11・包囲の日
吉川区の襲撃から半年程経った。
私は今も、武人兄ちゃんの夢を見ている。
私は兄ちゃんの味方をしていて。
続々現れた[宇宙犯罪者]達を倒していった。
紆余曲折はあれど、地球を守ってこれた。
なのに、武人兄ちゃんの心が晴れていない、と感じ取れていた。
気のせいと思えない程に。
やっぱりクーランという、武人兄ちゃんの故郷のおじさんを倒さない限りは、兄ちゃんに平穏が訪れないんだろう。
ビウスの手足を失わせた相手、詳細は掴めなかった。
だけど皆、発射源と思われる宇宙の外から、1つの可能性は生まれていた。
クーランが絡んでいる可能性があると。
武人兄ちゃんの身体を改造し、兄ちゃんの想い人を奪ったような、クーランという男。
私は宇宙に行った事もないから、クーランに実際、出会った事もない。
でも夢の中では。
彼が悪の微笑みをしていた人物で、何度も鉢合わせた記憶は存在している。
直感的に危険を察知して、目が覚めた経験も。
☆☆☆
ビウス戦後の[ラストコア]臨時支部のスケジュールはぎっしり詰め込まれていた。
トンケ戦後から土星圏の有志達との、技術面での調整は進んでいた。
ビウス戦の状況下で一時進行不可になっていた土星圏の宇宙船も、次々と降下を開始していった。
ビウス戦を経て追加された内容もあった。
ビウスの残存兵の扱い。ビウスの言葉を信じたのか、意外にも残存兵は素直に指示に従っていた。
彼らはクーラン討伐への前衛に立つ部隊としての役割を務める事を約束した。
3兄妹・王子達・武人・アレックスのAIの他に、[ラストコア]に戦力が加わった。
実は予定された戦力がもう1つあった。
「ジェームズ。君の選んだ志願兵達が来るようだが……人数はどうだ?」
[ラストコア]総司令官の宗太郎と、事務局長のジェームズ。
2人は世界各国の外交官との交渉の指揮を取っていた。
本来、直接訪問が不可欠の交渉だが、宇宙進出まで猶予がない彼らは、大規模な通信回線での交渉に踏み切った。
事務局のオペレーター達が、200近くの国々の交渉に追われている。
事務局はこれまでも、世界各国の人々に請願と謝罪の対応を繰り返していた。
まさに、[ラストコア]の真の裏方部隊とも言われている。
宗太郎の問いに対し、ジェームズはオペレーター達の苦戦している姿を見ながら返した。
「ざっと、10人強だな……」
「ビウス隊よりもかなり少ないな」
「正規軍の規制がガチガチに固定されていたんだ。彼女に裏道を辿ってもらうように依頼したがな」
「彼女は……作家だったか」
「まだ収穫のいい方さ。機体は余るかもしれんが」
ジェームズはオペレーターの挙手を発見した。
挙手はトラブルの合図。ジェームズは小走りで該当オペレーターの側に駆けつけた。
宗太郎のみ作業風景を見守る形になった。
(土星圏の有志達とビウス隊の残存兵の協力で、戦力はかなり増強されてきたが……クーランの戦力が、今の今まで把握しきれていない)
宗太郎は額に手を当てていた。
(偵察用の衛星は幾度も飛ばしている。解析作業も万全の筈だが、いつも発生時のみしか情報が掴めない。タレスの位置も、黒川の言った研究所も特定はしているが……)
「すまん宗太郎」
宗太郎は顔を上げた。ジェームズが手招きの動作をしていた。
宗太郎もすぐに近く へ向かった。
宗太郎の今の役割は、ジェームズでも対応できない最悪の事態への処置であった。
どうした、と尋ねる宗太郎。
ジェームズはオペレーターのPCを指差した。
1人の外交官がカメラに向けて怒りをぶつける姿があった。
オペレーターは女性で、怒り狂う男性に怯えていた。泣き喚くまで酷くないが。
「私が最高責任者の西条です。いかがなさいましたか?」
『君達は! あれだけの損害を撒き散らして、まだ我々に我慢の要求か!』
宗太郎が名前を名乗ってすぐ、外交官は文句を述べた。
宗太郎は頭を下げて謝罪した。
「申し訳ございません。もう襲撃事件を起こさぬよう防止に努めますので……」
『その文言は聞き飽きた! こっちは島国でいつ沈むかわからんのだぞ! ただでさえ温暖化で海水の水位があがっているのに……』
他にも幾つか外交官はキツい口調で不満点を言った。
宗太郎もジェームズも、相槌を打つだけで何も言い返さなかったが。
「もうすぐ決着つきます、あと少しの辛抱を」
『全く、10年前の襲撃事件の張本人が対策本部の要など……我ら地球人の尊厳を知らん奴が』
宗太郎とジェームズの両目が大きく開かれた。
外交官の述べた『張本人』はラルク、即ち武人を指している。
2人はこの事実を設立当初から知っている。
しかし同時にそれは機密情報として扱われていた。
黒川武人の正体について、[ラストコア]外に許可なく流してはいけないのだ。
「黒川は斯様な愚男ではありませんが……誰から聞いたのです?」
