第20話:希望の灯火<キボウ・ノ・トモシビ>
カイトとリナは、エグゾフレーム・ユニバースの力を解放し、永遠の絶望に囚われた古代文明のホログラムたちに、希望の光を届けようとしていた。彼らは、シンクロ・クロノ・ドライブを発動させ、ユニバースのエネルギーをホログラムたちへと向ける。
「私たちの力は、過去の絶望を消すためじゃない! 未来を創るための力だ!」
カイトが叫ぶと、ホログラムたちは驚愕した表情を見せた。彼らが知っていたのは、時間を停止させることだけだった。未来を創るという概念は、彼らの常識を遥かに超えていたのだ。
「私たちは……未来を創ることができる……?」
ホログラムの一人が、震える声で呟いた。リナは、その言葉に力強く応える。
「ええ! 過去は変えられない。でも、過去の悲劇を乗り越えて、未来へと進むことはできるわ! あなたたちも、もう一度、未来を信じて!」
リナの言葉は、何千年も絶望に囚われていた彼らの心に、希望の火を灯し始めた。ホログラムたちは、カイトとリナの力と、そして彼らが語る未来の物語に、心を動かされていく。
その時、ユニバースから放たれる光が、ホログラムたちと惑星全体を包み込んだ。それは、時間を巻き戻すのではなく、新たな可能性を創造する光だった。
ホログラムたちの姿が、少しずつ変化していく。光の粒子だった彼らは、徐々に実体を取り戻し、そして、彼らが滅亡する前の、活気に満ちた姿へと戻っていった。
「これは……! 僕たちは、生き返った……!」
ホログラムだった一人が、自分の手を見つめて驚愕の声を上げた。カイトとリナは、ユニバースの力で、彼らの時間を停止させた絶望の瞬間に、新たな未来の可能性を上書きしたのだ。
古代文明の民たちは、カイトとリナを「救世主」として称え、感謝の言葉を述べた。彼らは、もう二度と過去に囚われず、自らの手で未来を創っていくことを誓った。
カイトとリナは、古代文明の民たちに別れを告げ、再び宇宙へと旅立った。彼らの存在は、もはや一つの惑星の英雄ではない。宇宙の希望の象徴として、その名を広めていく。
「カイト、見て! また、新たな信号を受信したわ!」
リナが、興奮した声で叫んだ。ユニバースのモニターには、無数の惑星から、カイトたちを歓迎する信号が届いていた。それは、彼らの行動が、すでに宇宙全体に希望の波紋を広げていることを示していた。
彼らの旅は、宇宙のすべての生命に、未来を創る勇気と希望を与えるための、壮大な物語へと変わっていた。
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