第6話 勉強会の集まり

 日曜日の午後一時に鹿島君の家にて勉強会はスタートを開始した。

 僕、次郎、遠藤君、鹿島君、金村大地君の男子五人と、次郎の幼馴染の西村結花さん、その友達の高野佳苗さんの七人だった。

 早速勉強会を始めたいところだったのだが、それ以上に僕は初めて行く鹿島君の家に驚きを隠せなかった。

 この都市部に近い場所に三階建ての一軒家。4LDKである。中を通してもらうとリビングが広く、それを鹿島君一人で生活をしている。整理整頓が行き届いていて、部屋が汚い僕の部屋とは大違いだった。

「智、お前こんないいところを一人で住んでんのかよ」

 と、次郎も目を見開いて驚愕していた。

「まあ、今だけな。でも、もう一年以上ほとんど一人で暮らしてるけどな」

「お父さんお母さんは忙しいんだね」

 と、西村さんは鹿島君に聞く。

「まあ、そうだな。両方とも仕事の都合上、単身赴任だからな」

「どうりで豪邸に住めるわけだ」

 と、次郎。

「いやいや、豪邸ってほどでもないよ。まあ、広いからさ。適当に座ってくれ」

 鹿島君はそう言いながら、六人の来客者に対して飲み物やお菓子の提供をする。それを手伝う様に西村さんと高野さんは一旦席についていたのだが、また立ち上がり手伝いに行く。

「しかし、智一人で住むなんて、ゲームの主人公みたいだよな。ほら高校生男子が大体一人で住んでいる光景って……」

 頭を丸めている金村君は食卓で囲む四角形の黒い大きな机を前にして席に着く。隣には次郎が座った。

「こんな場所に一人で住めるなんて夢みたいだよな。いくらでもヤれるじゃねえか」

 と、次郎は続けざまに金村君の横に座ってニヤニヤしていた。

「おいおい、女子も来てるんだぞ」

 と、遠藤君もその隣に座る。僕も横に座った。

 カーテンも閉めていない大きな窓からは、隣の家が見える。どうやら隣は老人が住んでいるようで、大きな背もたれが付いている椅子に座り、テレビを観ているのか、時々口を開けて笑っているようだ。

 次郎たち三人が雑談をしている中、僕は一人カバンを開けて教科書とノートを取り出していると、鹿島君たち三人がやって来た。

「早速、やりますか」

 鹿島君がそう言うと、みんな話を止めて勉強会が始まった。

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