第4話 解錠

ある晩、とうとう悠馬は我慢できなくなり、“あの部屋”の前に立った。呪いのような声は今夜も壁の向こうから聞こえる。


 「何があるんだ……?」


 不思議なことに、その晩は鍵がかかっていなかった。


 扉を開けた瞬間、冷たい空気が顔に吹きつける。そして、部屋の奥にうずくまる黒い人影。


 人影はゆっくりと振り返った。


 その顔は、悠馬自身だった。


 もう一人の自分が笑いながら言う。


 「お前が入ったから、今度は……お前の番だよ」

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