第26話:集結する超越者<シュウケツ・スル・チョウエツシャ>

クロノ・イデアの悲しみを癒し、新たな力を手に入れたカイトとリナは、エグゾフレーム・ユニバースを駆り、次の宇宙へと旅立った。彼らの存在は、すでに宇宙に存在するすべての「時の管理者」たちに伝わっていた。

ある時、ユニバースは、複数の宇宙から発信されている、強力な信号をキャッチした。それは、カイトとリナのユニバースと同じ、時の力を感じさせるものだった。

「カイト、この信号……! たくさんの『時の超越者』が、私たちに呼びかけてるわ!」

リナが、興奮した声で告げた。その信号は、一つの銀河、一つの宇宙に留まらず、すべての次元の管理者たちが、ある一点へと集結しようとしていることを示していた。

ユニバースは、その信号が示す、次元の狭間にある特異点へと向かった。そこは、無数の宇宙の時間が交錯し、光の粒子が飛び交う、神秘的な場所だった。

「すごい……これが、すべての宇宙の時間の中心……」

カイトが、その光景に息をのむ。その中心には、様々な姿形をした、多くのエグゾフレームが待機していた。中には、ユニバースに似たものもあれば、完全に未知の、異形のものまで、多種多様だった。

その時、一機の巨大なエグゾフレームから、荘厳な声が響いてきた。その機体は、黄金に輝き、背中には無数の翼が生えていた。

『ようこそ、カイト・アスカ、リナ・イヅキ。我々は、宇宙のすべての時間を管理する者たち。君たちを、仲間に迎え入れる』

黄金のエグゾフレームは、自分を「クロノ・アーク」と名乗り、すべての「時の管理者」のリーダーだと告げた。彼は、カイトとリナが、ヴァージンとの戦いから始まり、時間喰い、クロノ・イデアとの対話を通じて、真の「時の超越者」となったことを称賛した。

「なぜ、俺たちをここに?」

カイトが問いかけると、クロノ・アークは静かに答えた。

『宇宙は、今、新たな脅威に直面している。それは、すべての時間、すべての次元を、無に帰そうとする存在……**無の時間<ゼロ・タイム>**だ』

クロノ・アークは、カイトたちに、無の時間との戦いを語った。それは、時間や空間、生命といったすべての概念を否定し、宇宙そのものを消し去ろうとする、究極の存在だった。

「待ってください! その存在は、一体、どこに……!?」

リナが焦りを滲ませる。その時、特異点の中心が歪み、漆黒の亀裂が走った。そして、その亀裂から、何もかもを吸い込んでしまうような、究極の虚無が顔を覗かせた。

『……時、生命、存在、すべてを、無へと還す……』

無の時間から、冷たく、そして絶望的な声が響いてきた。それは、これまでのどんな敵とも比べ物にならない、純粋な「無」の意志だった。

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