『元正規軍の中年からだ。彼はかなりストレスを抱えていたみたいだぞ?』
「訓練兵から情報を巻き上げたと考えると、漏れた可能性はありますな」
ジェームズは冷静に原因を推測した。
装っただけで、内心は宗太郎同様焦っていた。
『とにかく! 今回できっちり終わらせろ! 次避難しろと言ったなら、連合に抗議するぞ!』
回線は外交官の手により、強制的に打ち切られた。
不都合な事由を押し付ける人間に礼儀は不要と判断したからだろう。
宗太郎もジェームズも、外交官に対して怒りを覚えることはなかった。
「相互理解は、難しいな」
宗太郎は小さく呟いた。
ジェームズの耳に届き、彼の肩に手を置いた。
「いずれはバレる時が来るし、国の偉いさんには知った方がいい情報だろうしな。《宇宙進出》が一般的になれば尚更」
宗太郎はジェームズの手に視線を下ろした。
「君の言う作家や志願兵達がこぼしたとかは?」
「志願兵達は知らん。作家は知っているが、俺が口止めしたら彼女は口を開かないさ。約束を守る女だからな」
そうか、と言って宗太郎は手から視線をずらした。
PC画面はアドレス一覧が表示されていた。
「処理するか?」
「今は進出を急がせる。しばらくは、他の[宇宙犯罪者]の動きはないようだ。あれだけの人数を倒せば躊躇するだろう」
宗太郎とジェームズは、PCの近くから離れて行った。
オペレーターは迅速に、他の国の外交官との連絡を開始した。
交渉手続は、まだ時間がかかる。
☆☆☆
ビウス戦後、私達にゆっくりできる時間はなかった。
流石にビウス戦後すぐは、入浴や睡眠を取らせてもらった。
けどその時間を延ばす事は許されなかった。
起床後、武人兄ちゃんの指示に従って、私達3兄妹は特別講座を受講していた。
内容は《宇宙進出》への基礎知識であった。
特別講座の受講は私達3兄妹以外にも、複数のスタッフの人達が参加していた。
[ラストコア]が設立されて10年ちょっと。
数年しか在籍していないスタッフさん達は、宇宙についてあまり知らないみたいで。
これから厳しい戦が控えてるのに、なんだか学校の穏やかな授業を受けているようだった。
本当に気を引き締めて、真剣に学ばなきゃいけないけど。
個人の復習用に製作してもらった冊子の資料で、もう一度勉強しようと決めた。
実戦で体験するとわかりやすいと土星圏の人が言ったけど、ある程度の知識は定着しておく。振り返りで感覚も身につくから。
講座は短期間で一旦終了した。
統制制御室にて、臨時ミーティングがあった。
私達3兄妹をはじめ、武人兄ちゃんや[ラストコア]の人達、王子達土星圏の人々にビウスの残存兵。
ジェームズさんの後ろに、初対面の若いお兄さんやお姉さん達がいるのも確認できた。
全員が参加するミーティング。当然、室内はほぼ満杯だった。
幾らかの人々は、モニター画面越しでミーティングに参加しているから、寿司詰め状態にはならなかった。
「《宇宙進出》の事前準備に忙しい最中、臨時で集まっていただいて申し訳ない」
集団の真ん中に立った西条司令が頭を下げた。
司令も激務に追われているのを皆知ってるので、何も言わなかった。
「《宇宙進出》……行き先は火星圏タレスに決定している。土星圏の離れた商人、ビウスの残存兵から敵の本拠地を特定した。開始時期は1週間後に設定する。3日前には準備完了しておくように」
はい! と司令の周りから大きな返事が聞こえた。もちろん、私達も一緒に返事をした。
「次に紹介に移ろう。新しい仲間達だ。ジ ェームズ、前に出てくれるか?」
「わかった」
ジェームズさんが前に出て歩くと、後ろから若い人達もついてきた。
キリッとしてるまではいかないけど、若い人達の歩く姿勢は綺麗だと感じた。
整列の時も同じで、隙間の間隔も均等に見えた。
若い人達の先頭に、ジェームズさんが立った。
「諸事情が重なり、遅れてしまった事をお詫びする。正規軍から何名か、兵士を引っ張ってきた」
すぐにスタッフ達がざわついた。
私達3兄妹は意味がわからなかった。
側で武人兄ちゃんが言ったのだ。
「君達が来る前に色々あってやな……」
静かに、と西条司令が小さな混乱を抑えた。
「君達の意見はわかる。だが今回の兵士達は自らの志願でここに立っているんだ。今までの訓練兵は、忘れてほしい。代表者に交代する。皆、聞いてあげてくれ」
ジェームズさんは横へずれていき、中心から後退した。
若い女性が中心に立った。
敬礼! と女性の号令で、若い人達全員が私達に構えを取っていた。
中心に立つ女性の挨拶が始まった。
「私達はフェリー少佐のおっしゃる通り、自らの意志でここに参りました。今まで参戦が不可能な状態が続いたのは、正規軍の統制に問題点があったからです」
「それ、言っていいのか……?」
勇希兄ちゃんが首を傾げた。
