第2話

入った純喫茶はこじんまりとしていた。机と椅子は木製でこの店の歴史を象徴するかのように佇んでいた。彼女と僕の関係性はなんと言ったらいいかまだわからない。月に一度だけ会う関係性だ。彼女は僕よりも年上で大体のことを承知していた。少なくとも僕にはそう映った。僕はオレンジジュースを注文し彼女はブラックコーヒーを注文した。僕はまだ16歳だった。彼女の年齢を尋ねたことはないがその立ち振る舞いから20代後半であると僕は予想していた。

彼女との出会いは小さな露天だった。その日僕は母の買い物に付き合わされて百貨店に行った。そこでその露天を見かけた。その露天には色とりどりのブローチが売られていた。そこで彼女はブローチを見ていた。僕はその店に何故か惹かれ足を止めた。

彼女に惹かれたのかブローチに惹かれたのかはわからないが何故か足を止めた。

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雨音とコーヒー 赤坂飛鳥 @Asukasaka

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