」「..........??????」「そうですか、少し診察をしますあなたは自分が誰だかわかりますか」「わかりません」医者は脳の様子から記憶喪失になった、もしくは記憶障害を持っていたということは予想できていた。「今日から警察の人と話したり、とんでもなくきついリハビリが始まりますがんばりましょう」「まじか」

9月2日「何かあったらすぐに救急車呼んでくださいね」「わかってますよ先生、俺はタフなんですし、みんながサポートしてくれるので大丈夫ですよ」なんとなめくさってながる。多分誰もお前なんかサポートしない、しないであってほしい。

「国民保険があってあの値段かよ」と口にして病院の自動ドアを通り抜けた、外に出ると無性に事件について気になって来てしまった、「人間の探究心は止められんわな」院長に買ってもらったスマホを取り出し調べ始めた

9986h社事件:死者は大企業に勤める148人と近くのお店や道を歩いていた30人が死亡し10人は行方不明負傷者多数。事件のあったh社は会社に150人いて日本最大級の飲料メーカーで事件直前にはお金に関する悪いニュースが少しずつ報道されて来たタイミングだったため国民はかなり敏感に、深刻にこの事件を受け止めていた。容疑者は76歳の認知症を患っている男性で現在も否認を続けている様子、現場から指紋が検出されているため起訴の準備を進めている。

「この鬼やばテロ事件をもうほぼ解決かよ日本の警察はすごいのか雑なのかわからんわははは」男は記憶と一緒に知恵も失ったのだろう。

「てか76歳でテロとかするかあー、じゃあ警察雑じゃねえかはははは」

調べていくうちに事件被害者の会があることに調べついた

12:00被害者の会到着直後「こんにちは私たちは9986h社事件の被害者です、私は足を失いました」「私は家族を…」みんなが辛い顔をして男に話し続けていた。「みんな可哀想やな」それだけの言葉しか出てこないあなたの方が可哀想だ。そして事件のことをたくさん語り合った、ある時ぼそっと被害者の会の山田さんたちが「あの会社はどっちにしろダメだったしねぇ」と言う会話にまで発展していた、男は「君たち被害者なのにあの爆破は仕方ないと思ってるの?」と問いた。「あそこの社長お金使い荒かったって噂よ。あそこは金もたくさんあるし社長は不倫も何回もしてるし、何か制裁が必要だったのよ田中さんもそう思うでしょ?」「そうよ、あそこの会社ずっと政府の改革にも反対ばっかりして、お金欲しかった貧乏市民には絶好のチャンスじゃないの、私がやればよかったわオホホホホ」「ははは」悪魔ババアどもの話は永遠に地獄のように進んだ。とてもだるそうにババアの話を聞いていた男は急に電球のアイデアを思いついた時のエジソンより目を見開き笑みを浮かべながら「そういえばもうバイトの時間やったほなまた」まじか誰もが思いつく、ありふれた言い訳を思いついて私天才かもみたいな顔をしていたのか。どれだけ知恵がないのだろうか。みんなが使う言い訳をいい、速攻で被害者の会を後にし二度と踏み入れることはないだろうと決めた、すると「私と少し話す時間がありますか」と後ろから男性に声をかけられた。「今日はこれからタイミーなんです!」と言おうとしたら被せて「私は森田と申します。あの事件の被害者です。あなたはあの事件の報道が全てだと思いますか」それを聞き驚きと共に何故か血の気がサッと引いていった。近くのベンチに座り込み話をし。森田を名乗る男と2つの会話をした。1つは事件に巻き込まれ自分には記憶がないことを森田に明かした、2つ目はあの事件には証拠が指紋と取り調べ時の自白のみという点や認知症真っ只中で容疑を否認していることからこの事件の犯人の真偽に疑念を抱いていたこと。2人は事件の真偽について疑念を抱いたことで一致し、盛り上がった。「てか俺名前思い出せねぇんだよな、あんたちょっと名前考えてよ」「ふーーーん…ライとかどう?かっこよくね?」「かっこいいじゃん…?よしゃ、じゃあ一緒に事件の真相も調べるぞ、記憶も戻るかもしれんしな、警察とあの会の人たちにも伝えよう!」そう言うとため息をして答えた「もう彼らには話しているよ。でも信じてくれないんだ。そして警察も何か隠してるのではないかと疑っているから協力は受けれないんだよ」「なるほど、それは辛かったな…じゃあ被害者の会のババアに伝えてくる!!」「え?」