気持ちはわかる。女性の今の発言は、正規軍? の秘密をバラしている行為と同一だから。
「大丈夫や。臨時支部も海底で、ここは日本やない。正規軍は嗅ぎつけれる程能力ないし」
「その通りです黒川隊長」
「認めてどうすんだよ!」
またスゴい人達に会ったなあ……。
「正規軍は[ラストコア]について、悪い風潮のみ拡散していました。極悪人を寄せ集めた、活動内容が不明な集団と」
またざわついた。スタッフ達の厳つい表情を見れば、理由は一目瞭然。
正規軍の人達が自分達を馬鹿にしているらしいから。
悪口を浴びせられた側なら悲しくなるのは当然だ。
「ですが私達は少佐の知人が執筆なさった小説を拝読し、考えを改めました。一生懸命、地球の未来を見据えている素晴らしい組織だったと。私達は共感した者同士、少佐と知人を伝い、参りました。今までの無礼と参戦への遅延につきまして、代表でお詫び申し上げます」
若い人達が一斉に謝った。
スタッフさん達の表情の険しさは和らいだけど、うーんと困惑している人がちらほらいた。
「全責任は俺が取る。戦闘における指揮も、元正規軍の奴に事前に話を つけている。クーラン戦は宇宙を戦場に選ぶ程、過酷な戦になる。人員の補充としても確保したい。今は彼らを信じてやってくれ」
ジェームズさんはかなり念を押していた。
実質No.2の存在でもある事務局長にここまで言われたら、スタッフさん達も黙らざるを得なかった。
暗めの空気を変える為か、西条司令が話題を切り替えた。
「そこで。彼らや土星圏の人達と残存兵を交えて、進出の3日前にパーティーを開催する」
ミーティングってこんなに騒がしいのかな……って疑う程、今回は皆のどよめきが凄かった。
「大丈夫ですか? 愛嬌市では禁止令が……」
「[宇宙犯罪者]の再来があれば規則を科すが、現時点では発見されていないのでな」
「前夜祭と思って、気分転換といったらええやん。ただ、お酒はお預けやで?」
どよめきは一瞬で収まった。
宇宙進出という重大なお仕事が控えているんだし、妥当な約束だけど。
「参加の是非は本日から受け付ける。私やジェームズの所に来るように。難しい場合は誰かに言伝してもらうように頼んでくれ。以上で解散する。間に合うよう、持ち場に戻って作業を続けてくれ」
☆☆☆
《宇宙進出》まであと3日。
襲撃の警報はなく、順調に準備が進んでいった。
数日間の短期間で、8割の調整が完了していた。
技術提供によるロボやAIの強化や、宇宙船の到着まで。
お陰で西条司令もジェームズさんもアレックスさんも、皆疲労が溜まっていた。養生していた人もいた。
私達3兄妹は身体が鈍らないよう、軽い訓練を受けていた。
と言っても、叱責の声は幾つかあった。
ビウスの残存兵や土星圏の兵士達、正規軍の志願兵も交えての訓練だから、余計に。
身体を動かしたのでお腹も空くし、ヘトヘトだった。
初日よりは大分身体は持ち堪えてきたから、成長したかなあ。
パーティー当日の訓練が終わり、いよいよパーティー会場へ出発する事になった。
窓を黒塗りにした、外の見えないバスは臨時支部でも健在だった。
人数が増えた為か、バスの台数も増えていた。
10台ぐらいはあったかもしれない。
リュート王子達は、土星圏同士で固まってバスに乗った。
だから私達とは別々のバスに乗った。
代わりに、ジェームズさんが連れてきた志願兵の皆さんと一緒に乗った。
外は見えず、点灯しないと暗いバスの中。
でも雰囲気が明るいのは、きっと志願兵の皆さんとの談笑のおかげだと思う。
臨時ミーティングで話してた通り、この人達は小説を読んでたの。
シナリオを聞いただけでも、私達の過去の戦闘と似通った部分が見つかって。
小説の執筆者はどこかで戦闘を見ていたのかな? と疑うほど。
小説の名場面と、私達の戦闘の経験談との、交換のやり取りをした。
あっという間にパーティー会場に到達していた。
談笑で時間の感覚を忘れていた。
パーティー会場は位置的に[ラストコア]臨時支部の近くに設定されていた。
これも早く着いたと感じられる理由の1つでもあった。
会場内はいつスタートしても違和感がないほど、飾り付けが施されていた。
綺麗なテーブルクロスの上に、真っ白なお皿と光沢のあるナイフ・フォーク・スプーン。
ワイングラスのツヤも、美しく輝いていた。
料理はバイキング形式で、洋風メインのメニューとなっていた。
会場内の前方には、幕が下ろされたままのステージが存在した。
あともうちょっとで、音楽コンサートが開幕する。ワクワクするなあ。
勇希兄ちゃんはバイキングのメニューに夢中だけど。
下の方の兄の行動に呆れていると、会場内にアナウンスの放送が流れた。
放送はコンサート開催の合図で、それが終わるとステージの幕が上がった。
温かみのある照明の中、オーケストラの楽団の皆さんが横一列に並んでいた。
