おとぎ話としてこれ以上ないくらい胸に迫ってくる。教科書に載って欲しい。

自分とお母さんだけなら確実に無事に生き残る選択肢があったのに、みんなを……それも元凶である王様まで助けようとするなんて……。

きっと単に「良い子だから」とかではなくて「もしお母さんと自分だけ助かったとしても、そのあと他の人々の犠牲を想うと肉体が無事でも心が罪悪感にまみれて幸せにはなれない」という優しい心の持ち主ならではの動機だったんだろうなぁと私なんかは思うのです。

本当に心の清い人というのは「他人のために」と考えているのではなくて、常に「自分がそう動かなければ自分の心が痛むから」なのではないかな。

だからこそ純粋で割を食ってしまって損をする。
切ないなと思います。
心清い人が損をせず大切にされてみんなで仲良く暮らせる世界になることを願います。

泣きたくなるけれど素敵な物語をありがとうございました。

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