不思議な猫に導かれて鳥居をくぐると、そこには――。

 ある少女は苛められていた。日に日にエスカレートする苛め。そんな苛めっ子たちが少女を空き部屋に連れ込んだ。そこでは「こっくりさん」に似た儀式が行われていた。そしてその儀礼の中で、少女の腕に巻き付けられた黒い布。その「黒い手」を犠牲にして怪異を呼び出そうとしていたのだ。しかし、消えたのは少女ではなく苛めっ子の方だった。
 少女は苛めっ子を助けるために、不思議な猫に導かれて鳥居をくぐる。そこにあったのは神社。そして一人の巫女装束の少女だった。黄昏時のこの神社に願えば、怪異を解決してくれるという都市伝説があった。少女は巫女装束の少女の案内で、怪異と人間界のあわいにある「迷い家(まよいが)」に足を踏み入れる。
 そこにいたのは、人間界の怪異を見張り、解決してきた妖たちだった。

 果たして消えた苛めっ子たちは、無事に人間の世界に帰ってくることができるのか?
 そして最近妖がらみの事件が多い。
 ループする旧校舎、悪質転売ヤーに起こる異変、人食い自販機。
 
 「迷い家」の面々は、決して正義の味方ではない。
 人の行いに応じて、解決策を取るのみ。
 何故なら妖たちや怪異たちは、人間の感情から生まれてくる。
 すべては因果応報なのだから。

 ホラーというよりも、人間と「迷い家」との絆を感じる作品です。そのため、「怖い」というよりも「ほっこり」とした印象でした。ちなみにこのレヴューで紹介したのは初めの部分でしかありません。優しいタッチで描かれながらも、とても深い一作です。

 是非、ご一読下さい。

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