皆さんが一礼をして、指揮を担当する人が軽く挨拶を述べた。
楽団の皆さんが楽器演奏の持ち場につき、楽器を持って演奏の準備をした。
少し静かな間を取った後、指揮者の両手が動いた。弦楽器のソロパートから、曲が始まった。
やがて勢いをつけるように、他の楽器の演奏も私達の耳に入ってきた。
プロの楽団によるクラシック曲の演奏は、心地良かった。
1曲1曲終わるたびに、私達は拍手をしていた。
バイキングに夢中になっていた勇希兄ちゃんが、私と和希兄ちゃんの分を持ってきた。
勇希兄ちゃんは自分の皿にかなりの量を詰め込んでいた。
私達の分はこれより少なめだ。
満腹になってしばらく動けなくなっても知らないからね、勇希兄ちゃん。
説教ではないけど、兄に一言指摘するのを今日はやめた。
心の中に留めて、後で覚えてたら言えばいいかと。
1日が終わる前にコンサートは終了した。
クラシックだけだったけど、綺麗な演奏に酔いしれていた。
パーティー開催中に問題は発生しなかった。
――武人兄ちゃんがいなくなった以外は。
☆☆☆
パーティーが順調に盛り上がりを見せている最中、武人は会場を出ていた。
宗太郎にすぐ戻る、と耳打ちして。
彼は護衛の付き添いを促したが、武人はこれを拒否した。
外の空気を吸うには、会場の通路で止まるだけでは物足りず。
武人は会場の玄関の扉を開いて、真っ暗な外へ出た。
会場の外はクラシック音楽とは無縁そうな、スラム街が近くの離れた場所に存在した。
敵の襲撃の可能性もあり、パーティ会場の指定をあえてここにしたのだ。
武人が意識していなくても、街の中に訪れる事はできた。
夜の影響もあって、街中は静かだった。
酒場でもあれば、フラッと立ち寄れたが。
(都合よく、飲めるわけないわな)
仕方なく武人は歩き、5階建ての建物同士の隙間に入った。
片方の壁にもたれ掛かった。
ハァ、と武人は息を吐いた。
(どこまで、保つんやろうな……この身体)
武人の顔には少し、汗がかかっていた。ポケットのタオルで、流れた汗を拭き取った。
武人の身体は、限界まできていた。
クーランに《ラルク》と呼ばれ、物心ついた頃には他星の制圧に参戦させられた。
事実上、11の星を潰してきた。
潰した星全てを力押しで粉砕したわけではない。
民にとっての生命線を破壊し、自然に壊滅させた星もある。
武人はHRでも頭の良い方だった。
12番目の星、金星圏フェルホーンで、武人は運命的な出会いをした。
王女エトラトルは、彼の精神的な支えになってくれた者だった。
地球の交流会で失ってしまった。
クーランの襲撃で絶えかけた彼を、彼女は救ってしまい……そのまま消えていった。
地球の血が流れる彼女の想いを武人は継いだ。
他の[宇宙犯罪者]と武人の違いは2つ。
前線に立ち過ぎたのと、身体をいじられた事。
武人はクーランの下に属していた時も、王女の警備時も、[ラストコア]の特別隊員になった時も、ずっと前線に立ってきた。
HRのロボ形態の変身の根幹は、細胞の分裂と破壊の繰り返しである。
ロボットになるために細胞の分裂が始まり、元来の生物に戻るために細胞は壊される。
脅威的な力を持つHRの代償である。
他の者は比較的変身をしていない。
マルロのように仲間を使役する者もいれば、ニシアのようにHR以外の戦略を持つ者もいる。
武人は基本、戦い抜くにはHR能力がいる。
せいぜい、武器の銃を単発で出して生身で戦える程度だ。
だから武人は、アレックスに地球産ロボの開発の依頼をした。
同時に自分の身体の検査を彼に認めた。
【パスティーユ】等の超高性能なロボは、武人の身体検査なしでは完成しなかった。
原始地球ではHRの知識が足りなかったのだ。
アレックスは武人の身体の検査を幾度も行い、地球上で再現可能な物質と仕組みの構築を模索した。
人間を守るコックピット《剛力ガラススフィア》、ロボの柔軟な骨格をつくる《神経チューブ》、体格の変幻自在を可能にした《熱溶解》を生み出した。
1人乗りではこの環境下でも絶えきれなかった。
だから3人乗りのコンセプトに変えた。特殊性能のオプションをつけて。
オプションが、【パスティーユ】がスピード型・火力近接攻撃型・広範囲攻撃型にチェンジできた。
(なんか売店でも開いてたら、水でも買えたんやけどな……)
武人は思って空を見上げた。
空の色は黒に近い青色。普通の店舗であれば、閉店を過ぎている頃合いだろう。
(街の雰囲気あんま良くないから、なんか開いてるなぁと期待してたけど、人払いしとるわな)
武人は空を見上げるのをやめて、背もたれを支えた建物の側から離れた。
帰ろうかとキリをつけて、建物の隙間を出ようとすると……。
武人の両目が細くなった。会場へ戻る足も止まった。
彼は自分の左右を目で追った。
(誰かおるな?)
