人生の最期を迎えた老人が、死後の世界でかつての思い出や大切な存在と再会し、穏やかに旅立っていく姿を描いたとっても素敵な幻想譚的掌編です。
金の塔や天女、虹といった象徴的なモチーフが、死を恐れではなく癒しと回帰の場として表現されているように私には感じられました。
と言うのも文鳥「シロ」と天女の重なりが、喪失した命が形を変えて寄り添うというテーマを象徴し、老人の人生の充足感と感謝を強く伝えているからです。
最後の時計の描写は、記憶と想いが家族に受け継がれていくことを静かに示していて、非常に象徴的であり、かつ感動的です。
感想を一言で言うと、鳥さんと暮らしたくなっちゃうなぁ、です。