戦隊ヒーローものの怪人に転生したので世界征服目指してみる
まする555号
第1話 怪人として生まれました
ある日、俺は生まれた。世界征服を企む総裁ゲドー様が生み出した1人目の怪人ジャマーとしてだ。
ゲドー様は俺を地球の日本という国に送り出した、「7日に1度、貴様以外の怪人を送るので、世界征服に邪魔な人類を無力化するのだ」というのがゲドー様から頂いた命令だ。
ゲドー様が7日に1度送り出して来る怪人は、人に擬態する能力と、高い戦闘能力と、それぞれ別々の特殊能力を持っている。
例えば最初に世界征服の為に送り出された怪人フンバは、人を石化させる息を吐くという特殊能力を持っていた。
人の世界に擬態して侵入し、人が油断した所で石化させて無力化するようゲドー様は生み出した怪人だった。
ただ1つ問題があった。人類の中にはエターナルレンジャーという守護者がいて、怪人が人類を無力化するのを邪魔して来るのだ。
唯の人類だけなら、俺が7日に1度7体生み出せる、一般的な人類の7倍の身体能力を持ち、銃程度では傷つかない高い防御力を持つ戦闘員ジャッカーが負ける事はない。
けれど守護者エターナルレンジャーは普段から戦闘員ジャッカーと同程度の身体能力を持ち、さらに変身する事で身体能力を7倍向上させる事が出来た。
さらに戦闘員ジャッカーの防御力を貫通する特殊な武器を持っていて、戦闘員ジャッカーを瞬殺するのだ。
けれどゲドー様が7日に1体送って来る怪人は、変身後の人類の守護者エターナルレンジャーの7倍の身体能力を持ち、その特殊な武器でも傷つかない高い防御力があった。
しかし守護者エターナルレンジャー赤色のレッド、青色のブルー、緑色のグリーン、黄色のイエロー、桃色のピンク、黒色のブラック、白色のホワイトの7人いて、しかもレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクの持つ武器を合体させると、怪人でも瞬殺出来るエターナルキャノンとかいう必殺技を放出する事が出来た。
ゲドー様はエターナルキャノンが光学兵器だと気がつくと、それに耐性のある怪人を生み出して送り出してくれた。
しかしエターナルレンジャーは、ホワイトやブラックの武器を合体させて耐性を貫通するスーパーエターナルキャノンやハイパーエターナルキャノンを繰り出すようになり、さらに最近は7つの武器を合体させたメガエターナルキャノンという必殺技まで繰り出すようになった。
俺は怪人の体長を7倍の大きさに巨大化できるという特殊能力を持っていた。
ただこれは怪人の命が尽きようとしている時にしか使えなかった。しかもそれを使うとその怪人は理性を失い、特殊能力による攻撃が出来なくなってしまうので、ただただ暴れさせ、街を破壊するぐらいしか出来なくなってしまった。
俺は戦闘員ジャッカーと怪人と俺の特殊能力を駆使して、人間共をかなり無力化して来た。
けれど守護者エターナルレンジャーは新たな力獲得した。巨大化した怪人に対抗できる巨大兵器エターナルロボを出撃させて来たのだ。
このエターナルロボはレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクが移動の際に乗るエターナルメカを合体させたものだ。
これは巨大化した怪人と同程度の力があり、さらに巨大した怪人をも倒せる超必殺技エターナルファイナルクラッシュを放つ事が出来た。
ゲドー様はエターナルファイナルアタックが物理攻撃である事を見抜くと、物理防御に秀でた怪人を送り出してくれた。
けれどホワイトが移動の際に乗るエターナルメカが剣となってエターナルファイナルスラッシュとかいう物理防御を切り裂く超必殺技を放つようになった。
ゲドー様はこちらもエターナルロボの防御力を上回る攻撃力の高い怪人を送り出して下さった。
けれどブラックが移動の際に乗るエターナルメカが盾に変形してその攻撃を弾くようになった。
ゲド様がエターナルファイナルクラッシュやエターナルファイナルスラッシュの射程外である上空を飛べる怪人を送り出して下さったのだけれど、エターナルロボは剣と盾を背中に装着すると翼に変形して飛行できるようになってターナルファイナルアタックという超必殺技を放つようになった。
「グヌヌ、エターナルレンジャーめ……」
今回も俺は全ての
巨大化した怪人に暴れさせ、
「また失敗したようじゃのぅジャマー」
「申し訳ありませんゲドー様」
「まぁ良い、怪人はまた生み出せる。次こそうまくやるのじゃぞ」
「はっ!」
ゲドー様はそう言うが慈しむように大切に怪人を育てられている。けれど俺を軽く叱責するだけで許してくれる。こんなに失敗続きの俺なのにだ。前の職場だったらネチネチネチネチと1時間は叱責されただろう。
「……って前の職場ってなんだ!?うっ……頭が痛い! ぐぉぉぉぉっ!」
「どっ……、どうしたジャマー! 大丈夫かっ!」
余りの頭の痛さに蹲ってしまった俺を、通信装置の先からゲドー様が、俺を心配するような声をかけて来た。
あぁ、ゲドー様、なんとお優しい……。
「あの糞社長とは全然って、ぐぉぉぉぉっ!」
「ジャマー! ジャマー!」
俺は、ゲドー様の焦った声を聞きながら、その場で意識がブラックアウトしてしまった。
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