武人は人の気配を感じていた。
街を歩いた時、建物内の照明はどこも消灯されていた。
単純に住人が就寝時なだけだとも受け取れそうだが。
(灯りついとる部屋が1つもなかったんや)
最初から武人は、この街の違和感に気づいていた。
(こんなスラム街やったら……酒場の1つや2つありそうやのに、見当たらんのが引っ掛かったんや)
建物の隙間は彼の後ろにも出入り口があった。
彼が立ち止まって、数分が経過した。
カンカンカン、と軽い音に聞こえたが、立派な銃声だった。
銃弾の跡が付く場所を、武人は察知していた。
即座に前へ飛んだ。クルッと1回転して着地。姿勢を少し屈んだ状態で立っていた。
先程まで背に向けていた側の隙間の出入り口に、人影は見当たらない。
(上から撃ったんか? せやけど……!)
同じ軽い銃声が、彼の後ろから聞こえた。
着地の仕方も姿勢も同じやり方で行った。
武人が出入り口として利用しようとした側だったが、こちらも人影はない。
(やっぱり上やろうけど……)
彼はもう一度空を見上げた。
三度目の銃声。銃弾が律儀に上から降ってきた。
これも武人は軽いステップでかわしていく。
(姑息やなぁ……!)
三度目の場合も、すぐに途絶えた。今のうちに再度上を見上げる。
人の姿を……視認できなかった。
(おかしい……屋上にはおるやろ……!)
武人はありえない物を目視した。
建物の隙間……この場合は広めだったが、約3メートル程度の幅だった。
そこに落ちてきたのは、神社の巨大な鐘みたいな檻。
人間1人をすっぽり入れるには、ちょうどいいサイズだった。
(空気孔が天辺の丸い穴だけか……! これに入ったら抜け出されへんかもな……!)
鐘のような檻は、武人をさらに驚愕させた。
同じ物が、また落ちてきたのだ。
狭い隙間内という厳しい条件の元、武人は檻の罠を回避していった。
落ちてくる檻をよじ登ったり、銃を出して檻の軌道を変えたり……試行錯誤の手段を取った。
(このまま広い通りに出るか、いや、被害や騒ぎが拡散される……! 屋上付近まで登れたら、あとは……!)
武人はこの時も回避行動にジャンプを使用した。
ジャンプが最大の落とし穴と彼は知ってただろうか。
マルロ戦の結末を思い出せるなら、理解しやすいだろう。
武人も『敵』に挟まれた。
屋上に人……『敵』がいるのは彼の読みどおりだったが。
檻を直角に向きを変えて、両方の建物の屋上から投げつけられるまでは……予測できなかった。
(しまった!)
武人は危険を感じたが遅い。彼は檻に閉じ込められた。
檻の縁には細かいギミックが施されており、捕獲対象を完全に逃さないようにしていた。
だが山のように積まれた檻の影響により、足場は不安定。
武人の入った檻は、転がるように落下した。
(ぐっ……!)
