第44話 赤梅奪還作戦決行の日
9/23(土)ブルーホライゾン全国大会 当日9:00 開幕
「国民全てが注目する中、待ちに待った第25回ブルーホライゾン全国大会がいよいよ始まろうとしています。今、出場選手選手が出場し、開幕式典が始まります!」
最初の競技は、男女個人戦からスタート!予選に勝ち抜くのは、個人上位5位まで。決勝進出した3名がブルーホライゾン最強戦士と戦う権利を獲得します。
———
ロン
「そろそろ時間だぞ」
10:30分ゲート前一台の配送車が向かう。
「ロン、ゲートを無事通過、格納エリアに入ります」紫音が慎重に確認しながら報告する。
「ジン、千斗、焦るなよ」
「大丈夫!ただ通り過ぎるだけだ」
ジンは千斗を落ち着かせた。
『IDを提示ください』
ピッ!
「無事通り過ぎた。あっ警備員だ!」
「ちょっとそこの車止まりなさい。昨日も来ましたよね」
「はい、コクーンの部品が不足していまして」
「入室許可を確認できました」
「通れ」
「うわ!緊張したー!汗だくだ」
千斗が被り物を脱いだ。
「俺、映画の主役みたいだな」
「ああ、ガチだ」ジンが後部座席から笑った。
「よし!右の通路から入れ」とロンが指示を出す。
「了解」
「セキュリティは、解除されてる二人は、隠れて人が来ないかどうか見張っていて」
「ジン、千斗 そこの鉄格子を切って」
「音を出さないように、床に落とさないよう一本ずつよ」
———
「そろそろだな」とタケルが合図する。
アンドロイドアキラがガラス張りの2階の監視室に、ドリンクとキスマーク付きタオルを配り始めた。
下の二人の見張りと監視室にアオイが手を振る。
「みんなー!頑張るから応援してね!」
「セレスティア!がんばれ!」
「乾杯!」
(全員、ドリンクを飲んだな)
三人はコクーンに入る。
「やはり勝ち抜きメンバーにはΩnovaがいる」
———
青梅センター
「そろそろ最終戦が始まる」
青梅軍司令部 東雲大佐と科学技術省 真壁主任はモニターから対戦選手の数値を観察していた。
その瞬間、監視室のモニターに脳波データが走った。オペレーターが声を上げる。
「……数値が異常です。これは……」
「上がってくるのは、やはりΩNovaだな」
主任が低く呟く。
「七瀬隼人に匹敵する数値だ。青梅の戦力として、ぜひ確保したい」
「まだ子供だ。十七歳になったばかりです。大佐」
「兵器としては若い方が適応する。面白い素材だ」
次の瞬間、警告音が鳴り響く。
「システムに外部からの干渉を検出!……非常通路の熱感知センサー反応!」
「まさか⁈ 侵入者だと?」
「至急、状況報告せよ」
――会場の熱狂の裏で、全く別の戦いが始まろうとしていた。
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