9月7日事件直前にかかっていたお金に関する疑惑を詳しく調べた。取引途中に大事な情報が他社の男に抜き出されてしまった可能性があると言うことに行き着いた。過去にもお金問題がいくつかあったらしい。

9月9日現場近くに行こうとしたけど思ったよりまだ規制があり近づけなかった。後トカゲを捕まえた。何回か調べにいくが特に情報が得ることができていなかった。

10月10日「今日はトカゲいたからラーメン奢ってくれよ」「なんでだよ、何ラーメンがいいんだよ」「いつものだよ」「今日初めてラーメン一緒に食べるだろ」「あははははは」「あははは」

ドン!!!!笑っていた友人は通行人とぶつかりコンクリートに尻もちをついてしまった。これは一瞬で空気悪くなるやつだ。「いてててて」「ッチ、前見て歩けよ」「ごめんなさい‥」「お前金持ってんの?」アニメで見た通りの流れだ。その通り過ぎてちょっと面白いかもしれない。「すみませ…」親友の消えるような声をかき消すように「おいテメェぶち殺すぞ」これはアニメでは絶対聞けないどすの利いたライの声が隣から響いた、目は殺気に溢れている。もうおしっこちびっちゃいそうだよ。当たり屋は「なんだよ許してやるよ…」といって明後日の方向に歩いていってしまった、威勢の良かったライオンが子猫になってしまった。「テメェ謝ってからいけよクズ!!!」鼓膜に直接届くような叫び声が響いた。「もういいよ、ライ、落ち着けよ。お前どうしたんだよ」親友が落ち着かせるように優しく声をかけた「俺許せねぇよ、友達がイジワルされるの許せねぇわ、しかもお前悪くないじゃん」「なんだよライ!味玉2つつけてやるからなこのやろう」親友は勢いよく肩を組みに行って笑い合った。なんだろうこの時間が続けばいいな。

10月11日「今日もトカゲ探すぞ!」「事件を調べるんだぞ」この日も一緒にトカゲを見つけ笑い合い、幸せなひと時を過ごした、少し前からもう記憶が今後一切戻んなくてもいいやと思い始めていた。「てかなんでライは俺のことを名前で呼んでくれないんだよ。」「んーなんか友達を名前で呼ぶのにはなんか抵抗がある、友達は友達呼びがちょうどいい、いやお前は親友だな、俺にはこれから親友って呼ばないといけない指名がある」「なんだそれははははは」見てる俺まで幸せだ。「じゃあな!」この日も何も進展はなく別れた、早く調べろよと思ったが幸せすぎる空間だ。可愛いやつらやな

18:30雨が降り出す「うわああぁ、親友は今日雨降らんっていってたのに‥」

18:45最寄り駅到着して家に向かって歩き始める

18:54「ガソスタの店員は全員野球部だろ」偏見がすぎる。こんなことをライはずっと考えてるのか、知性がないな。

ブス!!!!!!!!「うっ」ライの横腹には何かが刺さった。だんだんとライの腹から赤い水溜りが大きくなって行った。

20:30心肺停止

20:41親友が病院に到着、絶望と後悔の眼差しでライを見ている、何を考えているのだろうずっとああ…辛いだろう、最近の君たち見てるだけで幸せだったもん「俺が家まで送っていれば何もなかったのかな‥ラメーン誘ってたら何かが変わったのかな‥事件の相談をしなければ、ライなんて名前を…」グッと堪えていた涙がこぼれ落ちた。

10月12日0:03手術が成功しライは一命を取り留めた。

10月13日13:04安心して寝てしまっていた親友が今起きたらしい、親友くんおはよう。

「はぁやっぱりおれらはとんでもないものに頭を突っ込んでしまったのかもな…ごめんな俺のせいで」

14:44「おはよう親友」「え?」「挨拶は返せよ」「え?起きたの?」「うん」廊下からとてつもない気迫をもつ塊が近づいてくる。親友は暗殺者が再来か‥と警戒を始めた。ドアが勢いよく開いた途端ライは青ざめた、「田中さん!先生に伝えてあの子が起きたヨォおぉぉお」あのナースだった。このナースを殺人未遂で訴えられないのはおかしいと思う。暗殺者より凶悪だ。