ショックを和らげる為に、彼は頭に両手を置いた。
武人の入った檻は、大通りの向かいの建物にぶつかり、動きを止めた。
「ぐっ!」
弾かれるように彼は衝撃を受けた。
おでこの上から、血が流れていた。
檻の中で揺さぶられた彼は、思うように起き上がれなかった。
悪い事は重なりやすいもので。
真っ暗な檻の中は、ガスを充満しやすかった。
薄い霧のような煙はガスだと武人は判断した。
両手の位置は、鼻と口に移った。
(頃合いやな……)
彼はなんとかガスを吸わないように抵抗したが、小さい穴しかない檻の中では限界が来る。
まぶたがゆっくり、閉じられていく。
(土星人と金星人の助けもある。進出は可能や。頼むで……皆……)
★★★
武人……『ラルク』を捕獲した檻の動きが止まり、屋上の『敵』達は全員飛び降りた。
黒髪の少年達が屋上から飛び降りる姿を見て絶句する一般人は多いだろう。
しかしこの日の住人は既に人払いされており、目撃者はいなかった。
少年達……見た目はそうだが、中身は地球人とは別物だった。
彼らの『ラルク』に発砲した銃は、ホルダーに収めていない。
そもそもホルダーみたいな入れ物は必要ない。
銃を自らの手で出したり消したりできるからだ。
この行為は、当然地球人にはできない。
彼らが地球人でない証拠は他にも、5階建の建物から飛び降りても難なく着地できる事もそうである。
ならば、彼らは何者か。
数人が『ラルク』の入った檻を持ち上げた。
……二足歩行のロボに変身して。
他には空の檻を両手で持った者も数人。こちらもロボに変身した。
全員がロボに変身し、上空へすぐに飛んでいった。
飛行時間はわずか数秒。雲隠れする宇宙船まで移動した。
『ラルクを捕獲しました』
『ご苦労。最初から犯罪者共に頼らず、奪い取ったらよかったなぁ』
『はい』
『そのまま俺の所まで連れてこい。後は俺がなんとかする』
『承知しました』
オペレーターが誰かと通信でやり取りしていた灰色の宇宙船。
後部にロボ達が次々入っていった。
☆☆☆
「何で誰もアイツについて行かなかった!」
「申し訳ございません!」
ジェームズさんの怒鳴り声と、志願兵の皆さんの謝罪。
統制制御室内の空気はかなりピリピリしていた。
武人兄ちゃんが行方不明になったから。
パーティー終了後、臨時支部に戻る為の点呼を取ったんだ。
武人兄ちゃんの姿がないと気付いたのはこの時だった。
西条司令はすぐに捜索指示を出した。
今回のパーティーでも不参加の人達がいたので、彼らに捜索の任務に就かせていた。
珍しく参加したアレックスさんも、電話でAI射出の命令を下した。
私達参加者は、急いでバスに乗って戻った。
臨時支部に戻った後も騒がしい状態は続いていた。
判明している情報は2つ。
武人兄ちゃんは会場に出て、そのまま歩いていった。
半径数メートルほどの街の地面に、何かやらかした跡が数カ所見つかった。
銃を発砲した痕跡と、大きな土管の淵でつけたような丸い跡。
事件があったようだ。その事件に武人兄ちゃんが絡んでいた可能性は高い。
いや、絡んでいるのは確実だろうと、この場にいる全員が睨んでいた。
「お前達だけではない! 王子の側近兵やビウスの残存兵も会場内にいただろう! 何をしていた!」
「そ、それは……」
指摘を受けた彼らは何も言い返す事ができなかった。
リュート王子とサレンさんも含め、皆顔を上げていなかった。
ジェームズさんの怒りを鎮めたのは、隣にいた西条司令だった。
彼はジェームズさんの肩に手を置いて言った。
「もうよせ。責任の押し付けは無駄だ。私の油断が招いたのだ。[宇宙犯罪者]の気配がないと思い込んでいた……」
ジェームズさんはぐっ、と堪えた。
彼もまだ言いたい事はあったようだけど、上の人に止められたら黙るしかない。
「クーランの所以外にも、[宇宙犯罪者]は存在しているんだ。黒川には護衛を拒まれたからな。せめてアイツにバレないように護衛をつけるべきだった……すまない」
西条司令は謝罪の礼をした。
土下座まではいかなかったけど、頭は低く下げられた。
ここで土星圏の人達の手があがった。
よろしいでしょうか、と一言添えて。
「HRは基本、単独で行動する者は少ないです。あるとすれば、一部の尖った能力の持ち主のみ。金星の人も集団で襲撃したでしょう」
「《同調性》ですね……」
「今までそれで、生き延びてこられましたので。ビウス様のような首領レベルでしたら判断力はつきますが……」
王子がHRの特性を1つの単語にまとめ、残存兵達は否定しなかった。
「考えられるのは、クーランの手が延びていない[犯罪者]が、原始地球を襲わない事です」
「襲う理由が……ないからですか?」
「そうでしょう、ねぇ。あるとすれば資源問題か環境か」
「各星々に共通する問題事項ですね」
