第12話:時の迷宮<トキ・ノ・メイキュウ>

ユウキとヒカリは、ネオ・クロノスを駆り、次の宇宙へと旅立った。彼らが足を踏み入れたのは、無数の時間の流れが複雑に絡み合い、まるで巨大な迷路のように見える奇妙な宇宙だった。過去も未来も、無数の可能性が同時に存在している混沌とした場所だった。

「ユウキ! ここは……時間軸がめちゃくちゃよ! どのルートを選べばいいか分からないわ!」

ヒカリが焦りを滲ませる。ネオ・クロノスのモニターには、無数の時間の流れが光の帯となって映し出されていた。そのどれもが、異なる未来へと繋がっていた。

その時、彼らの機体に、無数の声が響き渡ってきた。

『……助けて……』

『……どこにいるの……?』

『……私たちの未来を、返して……』

それは、この宇宙に囚われた、無数の生命たちの声だった。彼らは、時間の迷宮に迷い込み、自分たちの未来を見失っていた。

「ヒカリ! みんなを助けなきゃ!」

ユウキが叫ぶと、ヒカリは一つの答えを導き出した。

「わかったわ、ユウキ! この迷宮を、私たちが持っている力で、一つの道に統合する! すべての時間を、一つの希望へと導くのよ!」

ユウキは、ヒカリの言葉に、ネオ・クロノスのシステムを、時間軸を統合するモードへと切り替えた。それは、かつてカイトが「時の番人」との戦いで得た力に、新たなクリスタルの力を加えた、まったく新しい能力だった。

「ネオ・クロノス、システム・タイム・ユニフィケーション、起動!」

ユウキの叫びと共に、ネオ・クロノスから放たれる光が、迷宮のように絡み合った時間軸を、一つに統合していく。光が通った後には、一本の確かな道ができ、それに沿って、無数の声が、希望に満ちたものへと変わっていく。

しかし、その時、迷宮の奥から、巨大な光の影が姿を現した。その影は、彼らが統合した時間軸を、再び無数の道に引き裂こうとした。

『……許さない……。私の研究を、邪魔する者は……!』

声の主は、かつてネオ・クロノスを開発する際に、ユウキとヒカリの論文を盗もうとした、ソウマ・リュウの声に似ていた。彼は、時間を操る力を求め、この迷宮に迷い込んだのだ。

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