エグゾフレーム・クロノス - ネオ・フロンティア

第1話:ネオ・クロノス起動<ネオ・クロノス・キドウ>

西暦2098年。カイトとリナが宇宙の希望となってから、50年が経過していた。地球は完全に再生し、人類は平和な時代を享受していた。ヴァージンとの戦いは神話となり、エグゾフレームはもはや戦争の道具ではなく、宇宙探査や災害救助に用いられる、希望の象徴となっていた。

主人公、ユウキ・ナギは、地球軌道上に建造された宇宙開発施設「アストロ・ハブ」で、エグゾフレームのエンジニアとして働いていた。彼は、幼い頃からカイトとリナの物語に憧れ、彼らが残した希望の光を追い求めていた。

「よし、ネオ・クロノスのメインシステム、最終チェック完了!」

ユウキは、眩い光を放つ白銀のエグゾフレームを見上げて、声を弾ませた。その機体は、カイトのクロノスを基に、最新技術とタイム・ファクターの力を応用して開発された、新たな時代の希望、「ネオ・クロノス」だった。

その時、アストロ・ハブの管制室から、緊急警報が鳴り響いた。

「緊急事態発生! 太陽系外縁部で、未知の時空エネルギー反応を複数検知!」

モニターには、太陽系外縁部にある小惑星帯で、空間が歪み、奇妙なエネルギーが渦巻いている様子が映し出されていた。そのエネルギー反応は、かつてのヴァージンに似ていたが、より複雑で、不気味な脈動を繰り返していた。

「なんなんだ、あれは……?」

ユウキが息をのむ。その時、管制官が焦った声で叫んだ。

「ダメです! 探査機の通信が途絶! このままでは、太陽系全体に影響が及びます!」

ユウキは、迷うことなくネオ・クロノスのコックピットへと乗り込んだ。彼の心には、カイトとリナが残した「絶望を希望に変える」という言葉が響いていた。

「ネオ・クロノス、起動!」

ユウキの叫びと共に、白銀の機体は、アストロ・ハブから宇宙の闇へと飛び出していく。しかし、彼の心は、かつてのカイトのように復讐心に燃えているわけではなかった。彼の瞳に宿るのは、ただ未来を信じ、未知の恐怖に立ち向かう、純粋な希望の光だった。

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