うーんと考えこんでいた大人達。
そこに、勇希兄ちゃんが割り込んだ。
「兄ちゃんが言ってたクーラン、って奴じゃねぇの?」
その瞬間、室内がざわついた。
確信を得たと思ったのか、西条司令が声を大きくして言った。
「そうかもしれん! 黒川と繋がりのある奴なら……」
「科学者さんですよね……? あんな隠蔽工作ができるとは……」
統制制御室に通信が入った。
[ラストコア]内の一研究室の人が映っていた。
『司令、報告があります!』
西条司令とジェームズさんは回線相手が映るモニターへ向かった。
「何か発見したか?」
『はい。採取した僅かな黒い破片を観察の結果、黒川さんの汗が検出されました。あと、この破片は軽金属でしょうか……地球上の金属とは思えない構造をしてまして……』
『司令!』
別のモニターに誰か映った。
こちらも一研究室だけど、違いは顕微鏡の代わりにPCが複数設置されていた。
「今は取り込み中だが……」
『衛星データですね? お先にどうぞ』
最初の発信者が後発の人に譲った。
『ありがとうございます。データの映像を分析した結果、1日程上空に宇宙船らしき物が止まっていました』
後発の発信者はすぐに映像の一部を出した。
かなりぼやけているが、黒色の宇宙船がロボを発進させているシーンが流れていた。
「この船は……もしや!」
声をあげたのは、ビウスの残存兵だった。
兵達の間ですぐに話題が広まった。
西条司令とジェームズさんが残存兵に寄りに行った。
「何か、知っている情報があれば教えてほしい」
「もちろんです。あれは火星圏タレスの宇宙船、[フィルプスリトル12]かと思われます」
「私はビウス様と共に、クーランの元へ伺った経験があります」
私達兄妹と王子達、西条司令とジェームズさんは驚いた。
訪れた過去があるなら勿論……。
「クーランの本拠地も特定できるのか?」
「タレスの位置までは把握できます。研究所は……目星はついていますが……」
「そこは特定できた方が……」
「ビウス様の付き添い時は、自動案内されまして……味方、身内しか受け入れない厳重体制を取っておりまして」
西条司令はうーん、と悩んでいた。
隣にいたジェームズさんも、困ったなと漏らした。
再び、土星圏の人が意見を述べた。
「タレスに行きましょう。元々計画を立てていたのです。調整を早めましょう。研究所の位置は捜索すれば良いだけです」
「我々の宇宙船があれば、多視点で星全体を隈なく調査できるでしょう」
土星圏の人達以外からも声があがった。2人の兄達からだ。
「早くアイツらから武人兄ちゃんを取り戻そうぜ!」
「俺達は準備できてます。今から急いで搭乗しても構いません」
次に王子達。
「すぐに側近兵に連絡します。司令は命令を」
サレンさんは既に走り出していた。
「私達は来て間もないですが、黒川さんは現在の地球に不可欠な存在です! 私達にも是非!」
志願兵の代表者が言った。
「護衛できなかったお詫びとしても、我々はお供いたします。ビウス様もあなた方に託しております」
残存兵の1人が言った。
ジェームズさんは落ち着け、と沈静化を促した。
彼の1歩下がった位置で、西条司令は黙って聞いていた。
ようやく、司令の口が開いた。
「わかった。予定をかなり早めるが、宇宙進出を今すぐ実行しよう」
「少し待て! アレックスらに調整完了か……」
『いつでも乗れるぞ。ロケットに。だからパーティーに参加したんだ』
3つ目の通信回線が開かれた。
いや、違うかも。その理由は司令とジェームズさんの話でわかるから。
「アレックス! 回線は……」
『一応ミュート設定で聞き流していたよ。司令、一か八かの賭けになるが、今すぐ叩きに行こう。ズルズル引っ張ると、黒川の身に変化が起こる可能性がある』
「無論、そのつもりだ。皆! これからは長い修羅場を迎える事になる! [ラストコア]にとって久々の《宇宙進出》だ。今回は土星圏と金星圏の協力で、以前と比べると成功率は格段に高いだろう。しかし、それを踏まえても、我々に生命の保障はないと思え! これから、もっと過酷な戦場を駆け巡る!」
西条司令が皆に伝わるよう、声を張って言った。
「各自、すぐ持ち場につけ! 進出のタイミングは任せる! 目標、火星圏タレス! 生き延びれば、再会しよう!」
「はい!」
大きな返事の後、室内の皆が持ち場につく為に走り出した。
私も兄達と、【パスティーユ】の積まれたロケットに向かった。
★★★
[ラストコア]には宇宙用の発射台が数基設置されていた。
台にロケットのブースター部分が接続している状態である。
大気圏突破の為、ロケットを地面と垂直に飛ばすのだ。
ロケット内に隠された宇宙船は、縦の向きに変更されていた。
宇宙船に合わせて、私達搭乗員も向きを揃えた。
発射の最中は危ないので、専用のシートに座り、頑丈なベルトで固定する。
