一人じゃない。独りじゃない。君が教えてくれた。
- ★★★ Excellent!!!
『俺を一人にした君』は、幼馴染の彼女が余命を告げるところから始まる、静かで深い愛の物語です。
長い付き合いだからこそ素直になれないふたり。
「一人」と「独り」の違いをめぐる会話が、作品全体の哲学的な軸となり、
「魂のまま、あなたと生きるわ」という彼女の言葉が、胸の奥に残りました。
限られた一年を“最高の一年”にしようと決めた瞬間から、ふたりの時間は積み上げられていきます。
別れの先に残るのは、喪失ではなく、確かな記憶と深い愛。
読後には、静かな余韻と、誰かと生きることの意味が心に残りました。