ある種では浄土真宗の教えのような

浄土真宗の教えでは、あの世とは至上の極楽であると言います。
「極楽浄土」なんていう言葉もあるくらいですからね。
つまり、相対的にこの世とは、苦しみに満ちた辛い場所であるとも言えます。
そのような苦しみに満ちた現世を生きるのは耐えがたいこと、早く極楽浄土に連れて行ってやろう……。
成程、それはとても「優しい」し「慈悲深い」と言えそうです。
いや、やめてほしいんですけどね。

全国各地には様々な奇祭があり、トンデモ風習ばかりが取り沙汰されていることが多いですが、本作の奇祭はどちらかというとおとなしめ、やや地味と言ってもよいでしょう。
ですがそれがより「ありそう」というリアリティを感じさせ、また理屈付けも実に良く通っているので伝承の説得力が増してきます。
前述の仏教的な教えにも沿っているので尚更ですね。

奇妙な風習には必ず訳がある。
その理由、是非ともご自身の目でお確かめください。