先生が到着した。「あなたが一命を取り留めたのは奇跡ですよ」「そうなんだ」「ライさんでいいんですよね?」「うん」「ライさん何か覚えてることはありますか?」「急にh社の人に横腹を刺されたんよ」「なるほど、警察の方が後からきます。しっかりと覚えてることを伝えてください、あれから記憶の方はどうですか?」「……………」「何か思い出したのか?!?!」親友が目を見開いて聞いた「なんもわかんねーや」「そうですかゆっくり頑張っていきましょう、それじゃあまた後でまた状態見にくるのでお友達さんと話しててください」「ありがとうな先生」2人だけの空間だ。さすがにいつも見たいな感じにはならないどちらも辿々しい。無言が5分続いて親友が「ごめんな俺が巻き込んだこと原因だと思う。」「ん?あーいやいや気にしないでいいよ」「ライさお前事件にめちゃくちゃ関わってるだろ」突然の質問にライは飲んでいた水を吹き出してしまった「多分さお前が犯人の顔見てるから、真犯人がライの記憶を呼び起こすまえに殺そうとしてんだと俺は思うんよ」「……………」「ごめん、ただの俺の予想だから気にしないでくれ。」「おう、親友の予想だから気にしないわ」「なんだそれはははは」「はは」その話題はそれっきりで終わり、いつものように他愛もない話で盛り上がっていた「らいさぁぁぁああん」「落雷か?」「リハビリのじかんですよぉぉぉお」「ナースか」早くこのナースを捌ける法律を作ってくれ「んじゃあ俺帰るわ。リハビリ頑張れよ」「サンキューなきてくれてありがとうな」何かすごく辛そうな表情のままドアを開けて、出ていった親友はその時ぼそっと「あいつなんか辿々しすぎないか…」と言った、親友に続いてライもリハビリするために移動をしようとした「悪い!ナースさん俺おしっこ!後で追いかけるから」「はーい、てかライさんトイレ逆ですよ」…………

ライは病室に一旦戻っていた。「なんで記憶が戻っちゃうんだろうな、記憶なんてないままがよかった」

「それじゃ先生バイバイ、お待たせ親友」「もう大丈夫なのか退院して」「俺強いから大丈夫だよ」2人は顔を見合わせ笑い合った「こりゃラーメン奢ってもらうしかないだろ」「まだ食えねぇだろ」2人はさらに声を上げて笑い合った。「何もかも忘れられれば…」ライの小さい叫びが親友の笑い声にかき消されてしまっている。

次の日から親友はあからさまにライ避けられてる気がしていた。親友は会う約束をするためにラインをしてみた、しかし何も会うことを露骨に避けてるように感じる、もう怖くなってしまったんだなと、親友は責任を感じていた。

10月23日12:00この瞬間は天地がひっくり返っても勝てないほどの衝撃を親友は味わった速報ニュース「東京都の住宅で自殺の現場が発見されました。その中には暗殺未遂事件で使われていたナイフ発見」「「「「「は?」」」」」」なんで死んだんだ、なんでだ、暗殺の動機は顔を見られたからじゃないのか?顔を見られたやつを殺してから自殺ならライを暗殺する必要がないじゃないか。親友の理論は全てを更地に仕立て上げられた。意味がわからない。

10月23日12:03とりあえずライにラインしないと。俺が近くにいないと俺がどうにかしないと、あいつを守らないとそんな焦燥に駆られスマホをまた開いたすると速報が続けて入ってきた、死亡していたのは9986h社事件で行方不明になっていたh社所属の中村康隆氏、遺書には「俺の人生を滅茶苦茶にしやがって」と記されていたらしい。親友は思考を放棄した。