超高速エレベーターが止まるまでは、この体勢で我慢しないといけない。
私の両脇には、2人の兄達がシートに座っていた。
「そういや未衣子。お前どうしたんだ? 統制制御室にいた時、全然喋らなかっただろ?」
まずはいつも通り黙らない勇希兄ちゃんが言った。
「そうだな。武人さんの事、いつも気にかけている未衣子が……。あまり浮かない顔はしていたみたいだけど……」
今度は和希兄ちゃんが言った。
室内で私が落ち込んでいると思っていたみたいで。
それは半分、合っているのだけども。
「そうだね……なんでかな? わかりきっているのに、いきなり恐怖が込み上げてくるの」
「ちょっと待てよ! 今更戦闘に怖気付いてんのかよ!」
「違うよ! その恐怖じゃないよ!」
そりゃあ戦闘も怖いけど、今まで潜り抜けてきたから、もう慣れた。
「何が未衣子に恐怖心を煽ったんだ?」
和希兄ちゃんが聞いてきた。
私は正直に伝えたかった。
でもここではっきり伝えると、2人共戦闘に躊躇してしまいそうで……。
だから、今は誤魔化した。
「武人兄ちゃんが心配なだけだから、気にしないで」
「兄ちゃんはこれから取り戻すんだろ?」
「その為の任務だ。踏ん張ろう」
2人の兄は武人兄ちゃんの詳細について、深く触れなかった。
バレずによかった、という安堵感と。
黙っていてごめんという罪悪感。
私の中には2つの感情が混ざり合った。
これ以降、私達は静かにシートに座っていた。
もうすぐ、ロケットの発射時間だ。まずはこの関門を突破しないと。
ロケットを宇宙に飛ばさなければ話にならないから。
クーランのいる火星圏タレスまで届かなくなるから。
『まもなく発射のカウントに入る!』
座る前にゴツい宇宙服を着ていた私達は、ヘルメットの通信機能から放送を聴いていた。
[ラストコア]には《宇宙進出》でも基地に駐在する人もいた。
ロケットを安全に飛ばす為に、外側視点に立つ人が必要だから。
カウントは駐在スタッフさんの声で刻々と迫ってきた。
『10秒前!』
あと少しで、私達はしばらく地球の地面に足をつけなくなる。
寂しいけど、武人兄ちゃんを取り戻す事を考えたら払拭できた。
『5秒前! ……3、2、1……!』
発射!
駐在スタッフさんの一番高い声が耳に伝わった。
下からゴゴゴ……と音が聞こえる。
接続が切れて、ブースターに火がついて……ロケットが上へ登っていくんだろう。
振動が、私達の身体に伝わっていく。
真逆のジェットコースター、いやそれ以上の迫力を感じ取っていた。
ロケット内部は揺れていた。視界も安定していない。
私は静かにしていたが、勇希兄ちゃんはうう~! と唸っていた。
一番怖がってるの、勇希兄ちゃんじゃないの?
この振動が収まる時はやって来た。
放送は駐在スタッフさんからロケットの操縦士さんに代わっていた。
声の違いですぐわかった。
ロケットの分離が開始され、私達の乗る宇宙船が表に出た。
ロケットは下側のブースター部分を外すと、残りの部分を真っ二つに綺麗に分かれたんだ。
ロケットの部分はこのまま、地球へ落下する仕組みである。
地球の被害については、事前に各国へ連絡済みだから心配ないとジェームズさんが言った。
宇宙船は横向きへチェンジ。シートと同時に私達の足場も変わった。
壁だった物が、床として利用する事になった。
シートから降りていいとの指示が出た。
ベルトを外して、シートから離れた。
同じ乗組員さんが案内してくれた場所があった。
宇宙船の外が拝める通路へと向かった。
通路の壁には窓があった。
当たり前だけども、私達は衝撃を受けていた。
地球の外観を眺めるのは、本か科学館でしか出来ないだろうと勝手に思っていた。
宇宙飛行士じゃない普通の人には無理だろうと。
それが実現できているんだ。
今、私達兄妹は宇宙から地球を眺めている。
宇宙船の窓から眺める巨大な惑星は、青く輝く宝石のようだった。
「綺麗……」
私はこの一言しか出なかった。
それほど私達の住んでいる地球は美しかったんだ。
「貴重な光景だから今のうちに目に焼き付けるんだ」
乗組員さんの言う通りだ。肉眼でじっくり見れる機会は、二度とないかも。
武人兄ちゃんを取り戻したい気持ちが今、強く思うようになった。
私の不安。
実は彼が今回の戦闘で、消えてしまうかもしれない事。
消失したら、彼は地球に帰れなくなるだろうから。
消えそうになる前に、間に合ってほしい。
私は両手を繋ぎあわせて、祈った。
☆☆☆☆☆
『ミコロボ』シリーズは現代、いや近未来系ファンタジーだと思って下さい……!
投稿後に言うのもアレですが、色々とごちゃごちゃしてます……すみません。
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