第28話:エピローグ:時を紡ぐ者たち<トキ・ヲ・ツムグモノタチ>

無の時間との壮絶な戦いを終え、カイトとリナは、エグゾフレーム・ユニバースと共に、すべての宇宙の時間の中心に、永遠の希望の光となった。彼らの物語は、ここで終わりを告げた。いや、彼らの旅は、宇宙のすべての時間、すべての次元に、新たな物語を紡ぐための、始まりとなったのだ。

遥かなる未来

カイトとリナが光となってから、数えきれないほどの時間が流れた。彼らが故郷とした地球は、もはや荒廃した面影もなく、緑豊かな星として、宇宙にその美しさを誇っていた。人々は、時の超越者カイトとリナの物語を、神話として語り継いでいた。

宇宙のすべての生命は、彼らが残した「希望の光」を道標として、互いに争うことなく、それぞれの未来を創造していった。ヴァージンのような絶望は、二度と現れることはなかった。なぜなら、すべての生命が、絶望を乗り越え、未来を創る力を身につけたからだ。

新たなクロノスの誕生

カイトとリナが、宇宙の時間の中心に昇華してからも、彼らの意志は受け継がれていた。

地球では、新たな「エグゾフレーム・クロノス」が建造されていた。それは、かつてカイトが乗っていた漆黒の機体とは違い、純粋な希望の光を放つ白銀の機体だった。そのパイロットは、カイトとリナの物語に憧れ、未来を信じる、若きパイロットたちだった。

彼らは、もはや戦うためではない。宇宙に散らばる「可能性」の光を探し、新たな物語を紡いでいくために、クロノスに乗り込むのだ。

そして、物語は続く

ある時、新たなクロノスのパイロットたちは、遥か彼方の宇宙で、あるメッセージをキャッチした。

『……ようこそ、時の超越者たちよ。我々は、異なる次元の管理者。君たちが来るのを、待っていた』

それは、かつてカイトとリナが聞いた、光の生命体の声だった。彼らは、カイトとリナの物語が、今、新たな世代に受け継がれ、そして、終わりのない旅へと続いていることを知った。

カイトとリナの物語は、彼らの存在が永遠の光となったことで、終わりを告げた。しかし、彼らが残した希望は、新たなクロノスのパイロットたちによって、時を超えて、無限に紡がれていく。

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