言い出せない恋心は、ほろ苦いビターの味に包まれていた虹色だった……。

 衝撃的なプロローグは、マンションの屋上から今にも飛び降りようとする主人公の視点から始まる。

 舞台は男女共学のバスケ部の恋愛模様。

 先輩である悠を巡る後輩女子達の由衣と未華のやり取りがなんとも痛ましい。独占欲による嫉妬。自慢。裏切り。陰謀。未華の嫉妬によって自殺まで追い込まれてしまう由衣。

 三人の視点がこの作品の 只ならぬ展開にハラハラドキドキしてしまいます。

 他人が信用できなくなり他校へ転校してしまうが、大好きなバスケを復活する事で、自らを取り戻していく由衣。

 かつてのバスケ仲間であり自らを貶めた相手の未華との県大会での対戦によって、未華の謝罪を受ける由衣。

 高校生の恋愛事情は爽やかさだけではなく、誰にも言えないほろ苦さも描かれています。
 お互いを思いやって会えない日々の中、つのる思いは苦しい。しかし勇気を出して大学へ会いに行くシーンは切なくて愛らしい。
 苦しくて悲しい事も有ったが、それを乗り来えるのも恋愛です。

 青春の一ページとしてはビターテイストですが、彼等の今後を祝福したい作品でした。

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