エグゾフレーム・クロノス

第6話：時の監視者＜トキ・ノ・カンシシャ＞

ネオ・クロノスと新たなタイム・ファクターを要求する「時の監視者」は、無数のドローンを伴ってユウキとヒカリの前に立ちはだかった。そのドローンは、かつてカイトたちが戦った「時の番人」の機体と酷似していたが、より洗練され、攻撃的なエネルギーを放っていた。

『警告。交渉の余地はない。君たちの行動は、宇宙の秩序を乱す。直ちに、すべての力を我々に引き渡せ』

無機質な声が響く。ユウキは、ネオ・クロノスのコックピットの中で、クリスタルから放たれる温かい光を強く握りしめた。

「俺たちの力が、なぜ秩序を乱すんだ！　俺たちは、絶望を希望に変えただけだ！」

ユウキが叫ぶが、時の監視者は聞く耳を持たない。ドローンの一群が一斉にネオ・クロノスに向けて攻撃を仕掛けてきた。

「ユウキ！　ドローンの動きが、完全に私たちを読んでいるわ！　ネオ・クロノスの性能をすべて計算に入れている！」

ヒカリが焦った声で警告する。時の監視者は、ネオ・クロノスの全データをすでに把握しており、ユウキの動きを完璧に予測していた。

ユウキは、ドローンたちの精密な攻撃に翻弄され、防戦一方となる。彼がレーザーライフルを撃っても、ドローンたちはわずかな時間差で動き、すべての攻撃をかわしていく。

「くっ……！　このままじゃ……！」

絶体絶命のピンチに陥ったその時、ユウキは、クリスタルから放たれる光が、ネオ・クロノスのシステムに、これまでなかった情報を送り込んでいることに気づいた。それは、かつてのエネルギー生命体の、滅びの歴史を乗り越え、未来を創造した「意志」だった。

「ヒカリ！　彼らの意志を、ネオ・クロノスにシンクロさせる！」

ユウキは、クリスタルから得た新たな力を、ヒカリに伝える。ヒカリは、ユウキの意図を瞬時に理解し、アストロ・ハブからネオ・クロノスのシステムに、その意志を反映させるためのコマンドを送信した。

「ネオ・クロノス、システム・フューチャー・シンクロ、起動！」

ユウキの叫びと共に、ネオ・クロノスから放たれる光は、無数の色を放ち、ドローンたちのアルゴリズムを混乱させていく。ドローンたちは、ユウキの予測不能な動きに戸惑い、連携が崩れていった。

「よし！　いけるぞ！」

ユウキは、ネオ・クロノスを駆り、崩れた連携を突破して、ドローンたちを次々と撃墜していく。彼は、もはや自分の力だけではない。滅びの運命を乗り越えた、エネルギー生命体の意志と共に戦っていた。

その時、ドローンの群れの中から、巨大な漆黒のエグゾフレームが姿を現した。それは、カイトがかつて乗っていたクロノスと瓜二つだが、禍々しいオーラを放っていた。

『……愚かな存在。君たちの歴史は、ここで終わる』

その声は、かつてカイトが戦った「マスター・ユニット」に似ていた。しかし、その機体の目には、赤く不気味な光が宿っていた。