カラフル!

宮島リコ

第1話 こんにちは!黄色の妖精

「君は、黄色に選ばれし者だっ!」

 私、黄川(おうかわ)つむぎ!元気だけが取りえの小学6年生!                

 そんな私…は、今、呆然と前を見つめていた。

 目の前には、レモンときつねを融合させたようなかわいい生き物がふわふわと浮いている。

 キイロニエラバレシモノ?ナンデスカソレハ?ソシテアナタハダレデスカ?

 頭の中が?でこんがらがっている。

 すると、目の前にいる謎の生き物が口を開いた。

「僕はゲルプ!色の妖精の1人で、黄色担当です!で、君の心の色を見たんだけど        ね…なんと、僕とおんなじ黄色!そして、君は僕のことが見える…ということは! 君は僕のパートナー…相棒なのです!」

「…………は?………」

 ひゅーと冷たい風が吹いた…気がする。

 ゲルプとやらサン、説明が足りない気がするヨ…

「とーにーかーくっ!君と僕は相棒なのです!」

「あいぼう?」

「そう!相棒!よろしくね…ところで、名前は?」

「黄川つむぎ…です!つむぎって呼んでください!ええと…よろしくねゲルプ!」

 ……いやいや、よろしくって何だあーーーー!!!ゲルプのこと、何も知らないのに何だよろしくって!!!

「前言撤回!よろしくはしない!知らない人の話は聞かない!!いや、人じゃないのか、、、 知らない生き物にはついていかない!!」

「えーーーーーー。ていうか、僕のことが見える時点で知らなくないから、聞いて!ついてきて!」

 そう言って、ピューとどこかに向かって飛んで行ってしまった。 

 いやいや、知らない人…生き物についていくわけないでしょ!!

 でも、どこに行ったのかな?……気になる。バレないように後ろから追いかけるくらいしていい……よね?よし、こっそりついていこう!


   ♠♥♦♣★


 こそこそ後をつけるのは…よくないけれど、ついてきて!と言われたから、ついて行ってもいい…ハズ。

 そういえば、街中を堂々と飛んでいるのに、だれも不思議がったりしない。

 まさか本当に私にしか見えてない⁉

 まだ謎が多きゲルプだなあ。

 とりあえず分かっていることは、ゲルプは、色の妖精で黄色担当。で、たぶんその人の心の色?とやらが見えるらしい。それで、ゲルプの担当の色と私の心の色が同じで、私にはゲルプが見えるから相棒になろうと話しかけてきた……?

 ああもう、よくわかんないいいいーーーー!

 と、とにかくゲルプを追うことに集中!!

 あっ、古そうな公園に入っていったぞ…

 ええと、今、滑り台を滑って…

「え?」

 ちょっと待って、滑り台の中から出てこないんですけど!!しかも、トンネルみたいになっているから、中の様子がわからない!!

 うーーーこうなったら、私も滑るしかないか!

 3段だけの階段を見て思い出す。

 これって、3歳児向けくらいの滑り台なんじゃ…

「!」

 ここで今、とてつもなく恥ずかしい行動をしていることにきずく。

 今、誰も見てないからいいけど、だれか通ったら終わる……!

 そっと滑り台中をのぞいてみても誰もいない。

「ええい滑ってしまえーーー!!!」

 5秒くらいで終わりそうな滑り台をゆっくり滑り始める。 

 すると、一瞬すごくまぶしくなった。慌てて、目をつむる。

 そして今、立っていることに気が付く。

 滑り終わったのかな?そう思って目を開く。すると、

「いらっしゃい!つむぎちゃん!!」

「え?」

 なんと目の前にはゲルプのような生き物…これは、妖精っていうのかな?

妖精が、たくさんいた。

「え?え?え?え?えええええええええーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 



                               【つづく】

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