詩人彗ちゃんの秋の夜会レシピ2〜彗ちゃんシリーズ3

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第1話 プロローグ

〜 プロローグ 〜




テーブルに並ぶ秋の饗宴。


栗のポタージュは黄金色の霧のように柔らかく、


カボチャのリゾットは夕暮れの光を閉じ込めたように輝く。


そして最後に控える秘密のデザートは、月明かりに染まった宝石のようだ。


彗ちゃんはひとつひとつの皿を、まるで詩の一節を紡ぐかのように丁寧に置いていく。


「まずはこれから」と、栗のポタージュを差し出す。


指先がふわりと揺れるたび、光と影が微かに踊り、私は思わず息を飲む。


「香りを楽しんで…秋の光を閉じ込めたんだ」


低く澄んだ声に、子どもっぽい誇らしさが混じり、胸の奥がくすぐられる。


思わず微笑む私を、彼は涼やかな瞳でじっと見つめる。



リゾットを置くとき、彼は少し首をかしげ、真剣な顔で言った。


「味覚で物語を読んでほしいんだ」


しかし、スプーンを落として慌てる仕草は無邪気で、私は心の奥で小さく笑ってしまう。


その瞬間、夜の空気がふたりだけの秘密の香りで満たされる。



そして最後のデザートが差し出される。

彼はふと手を止め、私の目をじっと見て囁いた。


「これは…特別な一皿」


手元ではにかむ仕草と、声の真剣さが交差し、胸がぎゅっと締め付けられる。



フォークを手に取り、一口食べる。


とろける栗の甘味、カボチャのあたたかい色味、洋梨の芳醇な香り、そして彗ちゃんの声の余韻が

ゆっくりと心を満たす。


子どもっぽい失敗も、クールな瞳と詩的な言葉で包まれると、


私はただ身を委ね、時間を忘れてしまう。



その距離感が、もどかしくも愛おしい――


夜はまだ長く、秋の香りと彼の存在に抱かれながら、


片思いの甘く切ないひとときが、静かに、でも濃密に流れていく。



〜〜



今日は皆さんに私の大好きな彗ちゃんが、

いかに素敵な詩人であるかを少しだけ披露させていただきたいと思います。



ナルシストで、綺麗で、繊細で、

でも無邪気で憎めない、

そんな彼の詩の世界を、想い出の3皿を

ご賞味あれ…。














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