12:04「マジか」

12:05ライからのライン通知55件

12:06「らい落ち着け今から会いに行くから」俺は勘づいてしまった、あの日h社で行方不明になったのは俺ともう1人なはず、もう1人の生き残りは中村で確定、中村は、あの日帰ったら奥さんとケーキを食べるって言ってた絶対そんな奴が死ぬ覚悟で爆破なんてしない…………遺書もそうだし、中村が暗殺した動機はあの事件か、いいや今はとりあえずライを支えないと、何も考えるな

12:33「よー!」「お前大丈夫か」「驚いたよー何が何だか…」「俺も俺も!お前があの事件の犯人だとは思ってなかったよー」「え?」「え?」「あ」「あ、気づいた?」時を10だけ戻せないのか、何してもいい、どうにか10秒戻してくれそう願っているとライが口を開いた「俺暗殺された後記憶戻っちゃったんだよ」「…」「俺お前といれて本当に幸せなんだよ、マジで」「…」「どうやって勘づいたのかはわからないけど多分お前だけだよな」「なぁライお前自首してくれ頼む犯人は許せねぇけどよ…頼むよお前友達じゃねえのかよ言うこと聞いてくれよ」「俺に死ねって言うことか?どうせ死刑だろ、無理だよ死にたくないもん、あーあもし黙っている約束するならお前のこと生かしてたけど無理そうだなここでお前は死ねよ」ポケットからナイフを取り出し向けている「やめてくれよ」ライは聞く耳も持たずに振りかぶり突進してきた、咄嗟に腕を上げたことで右腕からあの事件以降感じたことない痛みを感じた「いてぇよ…やめてくれよ、友達だろ」ライは勢いを止めることなく向かってきたしかし中村に刺された横腹の傷が痛んだのか躓いたように横たわってしまった「うぅ」森田はナイフを急いで拾い持ちながらライに近づいた「お前大丈夫か」森田が細い声で問うと、ライは無理やり作った笑顔で顔を上げた。「なぁ話してくれお前が俺と笑い合ったのは本心じゃないのか?俺とお前はなんだ?ただの友達か?ただの親友か?俺は家族みたいなもんだと思ってきてるんだよ。頼むよお前の真実を聞かせてくれ、そしてライにはしっかりと警察に話してほしい、絶対に動機があるだろ、ちゃんと警察は理由を聞いてくれる、みんながお前の敵ではない、頼むよお前が大事なんだよお前を信用し続けたいんだよ」ライは赤子のように泣きじゃくりながら話を始めた「俺には友達がいた。なかなかすごいやつでな、h社と契約をとりに行ったんだよあいつその時にたまたまみてしまったんだよ、そしたらなあの会社の税金の報告を明らかにおかしんだよってことを俺に相談してきて、俺は話のネタとして喋ったら気がついたら大事になりかけてきてな、それに気づいたh社は俺の友達を跡形もなく抹殺してしまったんだ、あいつは正義心が強くて友達思いで、俺が泣いた時は味玉つけたラーメンを奢ってくれて、泣いてる子がいたら必ず助ける、そんな奴が…だからその友達のために爆破して、復讐をして海外に逃げてxに真相を乗っけて友達がやろうとしてたことを俺が代わりに遂行しようとしたんだよ、そんな友達を俺の友達を…俺友達を傷つけられて許せなくて…」親友は聞いた時少し心を痛めてしまった、あんなに恨んでいた犯人に少しだけ同情してしまっていた「そうだったんだな、許せなかったんだな…友達のためにも俺のためにも自首をしよう、ライ頼む」といいながら森田はライに立ち上がり手を差し伸べた。

グサ!!!!「うっ」うめき声と共に血を大量に吐き散らし床に倒れたまるで赤い薔薇のように綺麗な血だった「俺はライじゃない、浜口亮平だ」目を真っ赤にしてそういいながら立ち上がった「お前友達のためにやってだんだろう…俺は友達じゃないのかよ」そういいながら呼吸がだんだんと浅くしていき息を引き取った。「お前は友達じゃないだろ?森田だろ?」と浜口も呼吸を荒くしながらいった、浜口も横腹の傷で意識が朦朧としているようだ、

1999年10月22日12:44浜口が目を覚ました……私の名前はなんだっけ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

9986h社爆破テロ事件 ひびき @M1mi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