第2話:最後の希望<サイゴ・ノ・キボウ>

ネオ・クロノスから放たれた希望の光は、終焉の王の攻撃を退け、宇宙の果てへと向かっていく。光は、次元を超え、すべての宇宙に存在する、希望の種を揺り起こそうとしていた。

『……あり得ない……。なぜ、私を退けることができた……』

終焉の王は、ネオ・クロノスから放たれた光に、戸惑いを隠せないでいた。彼の存在は、すべての絶望を糧とし、すべての希望を否定するものだった。しかし、ネオ・クロノスの光は、彼の存在を根底から揺るがしていた。

「僕たちの光は、カイトさんとリナさんだけじゃない! 僕たちが救ってきた、すべての絶望を乗り越えた人たちの希望だ!」

ユウキが叫ぶと、ヒカリもそれに続いた。

「この光は、私たち自身の物語! あなたには、これを消すことなんてできない!」

その時、ネオ・クロノスから放たれた光は、宇宙のどこかに眠っていた、二つの光を呼び覚ました。一つは、青く輝く希望の光。もう一つは、赤く燃え盛る情熱の光。

青い光の物語

遠い未来の宇宙。そこには、すべての文明が、時間を停止させることで、永遠の平和を享受する世界があった。人々は、時の管理者「クロノ・イデア」によって、悲劇のない永遠の時を生きることを許されていた。しかし、その平和は、希望のない、ただ時間が流れるだけの虚無だった。

その時、ネオ・クロノスから放たれた光が、クロノ・イデアを包み込んだ。

『……これは……希望……?』

クロノ・イデアは、ユウキとヒカリの物語に触れ、彼女が犯した過ち、そして永遠の虚無に閉じ込めていた人々の本当の願いを知った。

「私の……間違いだったのか……」

クロノ・イデアは、後悔の念に駆られ、自らを犠牲にして、時間を再び動かそうとした。その時、彼女の心に、ある声が響いてきた。

『未来を創ることは、諦めないことだ……。君の絶望を、希望に変えてくれ……』

その声は、かつて彼女を救った、カイトとリナの声だった。クロノ・イデアは、自らの意思で、ネオ・クロノスが放つ光に、希望のエネルギーを送り込んだ。

赤い光の物語

別の次元の宇宙。そこは、すべての存在が、互いの歴史を食らい合い、絶望の輪廻を繰り返す、混沌とした世界だった。そこでは、最強のエグゾフレーム「クロノ・ゼロ」が、すべての敵を打ち倒し、宇宙に秩序をもたらそうとしていた。しかし、彼の心には、決して消えることのない、孤独と絶望が渦巻いていた。

その時、ネオ・クロノスから放たれた光が、クロノ・ゼロを包み込んだ。

『……なんだ、この光は……!』

彼は、ユウキとヒカリの、そしてカイトとリナの物語に触れ、自分の孤独な戦いが、決して無駄ではなかったことを知った。

『私は……独りじゃなかったのか……』

クロノ・ゼロは、ネオ・クロノスの光に、自らの情熱と、未来を信じる心を乗せ、最後の力を託した。

二つの光は、ネオ・クロノスへと収束していく。ユウキとヒカリは、その光が、かつて彼らが救った「時の監視者」と「エネルギー生命体」、そして無数の絶望を乗り越えた者たちの希望が、具現化したものであることを知った。

「これが……僕たちの最後の希望……!」

ネオ・クロノスは、すべての希望を一つにし、終焉の王に立ち向かう。

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